海亀を助けたことはないが
農道を走っている時
草亀が道を横切っていて
今にも
対向車たちにひかれてしまいそうな
そんな状況に
3度も出くわしたことがある
1度目は スクーターで
2度目は 自転車で
3度目は 車でと…
慌てて車を止めて
ハザードを点滅させ
前後の車を止め
挨拶し
その亀を拾い上げ
近くの水路や沼へと
連れ戻した
前後の車のドライバーたちも
快く止まり微笑んでくれたから
良かったな と
もう道を迷うなよ
そして
長生きせよと
言葉にした
そんなことを
子供たちに話すと
パパ それって
きっといつか
その亀たちが戻って
竜宮城へ
招待されるかも? なんて…
そしたら
パパが帰って来る頃には
100年も200年もが過ぎていて
私たち
居ないかも… と
山奥の渓流で
大きなイワナを釣り上げ
ありがとな
もう誰にも釣られるなよ
子孫を残せよ
長生きせ〜よ なんて告げ
リリースしたイワナは
なかなか
その場を離れず
何か ものを言いたげだったけれど
僕には
それを聞き取れるだけの
能力はなく
しばらく佇んでから
バシャバシャ! と
勢い良く 深みに戻って行った
その後
いくつかの魚たちと
下手な僕がこしらえた
型崩れした毛針でバカし合いをし
その弱ったような虫を模した
ゆるい姿に
食いつく魚たちが
愛おしくも思え
今日は
遊んでくれてありがとう
また
次のシーズンにも
ここへと来るから
その時には
もう僕に騙されるなよと
微笑んで
川から上がった
渓流沿いの山道を
テクテクと降り
いつの間にか
こんなにも奥へと
来てしまったのかと
渓流を釣り上がり
時間まで忘れ
あたりは暗くなって来た
これは早く戻れらねばと
車へと急ぎ足
すると
目の前を横切る 亀がいて
僕の前で止まり
こちらを見て
目が合った瞬間
声にならない
言葉が聞こえ出した
あの日は
ありがとうございました
おかげで
こうして元気です
そして
いつかまた会える日を
待ってました
えっ?
なんだっけ?
あの日の農道で…
ああ
思い出した
あの時の亀さんか
元気そうで良かった
でも
なぜこんな山奥に?
ここでも
どこからでも
水辺からならば
竜宮城へと繋がっており
あの日のお礼に
そこへと
お連れしたいと思いまして
へ〜
でも今は
急いで車まで戻らねばならず
また
今日中に
帰宅せねばならないので
有り難いが
すまんね
また次回にでも…
そうですか
ではまたどちらかで… なんて
そんな
また次回は
すぐに訪れて
場所は沖縄
今日は那覇で釣り客を案内している
船頭の友達と
無人島へ来ている
そこへ
船で乗り付け
その綺麗な砂浜から
彼はルアーを
僕はフライを投げて
それはエメラルドグリーンな
美しい姿の熱帯魚たちと
これまたバカし合いの
駆け引きを楽しんでいる
ふと見れは
目の前に現れた
小さな海亀たち
何か言いたげに
近づいて来る
どうした? と問うと
お迎えにと 答える
どこへ?
お約束の
竜宮城ですよ…
えっ?
そう言えば
そんな約束を
山奥でしたけれど
ここは海
キミたち海亀さんを
助けたことはないよ
僕たち亀は
海も山も川も陸も
皆 繋がっておりまして
どこからでも
竜宮城に行けるのです
なるほど
今日はいかがでしょう?
わずかな時間でも結構ですので
救って頂いた
3つの彼らが
是非! と申しておりまして
船頭の友達は
じゃあ
明日またここへ迎えに来るから
せっかくだから
行って来なよ とってわけで
その後にいた
大きな亀に跨り
竜宮城へと…
さてすればそこは
絵にも描けない美しさ って風景で
それはそれは
綺麗な魚たちが泳ぎ周り
また
海の底なのに
あの日のイワナたちも
笑顔で出迎えてくれた
1日だけの約束とはいえ
盛大に歓迎してくれて
時を忘れ
どれくらい経ったのだろう
そろそろ戻らねばと
告げると
もうしばらくいかが? と言うが
船頭の友達を待たせるわけにはと
無人島へと送って貰った
ありがとう
楽しかったよと告げ
彼らはまた
海へと戻り
さてと見れば
その船頭の姿
すまん
遅くなった
待たせたかい? と問うと
ああ
1000年待ったよ と
微笑む姿は
白髪のおじいさん
おい
どうした? その姿?
お前が行ってから
1000年が過ぎた
しかし
あの翌日 大きな亀が現れて
もしも待ってくれるならば
貴方にも
その時間の
命を差し上げましょうと言う
何のことだか
わからなかったが
それからず〜っとここで
こうして
釣りをしている
その間
残念ながら
世界は消えてしまった
バカな人間どもは
自ら滅んでしまった
しかし
この島だけは
バリアが掛かっように
ほら
楽園のまま残っている
お前
何か土産を貰ったか?
そうだ
箱をひとつ
頂いてきた
もしも
戻った世界が変わっていたら
この箱を開けば
世界はまた
変わると言われたけれど…
そうか
ならばどうする?
開けてみるか!
良し!
そうしよう!
そっと
その箱のフタを開くと
そこから
それはそれは強い光が現れ
眩しい! と
目を閉じた瞬間
目が覚めた
大汗をかき
背伸びをし
今朝もまた
身体の各所の動きを確かめ
忘れ急ぐこの夢を
こうして
書き留めている
今朝も
寝起きに
リビングへと急ぎ
ぱふの祭壇の水を取り替え
庭の蓮鉢のメダカたちへ
餌をと見れば
今年産まれた子メダカたちは
集まって来くれて
この風景と
繋ぐ命とに感謝しながら…
そう言えば
若い頃
地方へと遊びに出掛け
竜宮城なんて名前のついた
場末のスナックで
オバさんママに誘われて
やだよー! って
必死に逃げたけれど
まさか今
僕がそのくらいの齢とはね
失礼
































