◆Over the rainbow◆ -63ページ目

2007/10/12

あの華奢な体のどこに
こんな破壊力が
あるというのだろう

私が必死で作った
想いの蓋とか
心の壁とか
あいつは
いともたやすくぶっ壊し

いつだってそうだ
いつもあいつは
そうやって私の心に
ずかずか土足で入ってくる

自覚もなしに
いつのまにか
気付くとそこにいる

死に物狂いで
忘れようとしてた
4年分の思慕

たった14分で
返ってくるなんて


考えてもなかった
忘れたはずなのに
どうして
休み時間になると
廊下に出たくなるのかとか
毎朝電車の淵に寄っちゃうかとか
集会があると聞くと
反射的にはしゃいじゃうかとか
そういうことも全部
考えないようにしてた


愛とか
ロマンとか
そんな青臭いもの
いらないと思った
もう疲れてた
そんなもの
生きていくことの
邪魔にしかならない
だって
あいつは
私なんて
死んでもいいと思ってる


なのに
どうして


私は
いったい何度
蝶に
惚れなきゃいけないんだろう


これ以上
ぐちゃぐちゃにするのは
やめて
やめよう

その方がいい

早く
一刻も早く
私の中から出ていって
お願い




そう願いながら
どこかで
いつかこうなると
思ってた自分もいる

たったこれくらいのことで
砕けるくらいの決意なら
ゴミに等しい
いつかどうせ
こうなる予定だったのかもしれない

あんなに好きだった人間のことを
いきなり意識しないようになるなんて
最初から
無理だったのかもしれない

2007/10/01

3年前の今日は
月の綺麗な夜だった



半年間温めつづけ
初めて口にした
好きということば

たった2文字の言葉だけど
あの頃の私には
とんでもなく重大なことで
破格の勇気を要した



しばらくの沈黙のあと
蝶は
細い目を真ん丸にして
『……へっ?』
と言った


真っすぐな道に
私たち2人の影が伸びていた


肩を並べて歩いたのは
あれが最後だった

あの夜
とめどなく噴き出す
涙を拭いながら決めた

10月1日を
蝶の日にすると

蝶のことも
蝶を愛した自分のことも
忘れてしまわぬように





2年前の今日

私は
蝶に嫌われた

この時のことだけで
怒ったのではないと思う
でも今思えば
はっきりと
あの電車の中で
蝶は私に嫌悪を見せた

けどバカな私は
それにも気づかず
ひたすら蝶の傍に居座り続けた

いや

居座り続けようとした




その結果

1年前の今日は
ただ廊下ですれ違うだけで終わった

目が合うこともなく
無論話などするわけもなく
そのまま
終わった



そしてあれから
また1年が過ぎて
この季節が巡ってきた

空気が冷たくなり
石油の匂いと共に
独特の
冬の香りがしてくる
この季節




私はこの先も
何十回と
この日を迎えるだろう
いろんな場所で
いろんな人と


でも
10月1日を
蝶の日と呼ぶのは
今年で最後にしようと思う


そして
蝶を想うのも
今日でおしまい



実は今日が蝶の日だってこと
昼過ぎまで忘れてた

去年までは
2週間くらい前から
毎日指を折るくらい
意識してたのに

時間の流れとは
悲しいものですね

自分だけは
時の旅人ではないと
信じてたのに
私も例外なく
時間という
不可抗力に流されて
知らないうちに
17歳になっていた



ねぇ蝶

最後に
私はあんたに
感謝しなきゃいけないと思う


あんたがいてくれたことで
私は
強くも弱くもなった

あんたがいなかったら
私は全然違う人生を
歩んでたんだろうと思う

もしかしたらその人生は
今より幸せだったかもしれない

でもね
それでも
私はあんたに出逢えて
よかったと思う

あんたに私は
たくさんの"初めて"を
教えてもらった


初めて
自分が壊れるほど
人を愛した


文化祭
合唱コンクール
選抜演奏会
クリスマス
定期テスト
バレンタイン
受験
入学
合宿
入院
運動会
遠足



あんたと生きた
たくさんの日々
イベントだけじゃなく
同じ場所で生きた
何でもない日すべて

私にとって
宝物のような
時間でした


ありがとう


生まれてきてくれて
出逢ってくれて


ありがとう


さよなら

2007/09/28

おねがい
返事をちょうだい

もう一度
あそこに行かないと
忘れられそうにないから