Q

夏目漱石の夢十夜、【第六夜】について質問です。
第六夜の意義とは何でしょうか。
テストで出るらしく、困っています。400字程度でお答えいただけたら幸いです。
よろしくお願いいたします。

 

A

「運慶が今も生きている」
これを直接的に文学として描いた点は、すごいと言えるでしょう
夢という超現実的な枠組を利用したからこそ可能となった表現です
運慶は芸術家、仁王は芸術作品を代表します
芸術の命は永遠であり、それを生み出す芸術家の価値は、芸術を理解する人によって始めて定まるという芸術観をこの作品は示しています
芸術を見る人はさまざまで、その価値を真に知る人は、見物人の中にはいません
そのことを、視点人物=語り手は、自身が創作を試みて初めて知ります
運慶を生かすも殺すも、作品を見、評価する人次第です

私は元国語教師ですが、文学の価値を本当に知ったのは、自分が文章を本格的に書き始めてからです
その体験から「第六夜」という作品の意義を上のようにとらえています
ご参考になさってくださればと思います