sakebarのコピー 晩秋から冬、そして春再び
日本酒メーカーのサイトを見ている女性はどんな人なんだろうと、ふと
思う事があります。マーケティングやターゲットセグメンテーションを
しっかりしても、何処か、見えない相手に向かって広告を作る不安感、
それは恋をしている様な気分にも似ています。消費者に片思い、でしょ
うか。sakebarの閲覧数は高く、ますます仕事に気合いが入ります。
sakebar/2003_11_19 円通寺から望む借景が記憶に焼き付いていたので…

「紅葉が京都に晩秋の訪れを告げています。色葉様々な美しさは、
私達京都に住む者にも、旅行で訪れる方々にも、特別の感銘を与
えてくれますね。陽が西に傾く時、赤々と照り映えた紅葉には心
を奪われてしまいます。山桜、櫨、白膠木がまず色付き、そして
遅れて楓が山々を彩ります。うっすらとした薄紅葉の風情も良い
ものですし、雑木の紅葉も捨て難いですよね。楢や櫟、山毛欅の
褐色銅色が、燃えるが如くの楓の中に見え隠れする事で色模様に
変化が出来、ずっと眺めていて飽きが来ませんね。
柏紅葉、漆紅葉、銀杏紅葉、錦木、柞紅葉、柿紅葉、梅紅葉、
ななかまど、桐一葉、やがて紅葉かつ散る京の暮れ。この季節、
北山の円通寺から比叡山を望むのもお薦めです。ペルシャ絨毯
の如き山肌に夕日が落ちる一瞬の、その豪華で、きらびやかな
世界にはただただ息を飲むばかりです。ぜひ訪れてみてくださ
いね。」
sakebar/2003_12_03 12月は毎年バーテンダーのお店のクリスマスの模様を
書いていたのですが、趣向を変えました。

「新聞紙に音をたてて
葡萄のやうな腹の
蟋蟀が一匹とびだした
明日はクリスマス
この独りの夜を
「愕かすぢやないか
魔法使ひぢやあるまいね
そんなに向こう見ずに
私の膝にとび乗つて」
“ごめんなさい 何しろ寒くつて……”
詩人三好達治が独りでクリスマスの前夜に部屋にいると、どこに
潜んでいたのか、季節外れのコオロギが部屋の中に出てきました。
寂しい独りの夜を払い除けるかの様な、親し気な挨拶を交わす人間
とコオロギ。コオロギの元気な一跳びが全てを明るくさせてくれま
した…
クリスマス、全ての命に恵みと愛が訪れます様に…」
2004_01_21 冬木立が好きです。凛々しく、そして寂しい。

「落ち葉し尽くして、冬陽の中にある冬木立は瞑想している様でもあ
りますね。今頃の季節の寒さが一瞬緩むひととき、低山を歩いてい
ると、そんな“山眠る”風景に出会えます。
“大空に延び傾ける冬木かな”
高浜虚子
冬深まって、野山の草木が枯れ色に包まれる京都鳥辺野は、満目
荒涼とした風景でありながら、その趣きは私の心を強く捉えます。
冬枯れ道をただ歩くだけでも、簡潔ですが力強い水墨画の世界にも
近い感覚を覚えます。衣を裂く様な風音や鳥の声が響き、風花が鼻
先をかすめます。12月に散りそびれた寒椿が、雑木林越しに現れる
と、その美しさに自然の静謐さを感じずにはいられませんね。
“冬つばき世をしのぶとにあらねども”
久保田万太郎 」
sakebar/2004_02_04 浅い陽射しは遠い記憶を誘う

「暦の上では春になったとはいえ、まだまだ寒い日が続きます。いったん
弛んだ寒気が、寒波の影響でぶり返す事を「冴返る」と言いますが、まさ
にそれ、光や音にも其処此処に冷たさが感じられ「澗道余寒歴氷雪」杜甫
の気分ですね。春色は今だ整わず、浅い陽の光が作る影が窓辺で揺れてい
ます。やがてぼんやりと夕方が訪れ、また心が凍る様な余寒の夜がやって
来ます。しかし、よく見渡すと早春の気配がありました。梅です。清楚な
紅色、淡紅色、白色が墨色然とした寒々しい風景に美しさを運んできます。
梅の魅力は何と言っても、古木の幹の頸悍な屈折と若枝のしなやかさの間
に咲く花では無いでしょうか。“あてなるもの 梅の花に雪ふりたる”と
清少納言の『枕草子』にもある様に、場所によっては残雪一面の景色に浮
かぶ一点の紅梅といった楽しみ方も出来るかも知れませんね。
春を探す探梅、皆さんもいかがですか。」
sakebar/2004_03_03 酔って見上げる月の美しさ

「春の夜、低気圧の加減で空に薄ぼんやりとした雲がかかり、星々や月、
海や山、草花等全てが霞んで見えるさまは“朧”と呼ばれています。月が
霞むと“月朧”“朧月夜”、平安の昔から使われる美しい言葉ですね。
“淡月”とも云われます。水蒸気が優しく月を包み、雫が垂れ落ちそうな
その柔らかさ瑞々しさ、何やらほんのりとした芳香を放つ果物を思わせま
す。
山間に見える“谷朧”、波がゆらゆら揺れる海では“海朧”、その海に
浮かぶ船から陸を望む時、気層の彼方に仄かに望む岸壁や岩礁は“岩朧”、
遠くに聞こえる音まではっきりしなくなると“鐘朧”…、そんな春らしい
朧めく景色は街中でも堪能出来ますよ。ビルの谷間に流れる川に映る淡い
月影がそうですね。
“とぎれては 花片流れ 川おぼろ”
阿部みどり女 」
2004_03_17 バーテンダーが自らフードメニューやカクテル素材を
買い求めていると知って…

「うららかな春がやってきましたね。全てが明るく美しく生気に満ち溢れて
います。柔らかな空気、輝く川面や波、長閑な季節到来は気持ちも伸びや
かになります。春の陽光に包まれながら、道を行く人も犬も猫もなんだか
嬉しそう。
私は最近店を明け方に閉めてすぐ、春の恵みに触れるため、京都大原の
里に出掛けます。目当ては朝市です。大原の朝市には採れ立ての京野菜が
所狭しと並んでいます。また農家の方自家製の木の芽漬けや花菜漬け、
もう終わりの頃ですが蕗味噌等も買う事が出来て、とっても美味しい。売
り子のお姉さん、おじちゃんとの掛け合いも楽しくて、帰る頃には車いっ
ぱいの買い物袋が…。採れ立ての京野菜は味が濃く、本来の味わい、甘さ
や苦味を感じとれて、舌や鼻の機能が蘇る気がします。一口食べた瞬間、
人を春にする、そんな食材と出会うために朝市詣ではかかせませんね。」
思う事があります。マーケティングやターゲットセグメンテーションを
しっかりしても、何処か、見えない相手に向かって広告を作る不安感、
それは恋をしている様な気分にも似ています。消費者に片思い、でしょ
うか。sakebarの閲覧数は高く、ますます仕事に気合いが入ります。
sakebar/2003_11_19 円通寺から望む借景が記憶に焼き付いていたので…

「紅葉が京都に晩秋の訪れを告げています。色葉様々な美しさは、
私達京都に住む者にも、旅行で訪れる方々にも、特別の感銘を与
えてくれますね。陽が西に傾く時、赤々と照り映えた紅葉には心
を奪われてしまいます。山桜、櫨、白膠木がまず色付き、そして
遅れて楓が山々を彩ります。うっすらとした薄紅葉の風情も良い
ものですし、雑木の紅葉も捨て難いですよね。楢や櫟、山毛欅の
褐色銅色が、燃えるが如くの楓の中に見え隠れする事で色模様に
変化が出来、ずっと眺めていて飽きが来ませんね。
柏紅葉、漆紅葉、銀杏紅葉、錦木、柞紅葉、柿紅葉、梅紅葉、
ななかまど、桐一葉、やがて紅葉かつ散る京の暮れ。この季節、
北山の円通寺から比叡山を望むのもお薦めです。ペルシャ絨毯
の如き山肌に夕日が落ちる一瞬の、その豪華で、きらびやかな
世界にはただただ息を飲むばかりです。ぜひ訪れてみてくださ
いね。」
sakebar/2003_12_03 12月は毎年バーテンダーのお店のクリスマスの模様を
書いていたのですが、趣向を変えました。

「新聞紙に音をたてて
葡萄のやうな腹の
蟋蟀が一匹とびだした
明日はクリスマス
この独りの夜を
「愕かすぢやないか
魔法使ひぢやあるまいね
そんなに向こう見ずに
私の膝にとび乗つて」
“ごめんなさい 何しろ寒くつて……”
詩人三好達治が独りでクリスマスの前夜に部屋にいると、どこに
潜んでいたのか、季節外れのコオロギが部屋の中に出てきました。
寂しい独りの夜を払い除けるかの様な、親し気な挨拶を交わす人間
とコオロギ。コオロギの元気な一跳びが全てを明るくさせてくれま
した…
クリスマス、全ての命に恵みと愛が訪れます様に…」
2004_01_21 冬木立が好きです。凛々しく、そして寂しい。

「落ち葉し尽くして、冬陽の中にある冬木立は瞑想している様でもあ
りますね。今頃の季節の寒さが一瞬緩むひととき、低山を歩いてい
ると、そんな“山眠る”風景に出会えます。
“大空に延び傾ける冬木かな”
高浜虚子
冬深まって、野山の草木が枯れ色に包まれる京都鳥辺野は、満目
荒涼とした風景でありながら、その趣きは私の心を強く捉えます。
冬枯れ道をただ歩くだけでも、簡潔ですが力強い水墨画の世界にも
近い感覚を覚えます。衣を裂く様な風音や鳥の声が響き、風花が鼻
先をかすめます。12月に散りそびれた寒椿が、雑木林越しに現れる
と、その美しさに自然の静謐さを感じずにはいられませんね。
“冬つばき世をしのぶとにあらねども”
久保田万太郎 」
sakebar/2004_02_04 浅い陽射しは遠い記憶を誘う

「暦の上では春になったとはいえ、まだまだ寒い日が続きます。いったん
弛んだ寒気が、寒波の影響でぶり返す事を「冴返る」と言いますが、まさ
にそれ、光や音にも其処此処に冷たさが感じられ「澗道余寒歴氷雪」杜甫
の気分ですね。春色は今だ整わず、浅い陽の光が作る影が窓辺で揺れてい
ます。やがてぼんやりと夕方が訪れ、また心が凍る様な余寒の夜がやって
来ます。しかし、よく見渡すと早春の気配がありました。梅です。清楚な
紅色、淡紅色、白色が墨色然とした寒々しい風景に美しさを運んできます。
梅の魅力は何と言っても、古木の幹の頸悍な屈折と若枝のしなやかさの間
に咲く花では無いでしょうか。“あてなるもの 梅の花に雪ふりたる”と
清少納言の『枕草子』にもある様に、場所によっては残雪一面の景色に浮
かぶ一点の紅梅といった楽しみ方も出来るかも知れませんね。
春を探す探梅、皆さんもいかがですか。」
sakebar/2004_03_03 酔って見上げる月の美しさ

「春の夜、低気圧の加減で空に薄ぼんやりとした雲がかかり、星々や月、
海や山、草花等全てが霞んで見えるさまは“朧”と呼ばれています。月が
霞むと“月朧”“朧月夜”、平安の昔から使われる美しい言葉ですね。
“淡月”とも云われます。水蒸気が優しく月を包み、雫が垂れ落ちそうな
その柔らかさ瑞々しさ、何やらほんのりとした芳香を放つ果物を思わせま
す。
山間に見える“谷朧”、波がゆらゆら揺れる海では“海朧”、その海に
浮かぶ船から陸を望む時、気層の彼方に仄かに望む岸壁や岩礁は“岩朧”、
遠くに聞こえる音まではっきりしなくなると“鐘朧”…、そんな春らしい
朧めく景色は街中でも堪能出来ますよ。ビルの谷間に流れる川に映る淡い
月影がそうですね。
“とぎれては 花片流れ 川おぼろ”
阿部みどり女 」
2004_03_17 バーテンダーが自らフードメニューやカクテル素材を
買い求めていると知って…

「うららかな春がやってきましたね。全てが明るく美しく生気に満ち溢れて
います。柔らかな空気、輝く川面や波、長閑な季節到来は気持ちも伸びや
かになります。春の陽光に包まれながら、道を行く人も犬も猫もなんだか
嬉しそう。
私は最近店を明け方に閉めてすぐ、春の恵みに触れるため、京都大原の
里に出掛けます。目当ては朝市です。大原の朝市には採れ立ての京野菜が
所狭しと並んでいます。また農家の方自家製の木の芽漬けや花菜漬け、
もう終わりの頃ですが蕗味噌等も買う事が出来て、とっても美味しい。売
り子のお姉さん、おじちゃんとの掛け合いも楽しくて、帰る頃には車いっ
ぱいの買い物袋が…。採れ立ての京野菜は味が濃く、本来の味わい、甘さ
や苦味を感じとれて、舌や鼻の機能が蘇る気がします。一口食べた瞬間、
人を春にする、そんな食材と出会うために朝市詣ではかかせませんね。」