葛城将は高校卒業後プロへ、設楽楓は大学へと進学した
仙石「おい、葛城」
将「なんですか?」
仙石「ビッグニュースだ。もしかしたらオリンピックの正式種目になるかもしれん」
将「マジですか?」
仙石「ああ、最終選考まで残ってるって話だ。お前ランキングいくつだ?」
将「今5です」
仙石「なら次のレースが重要になるな」
将は高校の先輩である仙石に誘われ、今のチームに所属した。将は出るレースのほとんどに表彰台に上がり、どんどんランキングを上げチームのエースになっていた
仙石「次は…」
将「埼玉です」
仙石「地元だし、ここは」
将「優勝狙います」
仙石「大きくでたな」
将の夢はツール・ド・フランス。宙が目指していたところだ。もし、オリンピックに出てメダルでもとればスポンサーも着くし、ツール・ド・フランスへの近道になる。それに地元のレース、将は燃えていた
高校から始めてもうすぐ6年。楓は成果を出せず焦っていた。大学3年になって初めて駅伝の選手に選ばれたものの、結局控えにまわされてしまった
凛「楓」
楓「なに?」
凛「甘いものでも食べに行かない?」
楓「いいの?コーチから体重落とせって言われてなかった?」
凛は笑いながら
凛「食べてから落としますー。それにも付き合ってよね」
楓はあきれながら
楓「はいはい」
新井凛(あらいりん)は楓と同い年で1年の時からいろいろな種目で成績をおさめている。2年の時にはすでにエースとして活躍していた。楓とは寮の同室で、気も合う
凛「今度の駅伝さ…」
楓「うん?」
凛「楓がアンカーやるのがいい気がするんだよね」
楓「私には荷が重いって。それに長い距離走ったことないし」
楓は中距離として登録されていた
楓「アンカーは4年の先輩って」
凛「だからさ、4年生に花を持たせるなんてことやってるから勝てないんだよ。あたしはね、楓は長距離向きだと思うんだ。マラソン向きだよ、絶対。それであたしのライバルになって欲しい」
凛が真剣な目で楓を見る
凛「あたしさ、監督に言ってきたから」
楓「なにを?」
楓は嫌な予感がした
凛「楓を出してくれないんだったらあたしは出ないって」
なにぃー
楓はくらくらした
ふたり~オリンピックの章~1話目終わり