孤独と闘う多毛症のヘスス・アセベスさん、新たな人生への決意―メキシコ | パンデモニウム

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※何度かのブログフォーマット変更により改行ポイントがずれてしまい、ほとんどのページがガタガタになっております。
読み難くて申し訳ないです。

 ↓ AFP(2015.10.5) より

 

メキシコ人のヘスス・アセベスさん(41)は自分を見つめる人々の視線

に慣れることはないかもしれない。

しかし、アルコール依存症と、サーカスで見せ物とされてきたつらい

数十年間に終止符を打ち、ある決意を固めた。

毛で覆われた自分の顔を手で隠すのを止めたのだ。

 


ヘスス・アセベス01

 

アセベスさんは多毛症という非常に珍しい病気にかかっている。

多毛症は「オオカミ人間症候群」とも呼ばれ、顔や体の毛が過剰に

生える症状だ。

これまでに50例しか確認されておらず、そのうち男性7人、女性6人の

13人は、メキシコ中部サカテカス(Zacatecas)州ロレト(Loreto)出身の

一家族の人々だ。

アセベスさんもその一員。

これまでの人生で社会的にさまざまなつらい体験をしてきた。

幼いころから「なぜ、神様は僕をこんな風に作ったんだろう。なぜ、

僕は違うんだろう」と自問してきた。

 

そのうち人目を避けるために顔を覆って歩く癖がついた。

同級生にからかわれ、いじめられ、体毛を引っ張られるなどして、学校

は中退してしまった。

13歳でアルコールに頼るようになり、その後、依存症に長年悩まされる

ようになった。

同じ多毛症のいとこ2人と稼ぐために英ロンドン(London)のサーカスに

入った。

日給は約8ドル(約950円)だった。

 


ヘスス・アセベス02

 

遺伝子変異による多毛症は、毛が過剰に生えることの他には症状は

ない。

しかし仕事に就いたり、買い物に出かけたり、友人や恋人を作ることが

とても難しくなる。

「機会を与えてはもらえない。ただ人と違うというだけで」とアセベス

さんはAFPに語った。

 

■傷ついた自尊心・新生活へ

 

温かい声で話すアセベスさんの顔におずおずとした笑顔が浮かんだ

のは、日本と英国のテレビに出演するために2回、顔の毛をそった際

の話をしたときだった。

「あんまりいい気分のする体験じゃなかった。好きではなかった。自分

が知らない人間みたいに見えた。テレビのSFドラマに出てくるキャラ

クターみたいに顔が紫か青に見えたよ」。

 


ヘスス・アセベス03

 

サーカスでピエロをしていた女性と結婚した。

13歳の娘がいるが彼女も多毛症だ。

妻の前に付き合っていた女性との間にできた娘二人も多毛症だが、

現在二人とは疎遠になっているという。

サーカスで働くのは初めのころは楽しかったが、20年以上にわたって

「プロの怪物」を続けてきた結果、自尊心は傷ついていた。

「傷つけられていた。でも、ずっと後になるまで自分でそれに気が

つかなかった」という。

 

数か月前、アセベスさんは新しい仕事を始めた。

路上でびんやダンボールをリサイクル用に回収する仕事だ。

新しい仕事と同時に新しい生活も始まった。

飲酒をやめ、道を歩くときに顔を隠すこともやめたアセベスさんは、

「窮屈な思いをするのはうんざりだ。みんなと同じように幸せに

ならなくちゃ」と話した。

 


ヘスス・アセベス04

 

メキシコ人映画監督エバ・アリディス(Eva Aridjis)氏は、「チュイ

(Chuy)」というあだ名をもつアセベスさんとその家族に1年半にわたっ

て密着取材し、「Chuy the Wolf Man(チュイ、オオカミ男)」と題する

ドキュメンタリーでアセベスさんの奮闘を描いた。

 

メキシコ人にとって、アセベスさん一家の話から思い出すのは、多毛症

で19世紀に世界的に有名になった北部シナロア(Sinaloa)州の先住民

の女性、フリア・パストラナ(Julia Pastrana)だ。

パストラナは、「サル女」「世界一醜い女」などとして欧州で見せ物に

された。

1860年、出産の際の合併症で亡くなった彼女と子どもの遺体は防腐

処置を施され、何十年もの間、展示され続けた。

ノルウェーからメキシコへ遺体を返す運動が実を結び、ようやく遺体が

埋葬されたのは2013年だった。

 

 

時代的に、ヘスス・アセベス(Jesús Aceves)さんくらいの年齢でも、

サーカスの見世物になるくらいしか生きる道が無かったのですね・・・

現代では、人道的な理由からこうした興行は無くなってきていますが、

果たして別の受け皿は有るのでしょうか?

 

あだ名の、「チュイ(Chuy)」は、『スター・ウォーズ』 のチューイ・バッカ

から来ているのかと思いましたが(あながち無関係でもないでしょう

が)、メキシコでのヘスス(Jesús)の愛称が「チュイ(Chuy)」なのです。

英語だとエリザベス→、リジー,ベスとかマーガレット→マギー、メグ

みたいに略称になる事が多いですが、スペイン語はJose(ホセ)が

Pepe(ぺぺ)になったりよく分かりません・・・


まあ、狼男などと不本意な呼ばれ方をするよりは良いのでしょうが。

 

「プロの怪物」や「傷つけられていた。でも、ずっと後になるまで自分で

それに気がつかなかった」という言葉には、悲哀を感じます。

生活の為に、自分が削られていく感覚は、状況が違っても、共感

出来る部分が少なくないのではないでしょうか?

 

 

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