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ネガティブな出来事への対処の仕方、実はこういう手法もある。

 

4. Savoring? プロセス?
ポジティブ心理学では、ポジティブな体験のあと、その楽しい気持ちをじっくり味わうこと(Savoring)で、人生の幸福度を上げることができる、としている。
一方、「プロセス」と呼ばれるコーチングの手法がある。こちらはネガティブな体験のあと、その悲しい気持ちをありのままに味わい尽くす、というものである。ネガティブな感情に強引にフタをして「頑張って立ち直ろう」としても、心のどこかでその感情が消化不良のまましこってしまい、本当の意味で立ち直ることを妨げる。
Savoringはポジティブ体験のあと、プロセスはネガティブ体験のあと、と真逆の対処法のようだが、根っこにある考え方は似ているのではないか、と私は勝手に解釈している。
つまり、自分の感情に正直になること。自分が、自分の気持ちをしっかりと受けとめてあげること。そうでないと、心が迷子になってしまう。

不合格という状況に心が激震している今、どんなに冷静に対処しようとしても、客観的に自分の思考と感情を分析しようと思っても、無理なんだ。ショックはショック。
ごまかしたり、「大丈夫」と強がったりせず、自分の気持ちに正直になろう、と思う。

  • 初めての入試不合格経験。すごいショック。ショックショック。
  • 今は、ただ悲しい。悲しいんだ。
  • わ~ん、悲しいよ~~~。


5. Relationship
上述は、ほぼこの順番通りに心の中にぽかぽか湧き上がってきた。
けれどその間、繰り返し何度もぽかぽか浮上してきた、ひとつの思考がある。それは、「〇〇さんに申し訳ない」という思いだ。

  • 研究計画書にアドバイスをくれた〇〇さん(複数)に申し訳ない。
  • 頑張ってね、と応援してくれた〇〇さん(複数)に申し訳ない。
  • この歳で学校に行くのはいいことだと励ましてくれた〇〇さんに申し訳ない。
  • 一足先に大学に入った〇〇さんと勉強の話ができず申し訳ない。
  • 合格を信じてくれた〇〇さん(複数)の期待を裏切って申し訳ない。

改めて、受験勉強期間中にどれだけ多くの人に支えられていたか、を痛感した。それどころか、この数年来たくさんの人から刺激を受け、私も何かしなきゃという前向きな気持ちを後押しされ、叱咤激励され続けたからこそ、受験しようと思い至ったのだ。

これまたポジティブ心理学に、幸せの5要素に関するPERMA理論というものがある。
 P=Positive emotion(ポジティブ感情)
 E=Engagement(エンゲージメント)
 R=Relationship(人間関係)
 M=Meaning(意味、意義)
 A=Achievement(達成)
中でも、Relationshipが一番大切だ、というのがポジティブ心理学創始者のひとり、Peterson, C.の持論である。
改めてそう思う。Relationshipの有難味。

***


かくして、タクシー内での受験番号違いからBさんのメールを見るまでの30分間、心はどん底、コーピング・レジリエンスモードから急上昇、スリル満点のジェットコースター状態だった。

ジェットコースターから数日後。
FBで合格報告をしたところ、歴代最多の「いいね!」をいただいた。
やはり、一番有難いのはRelationshipである。

 

          <おしまい>