Q
助動詞の意味はどうやって決めたんですか。たとえばケリはなぜ詠嘆なんですかと聞くと辞書に詠嘆と書いてあるからと答える無能教師がいます。数学はちゃんと証明してくれますよ。
A
数学の定理の証明は、教科書に書いてあります。助動詞の意味は、文法テキストに書いてあるが、それ以上(助動詞の意味はどうやって決めたのか)の説明は書いていない。教科書の内容が自力でわからない生徒にその説明を求められたなら、教員ならば、ふつうは答えられる。「ケリはなぜ詠嘆か」という説明は、教科書にもないどころか教師用指導書にもない。そのレベルの説明のできない教員を無能と呼びたいなら、そう呼べばよいだろう(。そうすることで何の利益が得られるのかは知らないが)。
以下回答する。画像参照。
『ポケット古語辞典』(蒼明社1947)には「けり」の意味が「過去」「詠嘆」となっている。これ以前の文典・辞書等に「詠嘆」という用語を私は確認できない。『日本文典』(修文館1908)には、「過去」「余情」となっている。『広日本文典』(1900)には、助動詞「けり」の意味は「過去」「念押し」となっている。
「ケリはなぜ詠嘆なんですか」という中高生の問いに答えるのに、私は当惑する。まずは【「念押し」「余情」と「詠嘆」の区別、差異の有無を、中高生に理解できるだろうか。】と。問題は、質問者がそこまでの知識を欲しているかどうかに移行する。
助動詞の意味は、教科書本文や辞書・文法テキストの例文の意味を精査することで、中高生でもそれを確認することができる。それは、数学における定理の証明を理解することに相当する。数学で問題演習を重ねて各定理を習得することは、古文本文の精読を重ねて各文法知識を習得することに相当する。
語学としての古文学習は、数学の学習と基本同じ行為であることを教員は中高生に教えられなくてはならない。それをしない、それができない教員は確かに無能呼ばわりされても仕方がないだろう。






