Q
古文の問題で質問があります。
この問題の問5に関して、模範解答では
「夫の行方が明らかでなかった数日間の辛さと、形見を渡され永遠の別れをしなければならない今の辛さを比べ、今が、より悲しみが増している。」
とあるのですが、問題では「何と何を比べて」と書いてあるから、〇〇と〇〇と答えるのが正しいのではないのですか?僕はそうだと思って「いつものように夫を気掛かりにお思いになり心配していた日々と、殺されることが確定したことを知った後の日々」って書いたんです。これって間違えなんですか?間違えな理由を教えて欲しいです。後なぜ模範解答のような解答になるのか教えて欲しいです。

【三位の中将、なのめならず喜び、「これに大納言の佐の局の御わたり候か。本三位の中将殿の、ただ今奈良へ御通り候が、立ちながら御見参に入らんと候。」と、人を入れていはせられたりければ、北の方、「いづらやいづら。」とて走り出て見たまへば、藍摺の直垂に折烏帽子著たる男の、痩せ黒みたるが、縁に寄りゐたるぞそなりける。北の方御簾のきは近く出でて、「いかにやいかに、夢かやうつつか。これへ入らせ給へ。」とのたまひける。御声を聞き給ふにつけても、たださき立つものは涙なり。大納言の佐殿は目もくれ、心も消えはてて、しばしは物ものたまはず。三位の中将御簾うちかづき、泣く泣くのたまひけるは、「去年の春、摂津の国一の谷にていかにもなるべかりし身の、せめての罪の報いにや、生きながら捕はれて、京、鎌倉、恥を暴すのみならず、はては南都の大衆の手へ渡されて、斬らるべしとてまかり候。あはれいかにもして、変らぬ姿を今一度見もし、見え奉らばやとこそ思ひつるに、今はうき世に思ひ置く事なし。これにて頭を剃り、形見に髪をも参らせたう候へども、斯かる身にまかりなつて候へば、心に心をもまかせず。」とて、額の髪をかきわけ、口の及ぶ所を少しくひ切つて、「これをかたみに御覧ぜよ。」とて、奉り給へば、北の方、日頃おぼつかなうおぼしけるより、今一しほ思ひの色やまさられけん、引きかづいてぞ伏し給ふ。】(平家物語巻十二「重衡の斬られ」)
A
誤りです。あなたは「(過去の)日々と後の日々」と説明していますが、比較されているのは、「過去の辛さと今の辛さ」です。これは、古文というよりも、論理的の理解、いわば国語の問題です。
以下は補足
北の方は、夫が殺されることはほぼ確定していることを知ってはいますが、確かには聞いていません。今この場面の時に、夫からそれ(これから奈良へ護送されて斬られること)を直接確かに聞いたのです。それまでは、不安ながらも一縷の望みは持てたのです。今は、目の前に夫を見て、生きている夫に会えた喜びと、すぐに夫を永久に失う悲しみが、北の方の心に同居しています。「そのつらさは、それまでのつらさの比ではない。」と語り手は語っているのです。
直後の箇所。
【北の方、涙をおさへてのたまひけるは、「(中略)まさしうこの世におはせぬ人とも聞かざりしかば、変らぬ姿を今一度見もし、見えばやと思ひてこそ、憂きながら今日まで長らへたれ。今まで長らへつるは、もしやと思ふ頼みもありつるものを、さては今日を限りにておはすらん事よ。」とて、昔今の事ども、のたまひかはすにつけても、ただ尽きせぬものは涙なり。】(平家物語巻十二「重衡の斬られ」)
「殺されることが確定したことを知った後の日々」も誤りである事は、「もしやと思ふ頼みもありつるものを(ひょっとして夫(重衡)が助命されるかという期待もあったのに)」という言葉と矛盾します。少なくとも、問題本文に書かれていませんので、本文に書かれていないことを根拠もなく書いたという意味で、質問者の答えは誤りと見なされます。
返信Q
比較するものが間違っていたのは納得しました!ですが模範解答の「を比べ、今が、より哀しみが増している」って言う要素があるのはなんでなのですか?文字数的な問題ですか?
返信A
それは、出題者がわざわざ設問文に書き入れている傍線部の意味です。それを模範解答にも盛り込んだだけのことです。
返信Q
「夫の行方が明らかでなかった数日間の辛さと、形見を渡され永遠の別れをしなければならない今の辛さ」
これの場合は字数制限を無視したとしたら丸になりますか?
返信A
すでに質問には答えています。採点基準は知りません。作問者の作った模範解答は程度が悪いのです。程度の低い作問者の採点基準を考える気にはなれません。
「夫の行方が明らかでなかった数日間」は、本文「日ごろおぼつかなくおぼしける」を説明したつもりでしょうが、間違いといってよいほどに程度が悪いです。ここでの「おぼつかなし」は、夫重衡の「行方が明らかでないこと」に対する北の方の心配な心情ではありません。夫重衡の「処遇(殺されるかどうか)が明らかでないこと」に対する心配な心情なのです。こんな程度の低い模範解答しか作れない作問者の採点基準は私にはわかりません。
「夫の処遇が明らかでなかった頃の辛さと、夫が処刑されることを聞かされた今の辛さ。」模範解答はこれ(40字弱)で十分です。いったい誰の作問か知りませんが、こんな程度の悪い問題演習をさせられる学習者は全く気の毒です。
もうここまでとして下さい。
質問者からのお礼コメント
ありがとうございます