スウェーデンのコーヒーの味は、ぱねが日頃から文句をつけているテーマのひとつであります。しかし、何度も言ってますが、何をおいしいと感じるかはとにかく慣れと好みの問題であり、ぱねにとっては「ただただただただ苦く、奇妙に酸っぱく、とにかく飲めたものではない味」であるスエのコーヒーが、多くのスエの人たちにとっては毎日浴びるように飲んでも全く問題ないというか、浴びるように飲まずにはいられないほどおいしいものであることは間違いないのでありますよ。とはいえ、コーヒーは好きじゃないから飲まない/紅茶しか飲まない、というスエの人もけっこういます。ぱねの狭い交友関係の中でもすでに数人いるから、割合としては少なくないのではないかとも思われる。
わが家では、私はネスカフェのインスタントコーヒー(Lyxという高めのやつ)を飲み、J兄はZoegaというコーヒー豆ブランドの「スコーネロースト」というやつを飲んでいます。これ。
J兄によれば「これは、ただ変に苦いだけの他のスエコーヒーとは違う!」味なんだそうですが、ぱねには違いは全くわからないorz。とにかく苦すぎる(泣)。
もっとも、去年12月にわが家に来てくれた友人Mちゃん(スエコーヒー豆を購入して帰国)によれば、「スエコーヒーは、濃すぎるんだと思うのです。豆の量を減らして淹れれば、いけます」というレポートが来ている。スエコーヒーラブのスエの人たちにとっては、日本のコーヒーは全般的に「薄すぎて飲めたもんじゃない」ものらしいので・・やっぱりそうなんだな・・
まあともかく。
わが家では、相手のコーヒーの好みにはお互いに一切介入せず、それぞれが自分の好みに合うコーヒーを飲むことにしているのだが、
数週間前のある日。J兄が「この近くに、おもしろいコーヒー焙煎店があるらしいんだよ」という情報をゲットしてきた。
情報源は、彼の訪問先のおばあちゃん。
うちのお隣の「スパイおばさん」ことEおばさんの存在が明らかにしているように、「地元の情報」に関して一番詳しいのは、そこで暮らして長い中高年女性である。彼女たちは詳しいだけでなく、信頼性が高い情報も有しておる。たとえばEおばさんは、うちのアパートの隣にあるスーパー「ご近所ICA」のオーナーがこの秋に変わることを、すでに夏の間にキャッチしていた(そしてぱねに教えてくれた)。このB集落で起きることで、Eおばさんの地獄耳、いやアンテナを通過できるものはないに違いない。
それはともかく。
J兄の訪問先のそのおばあちゃんは、ある週末に、家族と一緒に外出した。行き先はV市北東部のL集落。そして彼らは、集落の入り口すぐ近くに、小さなカフェのような建物を発見した。
それがこのお店だった。
がぜん興味をそそられたコーヒー好きのJ兄と、「ドイツ人!?」となったぱね。さっそく、その次の土曜日に行ってみました。木金土の3日間しか営業していないお店なので、いつでも行けるわけではないのだ。
ウェブ上の情報を見ても、別にオーナーがドイツ出身であるとは書かれてはいないのだが、「こんにちはー」とお店に入り、お店にいたおねえさん(ご夫婦でやっているので、奥さんの方)が「こんにちは、いらっしゃいませ」と出迎えてくれた瞬間に、「あ、ドイツの人」というのは一発でわかった。誰が聞いてもわかるドイツ語訛りのスウェーデン語なのよ。:-)
そして、おねえさんは、お店に並ぶコーヒー豆の特徴をとても丁寧に説明してくれたのだ。ここのお店のコーヒー豆の特徴は、「厳選したコーヒー豆を、全て自家焙煎していること。それも、ゆっくり時間をかけて焙煎していること」。おねえさんによれば、「市販のコーヒー豆は全て、大量に短時間で一気に焙煎しているのです」とのことだった。そしておねえさんは、遠慮がちにこう加えた。
「だからね・・・・市販の豆って『焦げたような味』がするでしょう・・?もちろん、味は好みの問題なので、その味が大好きな人はいますが・・・」
と。
おねえさんは、この説明の中で「もちろん味は好みの問題です」を何度も何度も繰り返した。その激しいドイツ語訛りのスウェーデン語を聞きながらぱねは、
「そうですよねー!!!!!スエコーヒー、全般的にひどい味ですよねー!!でも、『ひどい味』だなんて、スエの人たちには面と向かっては言えませんよねー!!!!」
と、激しく心の中で同意していたのである(涙)。そして、
ああやっぱり。ぱねが前からずーーっと感じていたあのスエコーヒーの「とにかくただただ苦い、奇妙な味」は、やっぱり焙煎の問題だったかー!!!そしてあれを「変な味」だと感じる外国人は、私だけじゃなかったんだー!!!!
と、なんというか、安心したのであった・・・:-D
さて、コーヒーは「深煎り」のものしか飲まないJ兄は、おねえさんが勧めてくれた深煎りコーヒー豆を2種購入し、豆はお店で挽いてもらうことにした。さらに私たちは、お店に併設されているカフェで、コーヒーを飲んでいくことにした。
そのカフェには、コーヒーにまつわるさまざまなレトログッズがずらりと並んでいた。テーブルや椅子も、明らかにレトロ。コーヒー愛がぎっしり詰まった温かい空間である。
私たちがカフェでコーヒーを飲んでいた間にも、お客さんは入れ替わり立ち替わりやってきた。スウェーデン語を話すお客さんだけでなく、ドイツ語を話すお客さんも来た。こんな田舎の小さな集落に、こんなお店があるなんて、なんだか感動だなあ・・(涙)。
さて、お店で挽いてもらったコーヒーを、うちに帰ってさっそく淹れて飲んでみたJ兄は、
「・・・確かに。これと比べると、これまで飲んでたスコーネローストは確かに『焦げた感じ』の味がするよ。このコーヒーの味は、全く違う・・・」
と絶句。いやはや。
このTADAHのコーヒーの値段は、J兄がこれまで買っていた「スコーネロースト」の倍!でも、J兄にとってのコーヒーの重要性は、いわば、ぱねにとってのお米の重要性と同じなんですな。ぱねが「お金がかかってもいいから、やっぱり日本で栽培された日本のお米が食べたい」と思うのと同じに、彼は「お金がかかってもいいから、おいしいコーヒーが飲みたい」と思っているのだ。
というわけで、定期的にTADAHに出かけてコーヒー豆を買う(+カフェでコーヒーを飲む)ことは、わが家の新たな習慣になりそうな感じがしますなり。:-)

