メンバーのお名前や雰囲気をお借りしたお話です。
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近づいてきたのは松尾香織だった。
乗船の時のシャネルのスーツから、派手なスパンコールの付いた黒いドレスに着替えている。
「あ・・・、はい。」
「残念ですが、こちらはオークションには出品いたしませんの。
番号が付いている絵だけになりますのよ。」
確かに絵にはタイトルのプレートだけで番号はついていない。
「そう・・なんですか。」
「どうしてだと思います?」
いたずらっぽく笑いかけてくる。
「さ、さあ。」
「実はこの絵のモデル、私なんです。」
「えっ?!」
思わず絵と本人を交互に見比べる。
絵の中の女性はすらりと背が高く、顎や首もほっそりとしている。
「おほほほっ、ずっと若い時ですけどね。
父にはよくモデルを頼まれましたの。
ですからこれは私の宝物なんです。」
「父? と言いますと、松尾画伯のお嬢様ですか?」
「お嬢様なんて、いやですわ。」
大げさに下川の肩をパシンと叩く。
「改めまして、松尾香織と申します。」
慣れた仕草で名刺を差し出す。
「あ、どうも。 下川画廊の下川です。
すみません。今回は名刺は持ってきていなくて。」
「どうぞお気になさらず。おほほほっ。」
手をヒラヒラと振ると、
「あの~、大野画伯はご一緒ではございませんの?」
内緒話をするように顔を近づけてくる。
ムッとむせかえるようなオリエンタル系の香水の匂いに
下川が顔をしかめて身を引く。
「・・・いえ。」
「まあ、残念。
大野画伯は公の場には出ていらっしゃらないとお聞きしておりますけど、本当ですのね。」
大野画伯とは2年ほど前に彗星のごとくデビューをした新人画家で、その緻密で繊細、
なのに力強く迫力のあるタッチの作風が独特の世界観で、最近人気が急上昇しているのだ。
しかも顔もプロフィールも公にはしていないため、
詮索好きな人々の格好の噂の的になっていた。
「誰も素顔を知らない覆面画家。そこがまたミステリアスで素敵ですわ~。
どんな方なのかしら。お若いの?」
「さあ、どうでしょうか。」
「まあ、口が堅くていらっしゃるのね。」
「・・・。」
「大野画伯の絵は下川画廊さんが独占されていると聞きましたわ。
もしよろしければ私どもでも絵を扱わせていただけたらと思っておりますのよ。
もちろん下川様にもメリットのある条件を提示するご用意がありますわ。
いかがでしょう。」
「すみませんが、大野はうち以外とは取引はしないと思いますので。」
「あら。 大野画伯とは個人的なお知り合いということなのかしら。」
「ええ。まあ。」
「残念ですけど仕方ありませんわね。
うちの絵でお気に召す物がございましたら是非オークションにご参加くださいね。
それでは失礼いたします。」
意外にもあっさりと引き下がると、軽く会釈をして去って行く。
松尾が離れたと同時にハンカチで口元を押さえた下川が、
「こほっ、こほっ・・。」
少し咳き込みながらも、またゆっくりと歩き出す。
≪つづく≫
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突然の無茶ぶりな記事にコメントやメッセをいただいた方、ありがとうございます。
ご紹介いただいた場所全てには行けませんが、これから地図とにらめっこしてルートを
考えたいと思います。
翔さん、ドラマですか? しかも若手政治家役とか。いや~ピッタリ(笑)。
相葉さんもヨシムーと一緒にものまね番組のMCとか。これも楽しみ。
そしてニノさんのインスタには、相葉さんとのランチの報告が。
あいつ呼びも5時間も二人で話し込んでたのもよきよき。(*´艸`*)
「ニノさん」で出てきたロンガンって、バリ島(だったかな)のホテルで初めて食べてすっごい気に入っちゃって、毎回お皿に山盛りに持って来てました。
おかげでお腹も快適(笑)。なんか東南アジア方面に旅行に行くと、果物をたくさん食べるせいかめっちゃいい感じなんですよね。お腹もへこむから水着を着る時にはありがたい(笑)。