手相物語~旅館の女将 | 和顔工房(わげんこうぼう)

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和顔という言葉は、「大無量寿経」 の言葉「和顔施」「和顔愛語」に由来。穏やかで温和な表情、顔つきや言葉遣い。穏やかで親しみやすい振る舞い。のこと。どんなに苦しい時でも、「和顔」がその状況を突破する鍵になる。

~ある街角の手相家の物語~
その手相家の名前は、安倍吽馬易(あべのうんめい)という。
まだまだ、駆け出しの頃・・・。

手相を観るという事は、「相手の方の人生を垣間見ることだ。」と
吽馬易は、師匠から、常々教わっていました。

師匠は、「だから、いい加減な気持ちで、手相を観てはいけない。」
そして、
「どんなに相がよくない状態だからといって、それを観たまま相手にお伝えするだけではだめだ。」
「よくない相を回避する方法、良い相へと変える方法を具体的にアドバイスできないのなら、良くない相について伝えてはダメだ。」
「それは、相手を落ち込ませるだけである。」
「相手にさらに不安を増幅させることになる。」
「人生で悩んで手相を観てもらいに来てくださった方を、さらに絶望を与えることになる。」
「これから先の未来において、希望を探しに、手相を差し出してくれているはず。」
「私たちは、希望を手相から読み取り、それが叶うようにお手伝いするのです。」
と、何度も何度も、弟子たちに話しているのをよく覚えている。

先日の事、ある街角の片隅に座って、仕事をしていたところ、
一人の女性が、吽馬易に手相を観てほしいと話しかけてきました。
その女性は、歳格好は、今どきで言えば、セレブといわれるようなどこか気品のある方でした。

その方の名前を仮にさゆり婦人(仮名)としましょう。
すこしだけ、その方のお話をします。
さゆり婦人は、老舗・旅館の女将です。と申されました。
さゆり:「すべてがうまくいっていない。」と嘆いてばかり・・・。
吽馬易が、
吽馬易:「すべてって、具体的にどんなことで、悩んでいらっしゃるのですか?」
と、彼女の言葉にならない心の叫びをきちんと受け取っているというメッセージを込めて尋ねました。

すると、今まで、グッと心の内側に秘めていた感情がドッと沸き上がるかのように、
彼女は、話し始めました。

さゆり:「旅館の経営が・・・」(声を詰まらせながら)

さゆり:「自分の息子の嫁が若女将として、一生懸命手伝ってくれているだが・・・」
さゆり:「そんなこんなで、大変な時に、主人が病気で倒れてしまって・・・」
さゆり:「しかも、主人の病気が末期のがんだと宣告されて・・・」
さゆり:「今日、ここを通ったのは、旅館の営業をかねて、東京に来て、さっき、そこのビルで商談していたところでした。」
疲れて、駅までゆっくり歩いていたところだった。

吽馬易は2年間、手相の修行をとても有名な手相家の元でしていた。
とはいえ、まだまだ駆け出しの身であることを重々、肝に銘じていました。
恋愛相談においてはある程度の経験と自信があるのですが、
この手の相談では、少しばかり荷が重いと、想っているのでした。
(*手相家としての実力は、師匠から太鼓判を押すほどの腕前だといわれていた)

さゆり婦人の悩みに精一杯、耳を傾け(一通り聴き終わると、
吽馬易は、
吽馬易:「よ~く、お気持ちが伝わりました。」
吽馬易:「では、手相を観せてほしいので、手のひらを上にして、私の前に置いてください。」

吽馬易にとって、唯一であり、最大の武器、手相を観るということをようやく始めたのでした。

ご婦人が、おもむろに、いすに座り直し、
どちらの手を差し出したらいいのか、困惑しながら、手のひらを吽馬易の前に近づけました。
さゆり:「右手ですか?左手ですか?」
吽馬易は、ゆっくり差し出された手の甲を包むように支えながら、
吽馬易:「両手とも大切なので、まず、両手を一緒に観させてください。」
吽馬易:「うんうんうん、・・・。」
とうなずき、
吽馬易:「左手を観させてください。」
大きく、うなずきながら、
そして、一言、
吽馬易:「今まで、がんばってこられたのですね。お疲れ様でした。」
吽馬易:「手相にあなたががんばってこられたすべてがちゃんと刻まれていますよ。」
続いて、
吽馬易:「右手を観させてください。」
手のひらを覗き込むように無言で観入っている吽馬易...。

そして、一通り手のひらから目を離し、目の前の婦人を見つめました。
(これが、吽馬易の手相を観させていただく際のいつもスタイルです。)

吽馬易は両手のひらの手相を一通り観させていただいた後、
吽馬易:「具体的にどんなことが知りたいですか?」
と、おもむろにさゆりさんに尋ねました。

さゆり:「どんなことって・・・」
彼女は、窮している今をなんとかしたいという気持ちばかりで、
具体的に何が知りたいか?そこまで想いがまわっていなかった自分自身に気づいた。

吽馬易は、そんな戸惑っている彼女をぼんやり見つめながら、
吽馬易:「手相にも、いろいろな観方がありまして、・・・。」
吽馬易:「あなたの性格や気質、など通り一遍の話をして、合っている、すごい、…。というようなことも云えます。」
吽馬易:「実際にあなたの知能線がこのようになっていますので、とてもこつこつと一生懸命がんばっていらっしゃる方であると想います。」
吽馬易:「恋愛相談なら、相性や運気をお伝えし、開運方法をいくつか、アドバイスできます。」

吽馬易:「さゆりさんにとって、今日、私と出逢ったことが、何かのきっかけになってほしいのです。えらそうなことは云えませんが、悩みは解決しません。問題は解決することができます。
さゆりさんのお悩みを具体的な問題として、お聴きして、それを元に手相からメッセージを読ませていただきたいのです。問題をお聴きすると、その問題に対するメッセージを発している手相の線が反応してくれます。その小さな僅かな線の声を私は拾い上げます。」

さゆり:「えーっと」
さゆりさんが、不可思議そうな顔で私に質問しました。
さゆり:「旅館の経営がこれからどのようになるか?どうしていけばいいか?」
を教えてほしい。

吽馬易は、よしとばかりに、深くうなずいて、
彼女の右手にさっと手を伸ばして、手のひらを自分の胸元まで近づけ、覗き込みました。
(実は、吽馬易には、右手の運命線と生命線の反応を逃さなかったのです。)

時間にして10秒から20秒・・・。
吽馬易は、ただ手相を観て、なにやら、ふむふむ、うんうん、とうなずくばかり・・・。

その後、想い出したかのように、吽馬易が、
吽馬易:「そういえば、さゆりさんの年齢をお聴きしていませんでした。」
吽馬易:「今、おいくつでらっしゃいますか?」
と、
さゆり:「55歳です。」
それを聴いて、なにやら、手相の線を指で刻んでいく吽馬易、
吽馬易:「誕生日はいつになられます?」
さゆり:「えっと、8月28日です。」

今日が、6月25日だから、
吽馬易:「今年の誕生日で、56歳になられるんですよね。間違いないですよね。」
吽馬易:「手相では、運気の1年の始まりを1月1日ではなく、その方の誕生日から始まるので、・・・。」
失礼ながら、詳しく教えてもらったのです。
吽馬易が運気の始まりを説明しながら、

吽馬易:「旅館の営業が芳しくなくなり始めたのは、さゆりさんが50歳の頃ではないですか?」
吽馬易:「今度の誕生日で、56歳でしたね。」
吽馬易:「56歳まで、生命線にサインが出ていまして、手相からはそのように感じました。」

さゆりは、そういえばというように、想い返している様子、
吽馬易は、続けます。
吽馬易:「たしか、今日も旅館の営業でこられていたのですよね。」
吽馬易:「具体的にどんな営業されてこられたか?差し支えない範囲で教えていただけますか?」

さゆり:「えーっと、今日は、大手旅行代理店さんを回って、私どもの旅館を使ってもらえるようにお願いに・・・。」

うなずきながら、吽馬易が、続けて質問、
吽馬易:「ほかに、旅館のことで考えられていることはありますか?」

さゆり:「来月から、新しいプランを作って、それをネットやいろいろな方法で知ってもらって、・・・。」
さゆり:「このプランがうまくいかないともう、・・・」
さゆり:「再建のめどがなくなって、銀行には再生法を検討すると言われていまして・・・。」

それを聴いた吽馬易が、手のひらから目線をさゆりさんの方に向けて、
吽馬易:「そのプラン、来月からじゃなく、再来月の8月からにしませんか?」
手相には、8月から始めたことは必ずうまくいくと出ています。
吽馬易:「もう一度、プランを練り直してみませんか?」
吽馬易:「その際、旅館の強みは何か?」
吽馬易:「誰に来てほしいか?」
吽馬易:「何ができるか?」
を、考えてみてほしいのです。

お聴きする限り、たくさん強みがありすぎて、絞りきれていないのではないかと感じます。
強みと弱みは紙一重です。

ここで、お伝えしたい手相の線があります。
吽馬易:「この線なのですが、・・・」
(吽馬易が、ボールペンの先でなぞりながら)
吽馬易:「この線がですね、今は、少しまだ、薄いと想います。」
吽馬易:「この線が、新しいプランが決まった時に、もう一度確認してほしいのです。」
吽馬易:「成功するプランであれば、この線が、濃く見やすくなっている、もしくは、線が深く、太くなってきます。」

手相は、今の状態を表してくれるのです。
この線が、今のあなたにとってとても大切な線だと思います。
旅館経営の場合、ご主人さんの運気も関係してきますので、
必要なら、ご主人さんの写真をとって送っていただければ観させていただきます。
なので、はっきり、今、断言できませんが、

50歳からの6年間とても大変な時期を、
さゆりさんは、がんばって乗り切ってこられたのだと、
私は感じています。

そして、その大変な時期は56歳の誕生日までで終わります。
運気の移行期間として、半年くらいは前の運気の影響を少し受けますので、
完全に開運するのは、来年の2月以降、必ず、努力が報われ始めます。
努力したことが、必ず、実る手相です。

また、大変な6年間の残り2ヶ月のすごし方ですが、
このときは、自分が報われない時期です。
しかしながら、誰かのために、必死になって、自分の成果は考えずに行動すると
うまくいく時期です。
あと2ヶ月ですが、そのような意識で、取り組んでみてください。
すぐに旅館の営業に直結しないようなことが、
後々、お客様を呼んできてくださるようなご縁に結びつく時期です。

あと、2カ月を乗り越えると、必ず、春がやってきます。

吽馬易は、希望と未来の開運を手相からのメッセージとして淡々と伝えたのでした。


さゆりは、あっと時間をみて、終電の新幹線に間に合うようにと、
吽馬易に、頭をさげ、お礼を云って、走って去ったのでした。

その後姿は、何かの重しがとれたように、
軽やかに吽馬易の目には映りました。

そして、ほっと、一息、缶コーヒーを飲むのでした。


ほっと一息、缶コーヒーを飲み干した吽馬易・・・。

ふと、携帯を手に取ると、メールが届いていることに気づきました。

あまり、メールでのやりとりになれていない吽馬易は、
おもむろに携帯のボタンを、
大きくて、若干短めの親指で、軽く押しました。

すると、そこにあったメッセージは、先ほどのさゆりさんからのものでした。

(届いたメッセージの内容)
先ほどは、長い時間お話を聴いていただき、いろいろとありがとうございました。
病床の主人のためにも、旅館を絶対に再建させたいと想っています。

とても不思議な感覚で、何がどうとかってはっきり言えませんが、
これから先が真っ暗闇だったのが、なにかしら、先にある光をみつけたような気持ちです。

吽馬易さんにお逢いした今日が、なにかしらのきっかけとなったと、
近い将来、笑って話している自分が自然と思い浮かんだのです。

とても不思議な感じでいっぱいです。

取り急ぎ、無事に新幹線に乗り、岐路についたことの報告とお礼をと想い、
とりとめもない文章のままですが、メールさせていただきます。

〇〇旅館 女将 さゆり 


吽馬易はこのメッセージをゆっくり読んで、返事を書き始めました。

(送ろうと最初にかいた返事の内容)
さゆりさま

無事に新幹線に乗られ、岐路に疲れたのですね。
長旅、お疲れのこととお察しいたします。
お身体ご自愛くださいませ。

安倍吽馬易


メールになると、言葉のニュアンスが、読み手の感情の状態によってかなり変わってくるため、
吽馬易は、メールは、なんどもなんども読み返してから送るようにしている。
そこで、下記の文を付け足した。

(補足したところ)
ご主人さまの手相も、もしよろしければ、
メールに写真を添付いただければ、観させていただきます。

私は、今年の11月18日にさゆりさんの旅館を予約したいと想っています。
よろしくお願いします。


吽馬易は、問題を解決するためのもっとも確実な方法を知っていたのです。
それは、その問題が解決した近い未来ではなく、
そこから、ちょっとだけ先の解決した後、どのように過ごしているのか?
そこに焦点を当てることなのです。
そこで、11月に旅館の予約をお願いしたのです。

その旅館を、サクサクと、携帯で調べたら、とても素敵な旅館で行ってみたいなぁと想ったからである。


(この物語は、すべてフィクションです。登場する人物、その他、すべて架空のものです。ただし、手相に関する記述については、できる限り鑑定の際に用いる内容に準じております。)

 

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