オニュ(ONEW)「Beauty」絡めた指がMaster key | ariさんは遊んでばっか

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2022年7月6日にリリースされた

ONEWの日本初ソロアルバム『Life goes on』。

 

もちろん全曲とも日本語。

オニュさん、気をつけているポイントだけあって日本語の発音が本当に完璧です。

名曲カバーの4曲も、そりゃもう、彼が歌うので良かったに決まってる。

 

ただ、初めてこのアルバムのオリジナル曲を聴いたときのariのとっても正直な感想は

この時の制作サイドが捉えている日本のJ-POPの現在地はここなのかな、ということで

これは日本のファン層の好みに寄せようとしたのかなと。

韓国盤の「DICE」や「Circle」とはあまりにも全体のカラーが違ったからだ。

オニュの裏声が割と少ないのも意外だった。

 

しかし、このオリジナル曲の中に明らかに色の違った曲がひとつ。

それが、ariがずっと書きたかった「Beauty」だ。

 

ねえ?まさか、この曲がキライな人なんています はてなマーク叫び

 

擦り切れた古いドーナツ盤の音源のような、くぐもったピアノの音からはじまるこの曲は

初めて耳にしたときから、とても惹かれた。

 

テンポが少し変則的で、ariが口ずさむには難しい。でも、何度も聴きたくなる。

オニュの歌がステキなのはもちろんだけど、なにしろ歌詞が圧倒的にいい。

 

「キスで閉じた目だけが見る夢 教えて 忘れてしまう前に今」・・・・ですって!ラブラブ

「24時を指す二つの針も 離れたくないらしい 時を止めていよう」・・・・ですって!ラブラブ

 

いかん。こうやって書いていくと、結局全部の歌詞を書くことになる。

 

ムーディーな大人の夜。

薄暗がりのテーブルの上に置かれたワイングラスをゆらりと回す。香りが開く。

「いっそ生まれた日や場所を気にするのはワインだけにして」・・・なんてお洒落な表現!。

 

「ガムを噛むみたいな恋はもうしない 飲み込むこともなく

味は一瞬で消えていっただけ 子供だましで 満たされないまま大人になって」

 

これをあの声でオニュが歌うのよ!DASH!大変よ!(もう、すっかり乙女)

この歌が日本語で歌われなかったとしたら、

その世界観のステキさはこんなにもariには伝わらなかったかも。笑い泣き

 

「子供だまし」という意味の言葉は、韓国語にもあるのだろうか?

Beautyは、この場合、「美しさ」などと直訳で理解するのはかなりダサいわけで

意味はそのまま、まるっとBeautyでいい。

そのへんのニュアンスを言葉で捉えるのはおそらく難しい。

 

オニュがこの歌全体に漂う洗練されたエロティシズムを

果たしてどのように受け止め、感じたのかとても聞いてみたいけど、

それはたぶん、誰かに赤い色がどんな色なのかを聞いてみるのと同じことかもしれない。

でもこの曲はオニュが歌ったからこそステキなのであって

誰でも歌えるわけじゃない難しい歌だと思う。

 

この曲以外の5曲に関しては、イメージするカラーが正直、どれも似通っていて

それもかなり意外だったが

この1曲が入ることで、セピア色や彩度の低いワインレッドのような色彩が加えられ

アルバム全体の奥行きが広がった気がする。

 

「Beauty」の作詞はいしわたり淳治さんという方。

多くのアーティストにたくさんの歌詞を書いておられ

このアルバムの「遅く起きた朝に」や

MINHOさんの「Falling Free」という曲でも歌詞を提供されている。

 

 

 

(ネットに出ている日本語の歌詞がほとんどどれも微妙に間違っていたりするのが惜しい)