第3回警視庁警察官採用試験一次試験が終了した。
うちに来た「心」たちのほとんどが今回受験している。
試験中は、息子が受けた時と同じように朝から夕方まで落ち着かなかった。
夜になり「今頃みんなクタクタになっているだろうね。帰る途中かな?」と妻と話していると、「こんばんは」と1人の「心」がやってきた。
谷川幸人 25歳 富山県在住
第2回警視庁警察官採用試験III類に6回目にして最終合格を果たす。
(警察官への扉〜うれしい知らせ②〜)に登場
「今日が第3回の試験でしたよね。みんなどうだったかなと思って来てしまいました。受験生はどなたか来ましたか?」
受験生の事が気になって来たようだ。
「ありがとう。私達も気になってはいるんだけど、まだ誰も来ないよ」
「そうですか。みんな疲れてますもんね」
「きっと そうだね」
その時、「こんばんは」と元気な声がした。
「林田君が来てるよ」と妻が言いに来た。
(警察官への扉〜心たちとの交流⑱〜 警察官への扉〜心と心の交流①-1 警察官への扉〜心と心の交流①-2 )に登場
「林田君、終わったばかりなのに来てくれたんだね。お疲れ様!」とねぎらった。
「無事に終わりました!今までの試験で一番出来たと思います!模試と同じように教養40問くらい解けて、漢字も8割くらい出来ました!」と自信に満ち溢れている。
「すごいじゃないか!頑張ったな」
「はい!早速面接対策をしたいと思います!」と元気に答えた。
早速、谷川を林田に紹介した。
「初めまして谷川です。一次試験お疲れ様でした」
「はじめまして林田です。合格者の方にお会い出来て嬉しいです」
「教養かなり出来ているようですね。一次は間違いなく通りますよ」
「はい。おかげさまで初めて自信を持って一次試験に臨む事が出来ました。まだ合否も出ていませんが、自然とこちらに来てしまいました。試験前にこちらに来ていなかったら、また同じことを繰り返していたと思います」
と林田は力強く言い切った。
「そう言ってもらえて私もうれしいよ。合格者の谷川君も受験生の事が気になってきてくれたんだよ」
「はい。自分もつい最近、同じ受験生だったので落ち着かなくて、何も出来ませんが来てしまいました」と谷川が言った。
「実際に最近合格された方にお会い出来るなんてうれしいです。僕も谷川さんにあやかりたいです」と言って、谷川と握手を交わした。
「合格者の運気がもらえたね。良かった!」と妻が言った。
「林田君、僕は6回目でやっと合格したんです。今振り返れば、過去5回は漠然と警視庁警察官になりたいと思っていました。でも今回は警視庁警察官に絶対なるんだと覚悟を決めて受験しました。林田君を見ていると、前回僕が受かった時と同じ姿が重なります。面接も自分の熱い思いを出して警視庁警察官になるんだと思いをぶつければ必ず合格できると思います!頑張ってください!」
2人は再び固い握手を交わした。
「ありがとうございます!僕も今回は今までの自分とは違うと確信しています。谷川さんのように熱い思いを全力でぶつけたいと思います!所長さん、奥さん、谷川さん今日はありがとうございました。二次試験に向けて更に頑張ります!」
「頑張って!良い事になるよ」と林田にエールを送った。
林田は敬礼して帰って行った。
「谷川君もありがとう。また良かったら受験生にアドバイスしてやってくれないか?合格者の言葉ほど響くものはないからね」
「はい。僕でよければいつでも力になります。ここに来た人みんなが受かるように祈っています。では、失礼します」
谷川も帰って行った。
私と妻も胸が熱くなる合格者から受験生へのエールであった。
つづく。。。