コンビニにて

 
 店員「お釣りになります。お確かめ下さい」


促された通り、確かめる僕。
 
(ん? 10円、多いぞ、、、、どうしよう)

 
 店員「有り難う御座いました」


(考えるにしても、この場に居続けるのは、何か変だな、、、、とりあえず、離れるか)

出口へと向かうが、思ったよりも短過ぎるストローク、、、、あっという間に、ドアに手が掛かる。

(ここから戻る勇気は無いわ。・・・間抜け過ぎる! そもそも、俺のミスじゃないし、確かめずに気付かないケースだって、充分に有り得る。でも、こっちが確かめてるとこ、見られてたかも、、、、いや、あっちが気付く可能性自体、かなり低いんじゃなかろうか? でも、待て。コンビニのレジが混み合うなんて事は滅多に無いから、、、、何の気なしに確認されたら、よもや・・・。とか、何とかしてる内に、外に出ちゃってるよ。もう逃げるしかないよな? 悪い事なんかしてないけど、してないんだけど、念の為、平静を装って、急がずに、また振り返りもせずに、ある程度の安全区域にまで行くんだ)

角を曲がって、自分の姿がコンビニの中から視認しえない、そして、遠めに話し掛けられても、声の聴こえない振りが不自然と思われない範囲にまで移動すると、ほっとして、極めて控え目なガッツポーズ。

(やった! やり遂げた! この危機を乗り越えたぞ!)






次の日、、、、

(コンビニで買ってきたガリガリ君、、、、1本当りが出ちゃったよ・・・。交換しに行く度胸も、他の店に持ち寄る根性も、どっちも持ち合わせてないわ・・・)

一般的に“エアパッキン”と呼ばれる気泡緩衝材。最近、おもちゃ用の物が発売されて、結構、人気らしい。

まあ、おもちゃの方は抜きにして、荷物のクッションとかに用いられる方、、、、あれ、手にすると、初めの内は、プチプチ、楽しいけど、最後まで遣り切った記憶が余り無い。雑巾を絞るように、一気に遣り尽すのは反則なので(これは、言い切ります)、結構、根気の要る作業だったんだと、改めて、認識させられている(今、手元にあるので)。
皆、「止められないんだよな」とか言って、始めたのにも拘らず、途中で投げ出したりしてない? 人によっては遣り切って、達成感を得るのが醍醐味なのかもしれないけど、少なくとも自分は、“飽きる”というより、“疲れる”、いや、、、、“廃れる”感じなので・・・。

考えると、消しゴムや鉛筆、シャープペンシルの替芯、使い切った事が無かったように思う。まだ使えるのに、だ。歯磨き粉のチューブのお尻を鋏で切って、最後の最後まで搾り出すのも無いし、そうそう、固形石鹸なんか、良い例だ。その癖、ボディシャンプーやコンディショナーとかの、詰め替え用の物は、水に薄めてでも、一滴残らず使い切るんだな。そういや、ペープマットの替え容器、、、、中身を最後の最後まで使い切っても、捨てないでおいてあるけど、何か関係してる?

適当な結論を述べると、完全に使えなくなった状態で処分するのは、気が引ける、、、、死体を廃棄するみたいで・・・。自己弁護じみた、大仰な言い方ですけどね。
要は、自分の中で、新鮮な感覚を持続できない、、、、結局、“飽きっぽい”って事なんだけども・・・。


 「今回のプロジェクト、お前に一任しようと思うんだが、、、、やれるか?」
 「いやあ、他の人の方が完璧に熟せると思いますけど・・・?」


これ、、、謙虚なのでは無くて、唯、責任を回避したがってるだけだから・・・。つまり、“飽きる”よりも前に投げ出しちゃってる訳ですよ。即ち、“廃れる”事を自覚しているが故の、一種の作法なんです(また、良く言っちゃった?)。

相変わらず、唐突なんですが、、、、<自信>というのは、貴重な財産ですね。
それは、プチプチを遣り遂げるところから、既に蓄積されているのでしょう。
三つの願い事を叶えてくれるそうです。
但し、願い事を増やすとかは却下だそうです。それと、権利の移譲は不可で、放棄を望む場合、一つ目の願い事で、二つ目の願いを打ち消し、三つ目の願い事で、二つ目の願い事を復活させ、二つ目の願い事で、、、、つまり、どうあっても、一度は願いを掛けなければならないみたいです。

となると、これは、慎重に吟味しなければ、、、、迷うな・・・。













あれから、三年、、、、まだ決まらない。でも、後悔したくないし、今のところ、どうしてもっていう困り事も特に無いので・・・。

魔人は、といえば、、、、最近、部屋の隅に引っ付いて、膝を抱えながら、泣いている事が多いです。

魔人「・・・これならさ、願い事を増やされていた方がマシだったよ。毎日、一つずつ叶えてても、千個を超えていて、、、、人生に飽きちゃってる筈だよ。御主人様が死んだ場合は、全て無効になるし、、、、」

期限は定められていなかったから、、、、最大限、有効に使わないとね。


...the end