雫はゴール手前で抜かれてしまった。マラソン選手は右手をおもいっきり伸ばす。雫もあきらめず手を伸ばす。相手はモミの木まで1メートル、雫は3メートル以上ある。でも、雫はあきらめなかった。相手がモミの木にタッチする寸前、何かにつまずく。雫の身体が宙に浮く。そのままモミの木に激突した
雫「…」
雫は顔をおさえながらスタッフを見るマラソン選手も同じく見ている。雫が激突するのとマラソン選手がタッチするのは同時だった
スタッフはゆっくり2人の間に立つ
スタッフ「勝者」
雫の腕を上げる
マラソン選手「ちょっと待って今の私の方が速かったはず」
マラソン選手は納得いかず、スタッフに怒鳴る
スタッフ「あなたの手と彼女の顔はほぼ同時でした。たぶん、あなたの方が速かったかもしれません」
マラソン選手「だったら」
スタッフ「その前に彼女の手が木にかすってます」
スタッフは雫の右手をマラソン選手に見せる。そこには何かに擦ったかのようなあとがあり、血がにじんでいた
マラソン選手は項垂れてその場に座りこんだ
雫「ありがとうございます」
雫はマラソン選手に手をさしだす
マラソン選手「なにが?」
マラソン選手は雫を睨む
雫「なにがって言われると正直困るんだけど、わたしなんか相手に最後まで真剣に走ってくれてありがとう
」
マラソン選手「負けた、負けた」
マラソン選手は雫の手を握る
マラソン選手「あなたはなんでずっと手をさしだしてたの?私が握手なんてしなかったかもしれないのに」
雫「考えてませんでした」
マラソン選手「私はそのピュアなとこに負けたかもしれない」
雫「ピュアですか?」
マラソン選手は微笑んだ
翌日
海一は家庭教師のため雫の家に来ていた。雫はじっと家庭教師の時間が終わるのを待っていた。あと少しで時間が終わるとき
雫「ママ、ちょっとコンビニに行ってくるね」
と言って家を出た。雫は家から少し離れたところでじっと待つ。胸がドキドキする。寒いはずなのに右手だけが熱い。昨日、マラソン選手と握手をした右手が熱く感じる。見えなくを見る。ギュッと右手を握る
雫「よし」
雫は深呼吸をする。そのとき海一が見えた
雫は海一に向かって歩きだす。海一が雫に気がつき立ち止まる。雫は海一の前に立ち
雫「好きです。わたし、あなたの笑顔が好きです」
言えた
雫はそれだけで満足だった。どーせ、ダメなのだからと思っていたので勇気をだして『好き』と言えた、それだけでいいと思っていた。欲をだせば、傷つくのはわかっていたから
海一「それだけ?」
雫「えっ?」
海一「笑顔だけ?」
雫「えっと…」
雫は悩んだが、雫の気持ちは・・・
雫「好きです、付き合ってください」
言っちゃった…
海一は笑顔で
海一「よく言えました」
雫の頭をなでる
海一「俺もさ一目惚れっていうの?」
雫「じゃあ」
海一「よろしく」
海一が右手をさしだす。雫はその右手をとる
海一「冷たい」
雫「ここで待ってたからかな」
海一「だったら」
海一は雫を強く抱きしめた
海一「温かくしてやるよ」
雫と海一はキスをした
目が覚めた
ちょっと早かったかな?クリスマスを過ぎたら意味ないし・・・
まあ、いいか。遅いよりはね
今回はわたしは不参加の夢でした。いつもなら、主人公を自分にあてはめるんだけど今回は敢えて夢通りにしてみました
なんか、痛そうだし。痛いのは夢でも嫌だしね
次は
わたしの学校にはちょっと変わったクラブがあります。その名も『インディージョーンズ部』。いわゆる探検部。そこには変わりモノが・・・
次回は
インディージョーンズ部
だよ