意志の力 | 株式会社 丸信 社長のブログ

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株式会社丸信 代表取締役 平木洋二のブログ
包装資材販売、シール・ラベルの印刷、紙器印刷加工業を営む株式会社丸信の社長のブログです。

近頃、久留米市内でタクシーに乗り「丸信の本社まで」と言えば、ほぼ一発で連れて行ってもらえるようになった。27歳で帰郷した際はまったく知名度がなく、都度、細かな説明が必要であったが、長年に渡り、お取引先が来社の際に何度もタクシーを使ってもらったお蔭だとは思うが、実は私も知名度のない時代からタクシーに乗ったら、必ず「丸信の本社まで」と言い続けてた。その度に「それどこ?」と言われ、詳しい説明を入れてた。

しかし、これを繰り返すうちに、いつのまにか3回に1回は「あそこですね」と言われるようになり、今では90%以上の確率で連れて行ってもらえるようになったのだ。継続は力なりだ。

 

 先日もタクシーに乗って「丸信の本社までお願いします」と言うと

 

「そういえば、あそこの社長さん、TVに出てましたね」

 

と言われ、思わず、

 

「あたしだよ!」

 

と、「にしおかすみこ」の決めゼリフを言いそうになった。

 

さてさて、

 

数値目標を中心に据えて経営するのは、ずっと間違いだと思ってきた。

「目標売上○○億円」

「目標利益〇億円」

等だ。2年前に訪問した企業で壁にデカデカと貼ってあるのを見て、思わず「昭和か」と突っ込みたくなったのを覚えている。

 数年前に売上が90億を超えてから社内外から「100億」の話が頻出したが、社内には「100億の話はするな!」と言ってきたし、社外にも「別に目指してません」と言い続けた。理由は簡単、

 

「お客様には関係ないから」

 

この考えは今も変わらない。

経営者が固執すべきはお客様への提供価値が高まったかどうかであって、自社の売上や利益ではないはずだ。

もちろん、予算くらいは設定している。

昨対割れにだけはならないよう社内に強くお願いしてきたし、手も打ってきた。売上、利益が増加しなければ昇給、未来投資、社会貢献に投入できる原資がなくなるからだ。

ドラッカーが言うように利益は「目的」でなく「手段」なのだ。

売上を追わず、QCDDS(品質、コスト、納期、デザイン、付加サービス)これらの改善に注力さえすれば、なんとかなってきた。

 

だから中・長期の経営計画や精緻な予実管理の必要性をずっと理解できなかった。来年の事でさえ見通せないのに、どうして、3年後、5年後の事が分かるだろうか?これらの作成に力を注ぐ意味が不明だったのだ。

 実はとあるカリスマ経営者も同じことを著書の中で述べられていた。(私はこれに影響された)

 

「ただひたすらに目の前の事に全力集中していれば、ある時気づいたら、信じられない高みへと到達していた」

 

と。

 ひょっとすると時代背景や経営者の能力、業界が全く違うのに、この方の発言を盲信してきたのは間違いではなかったのか?不遜にもそう考えるようになってきた。カリスマとは言え、所詮は一個人の経験に過ぎない。それが真理だと帰納的にも演繹的にも証明できるはずもない。

 

 新工場と新規設備で身の丈以上のとんでもない額の借り入れをお願いした立場として、今後この大型投資をこのようにして成長につなげ、確実に返済させて頂きますという蓋然性の高いストーリーを示さねばならないのだ。

 

ここ2、3年で中長期の経営計画の必要性を外部の様々な方から説かれ、少しづつ重要性を認識しつつあったところに、この本でとどめを刺された。

 

 

ユニクロがまだ中小企業の頃から関与され、上場まで導かれた方の著書。(これは丸信の後継候補者には是非とも読んで欲しい。会計の重要性も理解できると思う)

 

第2章にまさに

「なぜ予算や計画を立てなければならないか」

というテーマだ。

 

以下、引用、抜粋

 

経営計画には2つの意味があります。将来に向けた経営者の

 

「ぜったいにこれだけは売ってやる、という意志」

 

と、行動のための

 

「このような方策で売ればきっと売れる、という仮説」

 

です。行動して結果を出さなければならない経営者にとって、経営計画立案=事前準備は他人任せにできない最重要な仕事の一つなのです。

(中略)

経営者には誰しも思い描く夢があるはずです。

5年後、10年後にこういう会社にしたいという夢です。

そういう5年後、10年後に姿にする為には、3年後、1年後、そして今日、現時点でどんなことをしていなければならないか、経営計画はそれを「逆算」して作るべきものと言えます。

 

引用、抜粋終わり

 

また後半には、ユニクロがどうであったかも述べられてる。

かつて柳井社長は「2020年に売上高5兆円、営業利益1兆円」という大きな目標を掲げていた。それについて

 

以下、引用、抜粋

 

その数字の意味するところを実際に頭のなかで想像してみないことには、目標の達成はおぼつきません。

 売上5兆円のときの各国別の売上高はいくらか?その時の店舗数は?店長と従業員数は?どの国でどれだけ生産して、どのように物流させれば良いか?本部の組織の規模と機能は?

(中略)

この非常に高い目標を達成するためにはどうすべきなのか?あらゆる方法を考え抜き、実行するという行為と過程そのものが大事なのです。

 

引用、抜粋終わり

 

ユニクロの前期の売上は約2.7兆円、営業利益は約3800億円。達成はしていないが「桁」はあっている。このまま行けば、いつか達成するのではないか、可能性も感じる。成り行き任せで売上1兆円を超えることはない。散歩のついでに富士山に登った人もいない。

 

大きな夢とそれを達成しようと願う強い意志。そこから逆算して一年毎、1か月毎にマイルストーンを明確にして、今日やるべきことをやる。

 

これが私に欠けていたのだと思う。

 

朝のオフィスにて

 

(追) 少しだけ宣伝させてください。

 

福岡国際会議場にて6月11日、12日に自社単独での展示会「丸信フェア2024」を開催します。自社製品はもちろん、様々な省力機械、包装資材、食品衛生分野等の展示に加え、これまで磨いてきた数々のソリューション(お客様のお困りごとの解決)をご説明したいと思います。

 有料でも良いのではないかと思われる、セミナーもいくつも準備しています。一部のセミナーはもうすぐ満席になりそうだと聞いています。

 

是非とも、事前登録の上、セミナーへのお申込み、2日間のご来場お願い申し上げます。