雨の訪問者 12 | ~ 嵐気に包まれて ~

~ 嵐気に包まれて ~

嵐さんのメンバーのお名前や雰囲気をお借りした読み物です。
腐的描写や暴力的シーンがあります。
気を付けてご訪問ください。
山、大宮、櫻葉、モデルズ、にのあい等、様々なCPのお話がありますので
お気に入りのCPでお楽しみください。

注意メンバーのお名前や雰囲気をお借りしたお話となっております。
   BL的描写が含まれている場面があります。

   苦手な方は入らないでください。



最初のお話はこちら

   ⇒ 「雨の訪問者 1」


前回のお話はこちら
   ⇒ 「雨の訪問者 11」




ピピッ・・、ピピッ・・、ピピピピッ・・、ピピピピッ・・

ん・・・・?

ピピピピピピピ・・・・・

何度か空振りして、やっと手探りで目覚ましを止める。

えっと・・・、どうしたんだっけ・・・。

ぼんやりした頭で記憶をたどる。

そうだ・・。 ゲームしててあのまま寝ちゃったんだ。

「ん・・。」

薄目を開けてころんと頭を転がすと、床に座り込んでいるのか、

ベッドの端に両肘をついてこっちを眺めている雅紀に気が付いた。

瞼が重くて、なんだかぼんやりしている。

「おはよ。」

にっこり笑った顔に、やっと焦点があった。

「あ、ああ。 おはよ。

 昨日って俺・・・。」

「酔っぱらって寝ちゃったよ。」

「そっか・・。 わりぃ。」

「ほら、早く起きて。

 遅れちゃうよ。」

「お、おお。」

慌てて起き上がってシャワーを浴びる。

出てくるとテーブルの上に朝食が並んでいた。

「おぉ! うまそ~。」

「早く食べてね。 何時に出るの?」





「じゃ、これ、ここの鍵。

 入院先がわかったら、気にしないで行っちゃっていいからな。

 俺はスペアキー持ってるから、そのまま持ってて。」

「・・・うん。」

「あっ、金が要るよな。

 これ、持って行って。」

財布から一万円札を三枚抜いて渡す。

「え? そんな・」

「いいから。 金がないとタクシーにも乗れないじゃん。

 病院だって、健康保険証はないし、金はないしじゃ
診てくれないかもしれないだろ?」

「でも・・」

「後で返してくれればいいからさ。」

遠慮するところを押しつける。

「・・じゃ、借りとくね。」

「そうだ。 俺の番号、教えとくな。」

メモ用紙に番号を記す。



「何か困ったことあったら、いつでも連絡して。

 っていっても仕事中は抜けられないけど、なるべく早く行くからさ。」

「うん。 ありがとう・・。」

小さな声。

心細いんだろうな。

メモを握らせると同時に、両手で雅紀の手を包む。

「大丈夫。 きっと思い出すよ。

 それにこんなに元気なんだから、たいした病気じゃないって。」

「そう・・だよね・・・。」



なんだか別れがたい。

「じゃ・・。」

「うん。 行ってらっしゃい。」

最後にやっと少し笑って送り出してくれた。



やっぱり一緒に病院に行ってやった方が良かっただろうか。
閉まった
ドアを見つめてしばらく迷う。

でも、今はまだ休めないしな。

「やっべぇ! 遅れる!」

後ろ髪をひかれる思いで会社へと出かけた。







なるべく早く帰りたかったが、仕事は忙しく、
家に帰って来たのは9時過ぎだった。

結局、雅紀から電話はかかってこなかった。

どうなっただろう。 入院先は見つかったんだろうか。

・・・ってことは、もういなくなっちゃってるんだな。

たった3日間一緒にいただけなのに、すごく淋しく感じている自分に気付く。

いい奴だったよな。

入院先とかわかったらお見舞いにでも行こうかな。

そうだよ。

病気が治って退院すれば、また一緒に飯食ったりもできるし、

別に遠くに行くわけじゃないんだから。

などと、自分に言い聞かせながら帰って来た。







部屋のドアを開けると明かりが漏れてくる。

あれっ、電気がついてる?

慌てて玄関を上がる。



「あ、お帰り。」


キッチンから変わらぬ様子で雅紀が顔を出す。


「えっ? どうした?

やっぱり入院先、わかんなかったの?」


「う、うん。」


「で、どこが悪いかは分かった?」


「んっと・・・、ううん。」


なんか歯切れが悪い。


「あのね・・、病院、行かなかったんだ。」


「えっ? なんで?」


「なんか出かけようとしたら気分悪くなっちゃって・・・。」


「えっ? 具合悪くなったのか? 
大丈夫なの?」


「うん。 翔さんの顔見たらなんか元気になった。」


そんな風に言われると嬉しい。

って、そうじゃなくて。


「やっぱどっか悪いんだよ。

早く診てもらった方がいいと思うけど、今からでも救急病院に行くか?」

「ううん。ほんとに大丈夫。 もうすっきりしたから。

それよりお腹すいてない?」

そう言われてみれば、なんかほっとしたら一気に腹が減った。

「生姜焼き、作ったんだ。

食べる?」

「食べる!!

って、具合悪いのに、飯作ってくれたの?

休んでいればよかったのに。」

「ほんとに大丈夫。 なんか料理作ってると安心するんだ。

 なぜかレシピは覚えてるから。」

身体は心配なんだが、また一緒にいられる嬉しさの方が勝って
うきうきしてしまう。

                           ≪つづく≫



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
文字数制限がきつい・・・。さっきから40分以上、あちこち削ったけどだめでした。

キリが悪くてすみません。 後、A4半分あるんだけど・・・。
「bet de 嵐」が楽しみ過ぎる。 「結婚するなら、相葉? 二宮?」って、絶対カットしないでほしい。