抗がん剤は、半年かけて、無事終わりました。
抗がん剤治療が終わったときは、本当に嬉しかった。
何とも言えない解放感がありました。
大きな山を一つ越えたという感じでした。
でも、病気が治ったという訳ではなかったので、引き続き治療を続けなければなりませんでした。
次は注射と飲み薬による治療です。
一カ月に一回、注射を受け、薬をだしてもらうために病院に通いました。
注射は、2年続けました。
抗がん剤とは違い、体は本当に楽になりました。
注射や飲み薬による副作用は何も感じませんでした。
それでも、友達に会う気にはなれませんでした。
行かないと子どもたちがかわいそうなので、学校行事には参加していましたが、それ以外はあまり家族以外の人と話したくありませんでした。
抗がん剤治療の後も、定期的に転移・再発の検査は受けていました。
いつ再発するか、転移するか、いつもびくびくしていました。
ちょっと咳が続けば、肺に転移したかと思い、ちょっと頭が痛ければ、脳に転移したかと思い、骨が痛ければ骨に転移したかと思いました。
完全に、がんノイローゼになっていました。
検査結果を聞く為に待合室で待っている時の気分は、いつもいつも最悪でした。
いつも緊張していました。
私がこれからどうなるかが検査結果で決まってしまうのです。
X線や、腹部エコー、CT、腫瘍マーカーなどの結果に一喜一憂していました。
何もなければいいけれども、少しでも画像や数値に異常があれば、即また検査、入院、手術あるいは抗がん剤治療が待っていました。
普通の生活が、一瞬でできなくなるのです。
十数年たった今でも、私は定期検査を受けているのですが、その結果を聞くときにはいつも当時と同じ気持ちを味わいます。
一度がんを経験しているので、がん治療のつらさ、苦しさがわかる分だけ、検査結果を聞くのは怖く感じます。 結果が悪ければ、またあの苦しみを味わうのかと思うと本当にぞっとするのです。
何をするにも、私ががんであるということは、常に頭の隅にありました。
毎月病院に通い、毎日がん治療のための薬を飲み続けていましたので、どうしても自分ががん闘病中であるということを忘れられませんでした。
いつも早く病院から解放されたいと思っていました。
抗がん剤治療よりはずっとましでしたけれど、病院通いはつらくて嫌なものでした。