先週、前回のインタビュー記事のあつみさんの音楽パートナーであり、”Robin's Egg Blue"という素晴らしいバンドのギタリストであらせられる、まさしさんにインタビューする事が出来ました。シンガーのあつみさんも、フォトグラファーとして参加してくれました。あつみさん、ありがとー!!
まさしさんは私のマエストロリスト、ポップス部門にいらっしゃいます。(マエストロリスト:私が個人的、かつ一方的に尊敬する男性音楽家のリスト。一般的な知名度やジャンルは問わない。ちなみに女性だとMaestra、マエストラという。)
場所はマンハッタン、下町のユニオンスクゥエアにある大型書店、バーンズ&ノーブル(日本だと紀伊国屋書店のようなイメージ)の中のカフェで行われました。
<Robin's Egg Blueでギター、作曲を担当しているまさしさん。>
この書店では店内のカフェで購入前の本を読んだりする事も出来ます。フリーワイファイも提供されてるんで、パソコン広げてる人も多いし、勉強してるような人も。カフェ空間にある両面の壁には、主に西欧で有名な文豪達の似顔絵が描かれてあり、まさしさんの背後が小説家のカフカ(Franz Kafka, 1883-1924 "変身” ”審判”などが有名)
一番右端のひげじいさんが、インドのタゴールのようですね。(Sir Rabindranath Tagore, 1861-1941 インドの詩人、思想家。アジア人として初のノーベル文学賞を受賞。日本人の岡倉天心とはお友達だったそう。)
わたし:わざわざ来てくださってありがとう。
まさし:とんでもないです。光栄です。
わたし:出身はどちらですか?
まさし:富山です。
わたし:そうなんですか!!もしかして、ご実家はお薬を売ってらっしゃるとか!!(と、しょっぱなからどうしようもない失礼な事を言い出す私。)
まさし:いえいえ、薬屋ではありません。
わたし:失礼しました。ちなみに、わたしは愛媛出身なので、出身を言うたんびに、”愛媛の真面目なポンジュースっすねー”とか言われる物ですから。
(と、へんな言い訳してじつは言い訳にもなってないことに気づいてすらいない私)
まさし:父は普通のサラリーマンでした。
わたし:ご兄弟は?
まさし:三人兄弟です。
わたし:音楽的なお家だったんですか? 他にも音楽家がいたとか?
まさし:家ではぼくだけですね。でも父は後々になるまで話してくれなかったけど、若い頃音楽が大好きで、富山県ではふつうの、塗装関係の会社に勤めてたんですけど、大学は東京で、学生時代はそっちでバンドを組んでたらしいですよ。
わたし:では富山に戻られてもそういう活動を続けてらしたとか。
まさし:ぼくの小さい頃はそういう片鱗はいっさいなかったですね。父はいま、60代なんですけど、むかしはバンド活動に偏見があって、とくに田舎だとバンドやってたりすると不良のイメージでみられて、そういうやりにくさもあったと思う。
わたし:もしかしたら、音楽が大好きで、できればプロに、というくらいの情熱をお持ちだったけど、ご家族を支えるため、その思いを封印された、とか。
まさし:プロの音楽家に、というほどの思いは無かったかもしれないけど、音楽に関連する仕事に就きたかったみたいですね。その思いを封印したきっかけ、というのも後々になって聞いたんですけど。
好きなジャンルで言うと、父はボブ・ディランとかのアメリカンロック全般が好きで。60~70代の音楽を良く聞いていたようですよ。アーティストで言うと、"The Allman Brothers Band"とか "Little Feat"など。
"The Allman Brothers Band"
なんとアメリカで1969年に結成の老舗バンド、比較的最近の映像
"Little Feat" Feat はスペルミスでなく、ビートルズに敬意をはらって、Beatlesの綴りを拝借してるとか。こちらも1969年結成。なんと現在も活動中
ブルースロックが特に好きだった気がします。僕も父の影響で、この辺のアーティストには強く影響を受けてます。
ビートルズも好きだったみたい。
わたし:まさしさん自身はどんな音楽がお好きだったんですか?
まさし:実は父とは対照的なんですが、イギリス系のロックバンドが好きでしたね。クイーンズとか。でも中学の頃はサッカーをやっていて、特に音楽活動もしてなかったです。
でもそのころ兄が良く聞いていた布袋寅泰さんのギターとかいいなー、と思って影響されて聞くようになりました。氷室京介さんとやっていた”ボウイ”っていうバンドなんですけど。
わたし:ロックの事とか、良くわからないんですけど(おいおい、インタビュアーが、のほほんとそんなこと言っててどうするよ。)そのバンド名ってもしかしてミュージシャンの”デビッド・ボウイー”(David Bowie)から来ているのですか?
まさし:そうかもしれませんね。ジャンルとしては彼に影響受けた音楽という感じがするし。グラムロック、というんですけど。音楽だけじゃなくて、ビジュアル面にもこだわりをもった。
デビッド・ボウイのアルバム”The man who sold the world" (1970)はグラムロック(Glam Rock)の誕生のきっかけと言われている。
デビッド・ボウイー(1947~ )はひとくくりに言えない程のいろんなジャンルにわたって活動して来た人だ。映画にも多く出演している。古いとこでは”地球に落ちてきた男”(The man who fell to Earth, 1976)
”バスキア”という同名映画では、実在する夭折した天才肌のアーティスト、バスキアを評価した同じく芸術家”アンディ・ウォーホール”を演じたのを観た事もある。
わりと最近の映画”プレスタージ”(The prestage, 2006 監督は、バットマン最新作や渡辺謙さまも出演なさった事で日本でも話題になった”インセプション”でも有名な、クリストファー・ノーラン)では実在した有名な発明家を演じていたが、すごい存在感だった。
地球に落ちてきた男
バスキア
プレステージ
つづく