雨の訪問者 35 | ~ 嵐気に包まれて ~

~ 嵐気に包まれて ~

嵐さんのメンバーのお名前や雰囲気をお借りした読み物です。
腐的描写や暴力的シーンがあります。
気を付けてご訪問ください。
山、大宮、櫻葉、モデルズ、にのあい等、様々なCPのお話がありますので
お気に入りのCPでお楽しみください。


注意メンバーのお名前や雰囲気をお借りしたお話となっております。
   BL的描写が含まれている場面があります。

   苦手な方は入らないでください。



最初のお話はこちら

   ⇒ 「雨の訪問者 1」


前回のお話はこちら
   ⇒ 「雨の訪問者 34」





彼女とメールでやり取りをして、

今度はレストランで二人だけで夕食をということになった。

彼女が指定してきたのは、よくデートで使っていたという店。

よく使っていた・・・。

いや、もういい加減慣れろ。





「あのさ、俺のことは気にしなくていいからな。」

前日の夜、思い切って雅紀に告げる。


「え?」

「だって、ちゃんと付き合ってた彼女がいたんだし、

それに・・、そっちの方が正しい道だしさ。」

「しょ・・ちゃん。

あの・・、ごめん。 オレ・・。」




うわぁ~、困るよな。

記憶がない間に他の人と付き合っちゃうとかって、

そんなドラマ、なかったっけ?

結婚してたのに記憶喪失になって、他の女を好きになっちゃった男の話。

結局、主人公はどっちとくっついたんだっけか?

だめだ。 ドラマとかってちゃんと見ないから全然覚えてない。

だが、今回の場合は、“他の男”だしな・・・。

最初から勝負にならない。



「お前が悪いわけじゃないよ。

 彼女と元に戻れるといいな。」

「・・・。」

雅紀がうつむいて黙り込んでしまう。

なんだか沈黙が気まずい。

つけっぱなしのテレビの音だけがやけに響く。







「翔ちゃんはそれでいいんだ。」

沈んだ声。

少しなじるような調子が混じっている・・ように感じる。






「・・・。」

まっすぐな眼差しに耐えられずに目を逸らす。

よくはない。 よくはないけど・・、仕方ないじゃん。


逆に最後の一線を越えなくてよかったのかもとも思う。

今ならまだなかったことにできる・・・はずだ。



「あの・・。」

何か言わなければと焦れば焦るほど言葉が出てこない。









「あれっ? あのロゴ・・・。」

「え?」

突然の言葉に驚いて視線を上げると、

雅紀がテレビの画面を食い入るように見つめていた。


「ん? どうした?」

流れていたのは、来年の春に北陸で開催されるイベントについての
特集番組だった。


『今回のロゴは、自然と人との融和をコンセプトにしたデザインと
   なっています。』

『いいですよね? これ。 
   シンプルなのにテーマがはっきり伝わってきて。』

女子アナと中堅どころのお笑い芸人がVTRを見ながら話している。


「いたっ・・・」

「雅紀!?」

こめかみに指を当てて苦しそうだ。

「おいっ、大丈夫か?」

「う・・ん・・・。 

 あのロゴ・・、オレのデザインのような気がする。」

「えっ? ほんとか?」



これって・・・。

すぐにネットで検索をかけてみる。

どうやら4か月前のコンペで優勝した作品のようだ。

「これ、お前が出品したんじゃないのか?」

「どう・・かな・・。

でもそうだったらフリーなんかじゃなくて、ちゃんと仕事してそうじゃない?」

「確かに。」




デザイナーの名前を調べてみる。

三上靖男・・・って、まさか・・。

出てきた写真は、意外な人物だった。

「おいっ! この人って、三上デザイン事務所の社長だった人じゃないか?」

「え? どれ?」

大野さんからもらった集合写真と見比べる。

確かに本人だ。

「もしかして・・・。」

「なに?」

「あのロゴ、盗作ってことないか?」

「盗作? オレのデザインを盗んだってこと?」

「ああ。 お前、社長にこのデザイン、見せたことないか?」

「さあ・・、わかんないよ。」

「だよな。

 デザイン画とか残ってないかな。」

「そんなの無理だって。

 部屋の中の物は何も残ってないし、パソコンもないし・・。」




「おいおい、ちょっと待てよ・・。」

いつもの癖で、唇を指でつまみながら考えをまとめる。



「もしかして、今回の件、社長が関係してるんじゃ・・・。

 お前と社長との間で何かトラブルがあったんじゃないのか?」

「このデザインを巡ってってこと?」

「うん。 証拠を消すためにここを引き払ったんじゃ・・。

お前が記憶喪失になったのを知って、デザインを盗んで・・、 

 いや、待て待て、それじゃ時期がおかしいか。

 4カ月前ってことは盗作の方が先か?」



「もしかしてオレが盗作に気付いて、抗議したとか?」

「ああ、それで何らかのトラブルになって記憶を失った?

 精神的なショックか、あるいは殴られたとか外傷的なものか・・・。」

「えぇっ? オレ、殴られたの?」

「いや、例えばの話だよ。

 頭を強く打って失神したりすると、記憶喪失になったりするだろ?」

「確かにそういう話ってよく聞くよね。」

「警察に・・、いやこれだけじゃ弱いか。

とりあえず、社長に会いに行くか。」

「うん。でも何の証拠もないよ。大丈夫かな。」

「いや、もし何か後ろめたいことがあるなら態度でわかるだろう。

 お前に会ったら狼狽えてボロを出すかもしれないし。」

これは有力な手掛かりになるかもしれない。

                        ≪つづく≫


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

最近の雑誌まつり、すごいですね。

先ほど、例によってちょっとした空き時間に寄った本屋で、「duet」に釘づけになりました。

いや~、ほんと美しいです。

表紙が黒い艶のある質感で、なんとなく指紋を付けたくなくて変な体勢でレジに持ち込んだら、

店員さんが察してくれたらしく、すごく丁寧に袋に入れてくれました。(笑)


黒のフォーマルと白のカジュアルの対比もいいし、1人1ページのアップもすごく素敵です。

そしてなんといっても各ペアのツーショットが、も~、ね。

5人で固まって話してるショットも6、7枚あるんですが、ほぼほぼ全部、翔さんが相葉さんを

見つめてて、櫻葉萌えです。