京都旅其の②老舗種麹店、菱六もやしさん | 発酵料理家・真野遥の研究日記

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なんと昨日、招徳酒造の木村社長のご紹介で急遽、京都の老舗種麹店「菱六」さんにお邪魔させていただけたのです!!きゃー!!

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酒、焼酎、味噌、醤油、みりん、あらゆる醸造加工品の麹を造る際の麹菌の元を造られているのが、種麹屋さん。別名もやしやさん。麹菌が芽吹く→萌える→もやす→もやしやさんということです。

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全国に10も無いと言われる種麹屋さんは、そう簡単に行けるところではなく(言わば原料メーカーですからね)、超大興奮!!さすがに製造現場は見せてもらえませんが、社長の助野さんにみっちりお話を伺わさせていただきました。

創業360年以上続く超老舗の㈱菱六さん。
「何代目ですか?」と伺うと、「もはや分からない」という回答が(笑)。
麹のことは勉強していても、種麹は未知の領域だったので、ウザいほどの質問の嵐!驚きの連続!
例えば米麹は高温乾燥の環境下で~50時間ほどかけて造るのに対して、種麹はなんと高温多湿で120時間かけてもやすそうなのです。「お風呂のような環境」とのこと。

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やはり、麹菌は生き物なので、思うようにいかないこともあるそうで、だいたい48時間ほどでおおよその形が出来上がり、その段階での出来具合を見て、調整に入るそうです。種麹屋さんは、麹の胞子を増やすのが仕事。とにかく胞子を増やして増やして増やしまくります。

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もう、知らないことの連続で、失神しそうでした…(笑)

麹菌は水に入ると死んでしまうという事実は衝撃!!水に入ると活発になると思っていたのですが、活発になるのは酵素なのだそうです。麹菌が水の中で生きられたら、酵母菌と戦ってしまい、お酒など造れないそうです。
へ~~~!!

12月~2月の出荷繁忙期に向けて、6月~8月以外は常に種麹をもやし続け、造りだめしておくそう。現在、取引先は全国に2千社ほど有るそうで、伏見の酒蔵はほぼほぼ菱六さんのお客さん。また、なんと近所のおばちゃんでもふらりと購入されていく方がいらっしゃるそうで、一部ご家庭でも麹を造る方がおられるそうです。なかなかのツワモノ!!(笑)
私のお燗×発酵料理教室でも、いつか「自家製米麹造り」なんてやりたいなあ…。

また、最近では驚きの新商品「麹パウダー」を開発されたそうで、これは面白そう!!

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低温で粉砕するという高度な技術により、生きた麹菌と酵素の塊のような粉だそうです。
これを使ったレシピ作り、料理教室への活用をしてみたい!!夢の膨らむ商品でした。

アドレナリン全開!!笑
助野さん、お忙しいところご対応ありがとうございました!!
勉強になりました!!