雨の訪問者 36 | ~ 嵐気に包まれて ~

~ 嵐気に包まれて ~

嵐さんのメンバーのお名前や雰囲気をお借りした読み物です。
腐的描写や暴力的シーンがあります。
気を付けてご訪問ください。
山、大宮、櫻葉、モデルズ、にのあい等、様々なCPのお話がありますので
お気に入りのCPでお楽しみください。


注意メンバーのお名前や雰囲気をお借りしたお話となっております。
   BL的描写が含まれている場面があります。

   苦手な方は入らないでください。



最初のお話はこちら

   ⇒ 「雨の訪問者 1」


前回のお話はこちら
   ⇒ 「雨の訪問者 35」




632分。

見上げた会社の時計は、さっきから全然進んでいない。


「はぁ~。」

今頃、二人はデートかぁ・・・。

あのクリスマスツリーの前でまた写真とか撮ってんのかな。

今日は早く帰ってもしょうがないし、残業すっか。


覚悟を決めてパソコンに向かうが、全く集中できない。

どうしても彼女の事を考えてしまう。


実は雅紀には言わなかったが、少し気になっていることがあった。

彼女は雅紀と最後に会ったのは2か月前だと言っていた。

しかし、その後、電話でもメールでも連絡が取れていないとしたら、

どうしたのかと心配になって家を訪ねて行くのが普通ではないだろうか。

勿論部屋には入れないとしても、管理人さんに話を聞くとかすれば、

引っ越したことはすぐにわかったはずだ。

2か月もの間、いったい何をしていたのだろう。

それにあの感じ・・・。

なんかわざと明るく振る舞っているというか、無理にはしゃいでいるというか、

俺の気のせいかもしれないが、妙に不自然な感じがした。

「は~、だめだ。 どっか飲みにでも行くかな。」


そう思って机を片し始めた時、携帯が鳴った。

「もしもし、櫻井です。」

『あ、宮城です。 今、まーくんと一緒ですか?』

「いえ、俺はまだ仕事中なんで。

 今日、デートだったんじゃ・」

『まーくん、来ないんです。』

「えっ? 来ない?」

『ええ。

約束をすっぽかすようなこと、いままで一度もなかったのに。』

「すみません。

今から帰りますので、また、後で連絡します。」

ってか、なんで俺が謝ってんだ?。

雅紀、どうしたんだろう。

まさか途中で具合が悪くなったなんてことないよな。

慌ててパソコンをシャットダウンして立ち上がろうとしたとたん、

くらっと眩暈を感じる。

ん? なんだ?

机に手をついて治まるのを待つ。

これって・・立ちくらみか?

女子じゃあるまいし、どうしたんだ?

やっぱ疲れてるのかな。 俺。

最近、どうも身体がだるい。

どこがどうということはないのだが、前より疲れやすい気がする。

おっと、とにかく早く帰らなくっちゃ。





急いで家へ帰ってみると、雅紀が疲れた様子でソファに沈み込んでいた。

「あ、おかえり。」

「お前・・、待ち合わせ、行かなかったのか?」

「ううん。

 遅れちゃったけど、行ったんだよ。

 でも彼女、怒って帰っちゃったんだ。」

怒って帰った?

さっきの電話ではそんな感じではなかった。




とりあえず彼女に電話をして雅紀が家にいることを告げる。

『そうですか・・・。 よかった。

   まーくんと話せますか?』

「え? ええ。」


送話口を押さえて雅紀の方に携帯を差し出す。

「彼女が話したいって。」

「もしもし・・。 はい。 すみませんでした。

 え? 今から・・ですか?

そうですね。 オレも話したいことがあるんで。

 はい。 わかりました。」

「ん? 彼女、何だって?」

「会いたいからこっちに来るって。」

「えっ? 今からか?」

「うん。」




現れた彼女は、会社帰りだからかタイトスカートにニットのアンサンブル姿。

化粧も薄くて、この前よりずいぶん落ち着いた雰囲気だ。


  「こんばんは。」

「どうも・・。」

二人とも表情が固い。


「じゃ、俺はちょっと出てくるから。」

この前と同じようにニノの部屋にでもと思ってはずそうとする。

「あ、翔ちゃんもここにいて。」

「え? でも・・。」

「聞いててほしいんだ。」

いつになく真剣な表情に、仕方なく雅紀の横に腰を下ろす。



「・・・。」

彼女はじっと黙ったまま雅紀が口を切るのを待っている。

「あの・・、オレ、今、好きな人がいるんです。」

「え?」

大きく見開かれた瞳。

「だから、あなたとは付き合えません。」

「・・・。」

「酷いことを言ってるってわかっています。

記憶喪失だとはいえ、あなたという人がありながら、

他の人に心を移してしまって・・・。

でも・・これ以上、自分の気持ちを誤魔化せないんです。

ほんとにごめんなさい。」

雅紀? 何を・・、

「好きな人って・・、誰?」

彼女が固い声で尋ねる。

「あの・・、それは・・・。」

雅紀がためらいがちに俺の方を見る。

「いや・・、ちょっと待てって。

 あの、これは・、えっと・・、違うんです。」

慌てて取り繕おうとして、しどろもどろになる俺。

うわぁ・・、絶対なじられるぞ。

いや、泣かれるか?

しかし彼女の次の言葉は、意外なものだった。

「は~、また振られちゃった。」


え? またって?

「ごめんなさい。」

「えっ?」

「ほんとは私達、もう別れてるんです。」

                          ≪つづく≫


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

珍しく連投です。

なぜかというと・・・、そう、間に合わないからです(笑)。

クリスマスまでにたどり着きたいシーンがあるのに、まじでやばい。

今、ざっと頭の中でこのシーンで一話とかって考えただけで、7つもある。

しかも書き始めると増えてしまう傾向にあるし、文字数制限にもひっかるだろうし。

そういえば、いっつも私が文字数が・・って騒いでいたので、ある方がメッセで教えてくださったんですが、

直接ここに書き込まずにワードとかで作った文章をアップすると、実際の文字数より少なくても

制限にひっかることがあるようです。

確かにTVとかDVDの感想とか、直に書くと多少長くても大丈夫だなとは思ってたんです。


でも私の書き方って、書きたいシーンから書いていって、後から間を埋めていくので、

どうしてもどっかに一旦書いてからこちらにコピペするっていう方法になっちゃうんですよね。

なので、これに関してはあきらめました。


年末年始の嵐さんのTV番組のために、HDDも整理しなくちゃなんないし、

間に合うかな~。