「超」のつく,希少三葉虫がやってきた | 化石の日々

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オフィス ジオパレオント代表のサイエンスライター 土屋健の公式ブログです。
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「これぞ希少」という三葉虫がやってきましたので,ご紹介。

Amphilichas
(画像はふぉっしるより許諾を得て転載)

写真は,「アンフィリカス(Amphilichas)」という名の三葉虫です。
三葉虫の繁栄華やかりし,古生代オルドビス紀後期のもの。今から4億4000万年以上前の三葉虫です。
アメリカは,オハイオ州の産になります。

三葉虫という古生物は,1万種以上が確認されているとされている巨大生物グループです。いくつかのグループに大別されます。
このアンフィリカスは,「リカス類」とよばれるグループの三葉虫です。

リカス類の三葉虫は,全体として非常に整った印象をもっています。
頭部の両端には,しばしば“頬トゲ”構造をもち,頭部の中心である「頭鞍部」は,もこもこというか,ごつごつというか,まあ,ごっつくなっています。
尾部は比較的広めです。

オルドビス紀という時代は,温暖化にともなって多様な海洋環境が生まれ,そこに適応するかのようにさまざまな三葉虫が出現したとされます。
その中で,このアンフィリカスと似たような姿をもった三葉虫は,ロシアやモロッコ,イギリスなどで産します。
当時の大陸配置はこんな感じです↓

Ordovician


それなりに成功した三葉虫のようですが,リカス類は総じて希少種となっています。
生態系の上位にいたのか,生息環境が限定されていたのか,それとも化石に残りにくいのか,そのあたり,情報は不足しています。

とくに,このアンフィリカスはかなり希少で,数年に1度産するかどうかとされています。
うーん,もっと数が出てくれると,出会いのチャンスが増えるので嬉しいのですけどね。

この標本は,ずぅーっと探していたもので,今,ふぉっしるのBeforeギャラリーコーナーに並んでいます。このコーナー,3週間の期限内にお嫁入り先がでなければ,リアルギャラリー行きとなります。
リアルギャラリーは,当オフィスの応接室を兼ねているので,ここにおさめられれば,私としてはいつでも会いにいけることになります^^;

三葉虫ファンの一人として,3週間の動向に,ドキドキしながら注視しているところです。






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