シーマス915c 30 | ~ 嵐気に包まれて ~

~ 嵐気に包まれて ~

嵐さんのメンバーのお名前や雰囲気をお借りした読み物です。
腐的描写や暴力的シーンがあります。
気を付けてご訪問ください。
山、大宮、櫻葉、モデルズ、にのあい等、様々なCPのお話がありますので
お気に入りのCPでお楽しみください。

メンバーのお名前や雰囲気をお借りしたお話となっております。
BL的描写が含まれている場面があります。

苦手な方は入らないでください。
 

最初のお話はこちら ⇒ 「シーマス915c 1」

前回のお話はこちら ⇒ 「シーマス915c 29」


★─☆。o゚。★─☆。o゚。

 

 

ピンッ!
 

エレベーターが4Fに到着し、扉が開く。
 

壁に寄りかかっていた背中を引きはがすようにして一歩踏み出したところで、

飛び込んできた人影にぶつかってよろける。
 

「わっ!」

「つっ・・・。」

 

マサキだった。
 

 

「ご、ごめん! 大丈夫? あっと!」

 

慌てて支えようとした手をすぐに引っ込める。
 

「わ~、濡らしちゃうね。」
 

なぜか全身ずぶ濡れだ。

髪からも服からもぽたぽたと水が滴り落ちている。

手に持ったタオルでせわしなくあちこちを拭くが、
そのくらいでは間に合いそうにない。

 

「さっきの大丈夫だった?

俺達プールサイドにいたんだけど、大変だったよ。

 プールの水が玉になって浮かび上がっちゃって。

 重力制御装置の故障だったのかな。」
 

「・・・。」
 

「元に戻った途端に水をかぶっちゃってさ。
も~びしょびしょ。」

 

 

手の甲には切り傷があり、血が滲んでいる。
 

「・・・血。」
 

「ん?」
 

「血が・・出てる。」
 

「ああ、これ? 
ライトが倒れてきて、切っちゃったんだ。」

 

「血が・・出なかったんだ。」
 

呟くように小さな声。
 

「え? 何?」

 

「ふうっ・・・。」
 

壁に手をついて苦しそうに息を吐きだす。
 

「カズ!? どうしたの? どっかぶつけた?」
 

「・・・大丈夫。」
 

「全然大丈夫そうじゃないよ。 医務室行く?」


「いや・・いい。」


「でもすごく具合悪そうだよ。」


支えようかどうしようかと手がさ迷う。


「あ~も~! 誰か呼んでくるよ。

 ここで待ってて。」


「いいから・・着替えておいでよ。

 ライブラリーにいるから。」


「あっ、サトシだったら今ショウちゃんと一緒にプールにいるよ。」


「じゃ・・・そっちに行く。」


「俺も着替えたらすぐ戻るからさ。

 つらかったら医務室連れてってもらいなよ。」


「・・・うん。」




サトシに会いたい。

あの海のように静かな瞳を見れば落ち着ける気がする。


そしてちゃんと話をしよう。

ジュンのこともショウのことも、・・・サトシのことも。

こんなもやもやした気持ちのままでいるのはいやだ。




「は~・・・。」


通路の壁にもたれて天井を仰ぎ、大きく息を吸う。


「ごほっ! ごほっ! こほっ!」


とたんにひどくせき込んで、身体を折って手で口を押さえる。


「ごほっ・・ひぅっ、ふ~・・・、えっ!?」


自分の手を見て愕然とする。

べっとりと付いた血が、指の間から滴り落ちている。


血を吐いた? どうして?


さっき圧迫された時に肺を痛めたのだろうか。

胸が苦しい。

 




このままサトシ達と会ったら余計な心配をさせてしまう。

スポーツジムの洗面台で、手や服に付いた血を洗い流す。


いったいこの身体はどうしてしまったのだろうか。

冬眠の後遺症だけではないのか。
鏡の中の顔は蒼白で、不安そうな瞳が見返してくる。



ドリンクスタンドでカップに水を満たし、一気に飲み干す。


「ごくっ・・ごくっ・・ごく・・。」


もう一杯注ぐと、プールとの境にある休憩スペースの椅子に腰かける。


「はぁ・・・。」


少し落ち着いてからプールに行こう。



ここからはガラス越しにプールが見渡せるようになっている。

先ほどの重力ロスの影響か、至るところ水浸しだ。

整然と並んでいた野菜のポッドもあちこちに散らばっており、
ライトも壊れてしまったのか消えている。



チャ・・・。
 

サトシがこちらに向かって泳いできているのが見える。
 

「あっ、サト・」
 

ガラスを叩いて注意をひこうとして、思わず言葉を飲み込む。
 

サトシが泳ぎ着いた端に佇むもう一つの人影。
 

ショウだ。

こちらからは後ろ姿でショウの表情は見えない。
 

だがサトシの苦しそうにひそめられた眉。

あの時と同じ深い悲しみをたたえた瞳。
 

サトシ?

 

2人で向き合い、ただじっと見つめ合う。

その特別な空気感に声がかけられない。
 

息をのんでただ見つめる。

 

ショウがゆっくりと掲げた左手に、サトシが自らの右手を合わせる。
 

えっ? 何を・・・。
 

しっかりと指を絡め合い、互いの額を付けて瞳を閉じる。

まるで神聖な祈りでもしているかのように厳かな雰囲気。



 

コンッ・・・。
 

手からカップが滑り落ちる。


「サ・トシ・・。」


胸の奥がずきんと痛む。
 


2人がそんなに親密な関係だとは思わなかった。

直接話すこともほとんどないし、2人きりでいるのを見たこともない。
 

だがこの雰囲気は、まるで心から信頼し合った親友のようだ。
 

親友? ・・・いや違う。

あれはまるで・・・恋人・・みたいだ。


 

「くっ・・・。」
 

胸が・・・苦しい。

 

ふらふらとその場を離れる。

≪つづく≫

 

★─☆。o゚。★─☆。o゚。

 

ちょっと気になるシーンの途中ですが、今から飛行機に乗って旅行に行きます。 
なんと羽田発、夜中の2:10。 びっくり

おかげで一度帰宅してから行けるから荷物は楽だけど、お話も更新できたけど、
もこもこに着ぶくれした翔さんも観れたけど(笑)、眠そ~。

今回は島なので、例によってWifi事情はかなり怪しいと思います。

アメンバーの申請、メッセージ等、ご連絡ができない場合もありますので、ご了承ください。

今週末の更新もありませんので、空振らないようにしてくださいね。
 

「2017お気に入りフォトバトン」のリンクも、帰ってきてからになってしまうと思います。

それまでに記事が上がってるかもしれないけど、自力でお願いします。m(_ _ )m

って、皆さんおそらくご存知のお部屋ですよね。

CDも帰りにゲットしてきたけど、見れない。えーん