仕事も無事に続いていてるということもあり、行って参りました!!
Kバレエの25周年記念のガラ公演
ホールに到着して、この「ようこそ!」的な熊川さんの写真を見ると、熊川哲也さんを好きになり、今まで鑑賞してきた色々な舞台の記憶が脳裏を駆け巡り、早くもうるっとなってしまう状態でした。
オープニング
オケが美しい『白鳥の湖』の音楽を奏でます。
やはり生オケの音っていいなぁ・・・・と、感動していると、
登場された途端、歓声が上がりました!!
普段のレッスン着のような、白いシャツ姿の熊川哲也さんが、美しい佇まいで最初は、案内役のような登場なのかな?と思っていたら、音楽に乗って、踊りだされて、そのまま、飛ぶわ、回るわで、往年の熊川哲也を観てきたファン達へのプレゼントのような時間をくれました。
ふと軽いマイムをしただけでドキリとさせられる、どうしてこの人はいくつになっても独特なんだろうか?と、不思議にも思いますが、
それこそが、天から選ばれた「スター」という人の輝きなんだろうなとも考えたりもします。
彼の後ろでは懐かしい映像が流れていますが、この映像を選ぶのもすごく苦労されたのだろうなぁと、膨大な量の今までの演目の記憶がよみがえります。
そして、やはり彼にとっても特別な演目だったのだろうと思う一瞬の『ジゼル』があり、そのままプティ版の『カルメン』へ。
カルメン 寝室のパ・ド・ドゥ
熊川哲也,岩井優花
振付:ローラン・プティ
私がこの演目を観た時は、カルメン役のヴィヴィアナ・デュランテとご一緒に、ラストに向かうにつれて、怖いような気迫を感じた事を思い出しましたが、
今回はやはり若い愛らしさも残る、岩井さんなので、余裕のある大人の男性としてのどこか優しさも感じるような踊りで、彼女を守るように踊る熊川さん。
あの有名なラストのポーズになるかと思った途端、映像に切り替わり、
若かりし日の熊川さんの凄さを改めて反芻させられる、同じくプティの代表作『若者と死』の映像が流れます。
ダーシー・バッセルまでも観られたのは眼福。
DVDは持っていますが、このような形でこのような流れで観せてもらえるという状況だと、感動もひとしおでした。
ウォフガング
ウォルフガング:栗原柊 サリエリ:石橋奨也,メイド:世利万葉
振付:熊川哲也
この作品をこんなに丁寧に観せてくれた事は、少しばかり意外でしたが、映画『アマデウス』を彷彿とさせるようなモーツァルトの描き方が、当時の熊川さんとしては思い切っていらしたような気がしました。
コメディ感覚で観ているうちに、観終わる頃には心が寂しくなる・・・・
そんな展開はわかっているのに。
そんな事を思っていると、映像が「これでもか!」といわんばかりに流れてきます。
「プッシュ・カムズ・トゥ・ショブ」の映像があるなら、きちんと見せてーー!!と叫びたくなる気持ちを抑えるのに苦労したりも^^;
音楽が流れてきて、美しいラフマニノフの世界へと・・・・
ラプソディパ・ド・ドゥ
日髙世菜 山本雅也
振付:フレドリック・アシュトン
第2楽章の美しい場面を今しっかりとした技術と表現が出来るお二人が踊る。
それは非常にバレエを見る上において安心感もあり、幸せな時間ではありますが、正直なところ、あの真っ赤な衣装を着て、かつて「重力から解放されたかのごとく」縦横無尽に踊りまくっていらした熊川さんの舞いを思い出して、どこかでセンチな気持ちになってしまいました。
ドン・キホーテ 第3幕グラン・パ・ド・ドゥのコーダ
キトリ:梅木那央 バジル:吉田周平
振付:熊川哲也
懐かしいドンキの映像が流れてきて、編集は観客のツボをとらえているなぁと、思いながらも思わず「もっと見せてー」的な気持ちになったりも(笑)
それでもコーダ部分をこの映像を見た後の観客の前で踊る緊張感を考えずにはいられません。
しかも、ここは大阪。熱い気持ちで声援を送る観客と一緒に見るのは嬉しいのですが、フェッテでやはり手拍子が・・・
それでも、キトリの梅木さんはきっちりと回りきり、お客様からは喜びの拍手と歓声も。
ベートーヴェン 第九
演出・振付:熊川哲也
イントロダクション:遅沢佑介 宮尾俊太郎
第2楽章:長尾美音 島村彩 辻梨花
『海賊』の映像が流れてきて、思わず色々な思いが胸を駆け巡ります。
それにしても、そろそろ渋みも出せるようになってきた熊川哲也さんの凄みに圧倒されていると、どんな思いでその頃のご自身の踊りを眺めているのか?熊川さんご自身が再び登場されました。
そしてそのまま『第九』のイントロダクションへ。
少しだけではありますが、熊川哲也さん、宮尾俊太郎さん、遅沢祐介さんの3人が揃って踊りました。
けれども、それは本当に少しの間だけで、熊川さんは、はけていきました・・・・
この3人が揃った姿を思い出すと、なんとも切ないような気持ちになります。
けれども、その切ない思いは、大好きな熊川板の『第2楽章』の美しい水の世界で音符になったように、音と共に弾み、音と共に流れるように踊る女性達の舞いに癒やされていきました。
ロミオとジュリエット 第1幕バルコニーのパ・ド・ドゥ
ジュリエット:岩井優花 ロミオ:石橋奨也
振付:熊川哲也
岩井さんの踊りの印象は、こちらの方でしたが、期待通りの美しくて切なさ溢れるジュリエットを見せてくれました。
ロミオ役との石橋さんとの大変そうなリフトもしっかりとこなされて、2人のパートナーシップもよい感じで、今のKのロミジュリらしさを伝えてくれたような気がしました。
シンデレラ 第1幕抜粋
シンデレラ:中村咲菜 仙女:二本柳美波 薔薇の妖精:塚田真夕,トンボの妖精:梅木那央,キャンドルの妖精:辻梨花,ティーカップの妖精:島村彩
4頭の雄鹿:岡庭伊吹,金瑛揮,久保田青波,鴻野寛太
振付:熊川哲也
あの馬車がシンデレラをお城に連れて行く場面です!!
ここを一幕の終わりに持ってくるのはアタリだと心踊りました
初めて熊川哲也が出ない!大きな舞台だったはずなのに、本当に美しくて、妖精達の踊りが素晴らしくて、星の精達がまた素敵で。
そして、あの夢のような馬車が走る。走る。(いや、以前以上に走っていた?)そしてシンデレラが、立派なお城の入口を入ってゆく・・・・
ここで一幕終了。
もう幸せいっぱい。
シンプル・シンフォニー 第4楽章
日髙世菜/西尾隼人
木下乃泉/長尾美音
山田博貴/武井隼人
振付:熊川哲也
なんとなく、二幕も映像から始まるのかな?と勝手に想像していたので、シンプル・シンフォニーのこの部分から始まるのは意外な感じはありましたが、以前、N響アワーのブリテン特集を見て以来、熊川さんがブリテンの音楽に振付された眼の確かさに改めて感じ入っていて、また見たいとも思っていたこの演目。
日高さんを筆頭にさすが!というキレによさやそれぞれのダンサーの技術の確かさが、しっかりと伝わってきて、終わるのが残念な気分になりました。
アルルの女 ファランドール
フレデリ:山本雅也
映像も流れて『アルルの女』を思い出しながら・・・
それでも、フレデリを観ると、あのとんでもない憑依型のダンサー、リアブコの恐ろしい舞いを思い出さずにいられない。
特に真夏のフェスティバルホールでは・・・・
熊川さんのフレデリもリアブコのフレデリも忘れて、山本雅也くんが演じるフレデリに集中しようと決意を固めるものの、若者らしいひたむきさで演じていて、非常に好感を持てるのですが、あの悪夢のような、空洞に飲み込まれていくような狂気までは感じられず。
けれども、彼もローザンヌの頃から見てるダンサーさん。
一人きりで、この大役をよくぞ演じきった!と、妙な親心的な応援心も芽生えていました。
カルメン 第1幕よりハバネラ
カルメン:岩井優花
ダンカイロ:鴻野寛太
レメンダード:堀貴文
フラスキータ:布瀬川桃子
メルセデス:二本柳美波
衛兵:岡庭伊吹 中井皓己 本元光 森雅臣
第1幕よりドン・ホセのソロ
ドン・ホセ:宮尾俊太郎
振付:熊川哲也
岩井さん、今回こそはアクの強いカルメンらしさを感じさせてくれて、私が彼女に抱いていた感覚をすっかりと変えてくれました。愛らしさや情感をこめる役だけではない、演じる役の幅の広さにはこれからの楽しみしかありません。
初演の頃に見た熊川板のオペラの音楽に乗って踊るカルメンを思い出させてもらえました。
それに宮尾俊太郎さん!
最近では、ミュージカルだとか、それに個人的には毎週楽しみにしている『べらぼう』にまで登場されてて(田沼意次の甥役なので、まだ登場場面あるかな?とひそかに楽しみにしていますが)けれど、その多忙さの中でのKの芸術監督就任は大変だろうなぁと思っていましたが、彼らしいピュアなホセを見せてくれました。
熊川さんのドン・ホセは、もっとドロ臭さも感じさせられて、カルメンとの因縁のような重みが伝わってきたのを思い出しましたが、それでも、宮尾さんのホセは、どこかピュアな感覚が残っていて、それでカルメンに毒されてしまうのだろうなぁと未来まで感じされてもらえました。
クレオパトラ 第1幕より奴隷のパ・ド・ドゥ
クレオパトラ:木下乃泉
選ばれた神殿娼男:金瑛揮
第2幕よりローマ”抜粋
オクタヴィアヌス:遅沢佑介
振付:熊川哲也
ここはあの圧倒された『クレオパトラ』の映像つきで。
それにしても、ニールセンの音楽があまりにもぴったりすぎて、映像見ながら感激し直したりも。
クレオパトラは、初演時の中村祥子さんの印象が未だに強く残る私にとっては、なかなか難しい箇所でした。
彼女だからこそ魅せられた娼男との色々とギリギリの場面なので、木下さんもとても頑張っていらしたのだとは思いますが、また違う形で踊りを見たいとも思っています。
そして遅沢さんのオクタヴィアヌスを見せてもらえたのが、とても嬉しかったです。
蝶々夫人 第1幕より花魁道中
花魁:浅川紫織
ゴロー:栗原柊
第2幕より初夜のパ・ド・ドゥ
蝶々:岩井優花
ピンカートン:堀内將平
振付・熊川哲也
これは楽しみにしていた浅川さんの花魁道中。
『べらぼう』ついでで、花魁道中は体幹が強くないと出来ないと、それにロンデジャンプに似た動きをしているのも話していたこの頃なので、それを浅川さんで観られるのは、とても嬉しく、そしてその期待に存分に応えてくれる、美しい、そしてどこか刹那的な香りも感じる花魁さんでした。
そして、岩井さん!!
一体何役踊られたの?と、今回は愛しいピンカートンをひたすらに愛する初々しい蝶々夫人でした。
「新制作」 眠れる森の美女
第1幕より出会いのパ・ド・ドゥ
オーロラ姫:長尾美音
デジレ王子:武井隼人
第2幕よりローズ・アダージォ
オーロラ姫:木下乃泉
デジレ王子:中井皓己
婚約者候補:岡庭伊吹,久保田青波,鴻野寛太
振付:熊川哲也
ここまで来ると記憶が鮮やかです。
従来の眠りを見てるので、意外な展開で出会うオーロラ姫と王子様との行方が気になった時のワクワク感がよみがえりました。
先ほどのクレオパトラを任せられた木下さんが、ここでローズアダージォにキャスティングされるのは、かなり彼女も役の幅の広いダンサーさんなのだと思います。
ただ、最初のバランスを崩してしまった時から調子を取り戻せないまま終えてしまったような気がします。
それに、従来のローズアダージォより音楽のテンポが早いような気がしてしまいました。もちろん、ラストのバランスを取る箇所でのテンポは普通通りでしたので、踊る方からすると鬼のような構成になっているのでは?とは、こっそりと思ったのですが。全幕の時もこんなテンポだったのかは、こちらは映像を持ってないので今になると確認がしようもないのですが。
マーメイド 第2幕より婚約式
プリンセス:日髙世菜
王子:山本雅也
プリンセスのお付き:長尾美音,島村彩
王子の友人:吉田周平,山田博貴
振付:熊川哲也
あぁ、もう去年私に力をくれた『マーメイド』なんだな・・・本日の最後の演目なんだと、美しくも切なかった映像を見つめながら思いました。
舞台で踊られたのは、プリンセスと王子様との豪華な婚約式での場面です。
日高さんと山本さんなので、最後の演目を思い切り楽しもう!と思いましたが、プリンセスのお付き達の踊りも素晴らしく、去年のように力をもらえている事を実感します。日高さんのフェッテも軸がしっかりしてて美しく、やはりラストの演目らしい華を感じさせられました。
そして・・・・
ついに、ついに、エンディング。
熊川哲也さんが衣装をつけてマントを羽織ってただ一人で登場されました。
会場大盛りあがり。
大きな拍手と歓声に包まれる中、熊川さんが一人だけの中で幕が降りていきます。
もしや??
と思ったら、やはりそれが本当のエンデイングでした。
そうか、熊川哲也で始まり、熊川哲也で終える。
今回はこれこそが、本当のエンディングなのだとも納得させられました。
本当は千秋楽18時公演のチケットを持っている人は、ダンサーさん達のサインを頂けるという特典があったのですが、実はこの日は在宅ワークとはいえ、仕事を慌ただしくこなしてからの鑑賞でしたので、体調も考えて、まっすぐに帰宅して早く休むことにしました。
けれども、仕事をしっかりと続けていけるからこそチケットだってまた取れるし、生オケや生バレエが私にくれる力を考えて、これからも時々楽しんでゆこう
と、改めて、熊川さんにお礼を言いながら昨日は幸せな眠りにつきました。
それから、今回の舞台で大活躍された岩井さんと宮尾さんへ、毎日放送のOTOBUTAIから花が届いていましたので、これは楽しみな放映が増えました
毎日放送さーん。
嬉しいお知らせをお待ちしていますー