夢幻から生まれしハルキゲニア
バージェス頁岩動物群や澄江動物群で代表される
奇妙な形のカンブリアモンスター。
その中でも特に奇妙な形をしているのが,
ハルキゲニアです。
ハルキゲニアが最初に発見された時,
トゲの上に胴体があり,背中には7本の触手が生えた
姿で復元されました。
そしてお尻は膨らんでいます。

この姿はまさに,奇妙。
この奇妙な姿から,「幻覚が生んだもの」という意味の
「ハルキゲニア」という名がつけられました。
しかし澄江から
非常に保存状態の良い化石が発見されたことで,
ハルキゲニアの正しい姿が明らかになりました。

トゲは体の下ではなく背中に生え,
触手だと思われていたものは左右1対ずつあり,
実際は肢だったことが分かったのです。
しかも,膨らんでいた部分は頭部でした。
つまり,最初の復元は上下も左右も逆。
完全にあべこべな姿だったのです。
正しい姿でもその奇妙さは全く変わりませんが(^_^;)。
ハルキゲニアの姿はこれだけではなかったようで,
頭部が膨らんでいないものもいますし,
澄江からはまた別の形をしたものも見つかっています。

これは澄江から見つかっているハルキゲニアです。
背中のトゲが短く,
バージェス頁岩のハルキゲニアよりも肢が3対多いです。
ハルキゲニアは他の生物と一緒に発見されることが多いため,
死体を食べる腐肉食動物だった,とも考えられています。
こんなのが近寄ってくる姿を想像するのは,
ちょっと嫌ですね(><;)。
横向きの両生類!?
一昨日アップした両生類ブランキオサウルス。
どれも骨がよく残っていますが,特に面白いのはこちら↓
何が面白いかというと,左右の肢が同じ側にあること。
対して,哺乳類のように肢が体の真下に伸びている場合,
死骸は通常横向きになります。

あっ,コラッ!説明してるんだから動いちゃダメ\(*`∧´)/
なので哺乳類の場合には,左右の肢が体の同じ側(お腹側)に位置します。
両生類なのに左右の肢が同じ側に出ているブランキオサウルス009は
珍しいもの。
面白い逸品です。