市川京が向井忠彦の居る車輌にやって来る。京は真っ直ぐ忠彦の目の前までやって来て、反対側に座った。そこには酔っぱらって寝ている中年男性が居る
おいおいまさかやるのか?
と思っていると
チカン
と頭の上に文字が現れる。忠彦は京の腕を見る。中年男性側にある左腕はバッグの上に、右腕がバッグの下にいっている
あれだと尻を触るのは不可能だ。だとすると…。ホンとかよ、ある意味スゲェーな
忠彦は捕まえに行こうとしてハッとする。実際にチカンをしている行為は見えない。しかも中年男性は熟睡して気づいていない。忠彦と距離があり目の前に居る為、忠彦が立ち上がった時に腕を引っ込めれば現行犯逮捕は出来ない。それに気づいているのか、京はニヤニヤと笑みを浮かべる
どうする?このまま無視するか?あのオッサン寝てて気づいてないしな…
悩んでいると頭の中に声が響く
「私がお助けしましょうか?」
それは忠彦に力を与えた女神の声だった
つづく