それを口に入れ、味を感じた瞬間に、子供時代に食べたあの味が一気に蘇ってくる、という食べ物は、きっと誰にでもあると思います。
ぱねの場合、それは「ずんだ餅」。私と妹が小さい頃、仙台のおばあちゃん(ハハの母)がよく作ってくれた。だからずんだ餅は、ぱねにとっては今でも「おばあちゃんの味」なのである。
仙台名物ですな。:-)
さて、J兄にとって「食べるとその味で子供時代が一気に蘇る」のは、risbollarと呼ばれるお菓子だそうです。英語にすれば「ライスボール」。
・・・・ライスボール。
これは「おにぎり」の英語訳でもあります。試しにググる先生でricebollで画像検索してみますと、見事にずらりとさまざまな種類の「おにぎり」が出てきます。・・おいしそうです(泣)。よく見ると、部分的にはイタリアの「アランチーニ」も出てきているようだが。アランチーニも「ライスボール」だもんね。揚げてるけど。
さて、同じググる先生の画像検索で、ricebollのスエ語訳であるところのrisboll(単数形)またはrisbollar(複数形)を検索してみますと・・
・・そこには、おにぎりとアランチーニだけでなく、謎の白いお菓子のようなものが出てきます。
こういうの。
これが、スエで「ライスボール」と呼ばれているものなのです。日本の「おにぎり」も「ライスボール」と呼ばれている点では同じなので、いわば同姓同名の食べ物ですが、全くの別人であります。:-D
このライスボール、つまりはrisbollar(リースボッラル)。スウェーデンのお菓子ではあるけど、スウェーデン全国で食べられているお菓子ではありません。最南部・スコーネ地方のお菓子なのです。J兄はスコーネの中心都市・マルメで生まれて育っているので、彼にとっては、これはまさに「子供の頃に大好きで食べていたお菓子」の味なのだ。それも、Jママが手作りしてくれたもの。
先週の週末、J兄はいきなり、この「ライスボール」が食べたくなった。さっそくママに電話をかけ、レシピを聞き出すJ兄。
材料は
バターまたはマーガリン
オートミール(havregryn)
卵白
砂糖
ぽんぽん・・・ 実は日本語でなんと呼ぶのか知らないのだが、お米を「ぽん」と膨らましたアレです。
なので、材料はシンプル。作り方もシンプル。レシピの例はこちら。
台所でしばしの格闘の後、できあがったライスボールをお皿に乗せて居間に持ってきたJ兄は、
「はいどうぞ」
と、私に1個さしだした。どれどれ、と食べてみるぱね。
・・・・・
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お砂糖と、オートミールと、バターと、「ぽんぽん」の味がします・・・もちろん甘いのだが、なんというか、優しい味。やっぱり「ぽんぽん」の味が効いてるんだな、とぱねは思ったが、
J兄は、一口食べて、
「ううううううー、そうそう、この味!!子供の頃に食べた味!おんなじ味だー!」
と、目をつぶって感動している。
その姿を見て思った。私も「ずんだ餅」を食べるときは、こんな顔してるに違いないのだ。きっと誰にでもある「子供の頃の味」。それを一口食べただけで、子供の頃の記憶が、一気に蘇ってくる味。
皆さんにとっては、それはどんな食べ物でしょう?