メンバーのお名前や雰囲気をお借りしたお話です。
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「お待たせして申し訳ございません。
順番に受け付けておりますので少々お待ちくださいませ。」
パーティーが行われる会場前には細長い受付用のテーブルが設置され、
集まってきた人々のチェックが行われている。
男性はダークスーツ、女性はカクテルドレスで着飾り、
身につけているアクセサリーからもかなり裕福な層の人々であることがわかる。
その中に見るからに場違いな男が一人。
スーツが体に合っていないのか袖が余って指が半分まで隠れているし、
ネクタイも曲がっていて剣先がずれてしまっている。
おそらくスーツ自体を着慣れていないのだろう。
「招待状を拝見いたします。」
「・・・。」
小柄な体をさらに丸め、懐から招待状を取り出す。
「下川画廊の下川様ですね。
こちらがオークションのパンフレットになります。」
バンフレットの表紙には、『松尾太郎生誕100周年記念オークション』との筆書きの下に、
庭園を背景にたたずむ女性の絵が大きくプリントされている。
「どうぞごゆっくりお楽しみください。」
「・・・どうも。」
会場に入るとすぐに
「ドリンクをどうぞ。」
コンパニオンがにっこりと笑いかけてくる。
「あ・・どうも。」
下川はトレイからシャンパンのグラスを受け取ると、
その場で身体を回転させるようにしてゆっくりと会場を見回す。
広さは200㎡ほどだろうか。
中央には料理の大皿が載った長方形のテーブルとそれを囲むように小さなテーブルが10個ほど設置され、招待客達がグラスを片手に談笑している。
一見セレブの社交場のようではあるが、部屋中に配置された警備員の数を見れば
普通のパーティーとは異なることは明らかだ。
四方の壁には大小様々な絵が30枚ほど飾られ、
その下に番号とタイトルが書かれたプレートが付けられている。
おそらくオークションの時に使われる番号なのだろう。
パンフレットにも同じように番号の付いた絵の写真が載せられており、
それぞれ詳しい説明が書かれている。
下川は料理には目もくれず、一つ一つの絵を永寧に眺めながら
ゆったりとした足取りで歩いて行く。
絵はほとんどが風景画で、雪を頂いた山々や広々とした高原、緑豊かな湖畔や静かな海辺など、四季折々の美しい自然が柔らかな色合いと繊細な筆触で描かれている。
やがて、部屋の一番奥に飾られた小さな絵の前で足を止める。
「春の詩」というタイトルの通り、湖畔に立つ木々の若草色と
草原に咲く小さな花々が春の息吹を感じさせる一枚だ。
その柔らかな日差しの下に一人の女性がたたずんでいる。
大きな帽子をかぶっているため顔は下半分しか描かれていないが
背景の緑に細く白い顎が輝くように美しい。
「この絵がお気に召しまして?」
≪つづく≫
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お名前だけお借りしました。キャラは全然違うけど(笑)。
会報届きましたね~。それぞれがすごくそれぞれっぽくてよかった。
「小っちゃな野望」の動画見たけど、ニノさんってほんとにけん玉うまいですよね。
私も子供の頃やったことあるけど、またやりたくなっちゃった。