夏目漱石「こころ」 奥さんが結婚をすぐに認めた背景 | 古典も現代文も本当は面白いはずなのに

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Q

夏目漱石「こころ」について コイン100枚
夏目漱石「こころ」で先生が娘さんを僕にくださいと言った時にすんなりOKが出たのは、親が結婚相手を決める時代だったからですか?それとも先生がエリートすぎるから、OKされたんですか?
当時の恋愛観を知りたいです。

 

A

・先生が娘さんを僕にくださいと言った時にすんなりOKが出たのは、一つには、当時の制度として、結婚を決める立場にいたのがこの二人であったということと、もう一つは、お嬢さんが先生との結婚を望んでおり、それを奥さんがよく知っていて、奥さんも二人の結婚を望んでいたこと、この二つによります
・当時は、家族の結婚については戸主の同意が事実上必要でした
戸主はたいてい家族中の最年長の男性で、法的に大きな権限を持っていました
奥さんは夫を亡くしており、先生は両親ともいませんでしたから、この二人がお嬢さんの結婚を決定できる立場にいました
・お嬢さんは先生が下宿した時から一貫して、先生に好意を持ち、結婚相手として望んでいました
奥さんが先生を下宿させたのも、先生がお嬢さんの結婚相手として望ましいと奥さんが考えたからです
それは、下18でKが作品に登場する以前の箇所で、読者にそれと分かるように書かれていますし、それ以降にも同様に書かれています