株式会社 丸信 社長のブログ

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株式会社丸信 代表取締役 平木洋二のブログ
包装資材販売、シール・ラベルの印刷、紙器印刷加工業を営む株式会社丸信の社長のブログです。

史上最大級と喧伝され、警戒した台風だったが、久留米市に関しては風雨とも終始弱くほぼ影響無かった。一方勢力が強いまま直撃となった鹿児島では被害に遭われた方々も多々おられたようで、心よりお見舞い申し上げます。

 台風は陸上を進むと水蒸気の供給を受けられず、勢力を弱めるものだと初めて知った。過去の経験から長崎辺りから上陸する西から来る台風の方が大きな被害になり易い。

 

話は変わる、

 

先日、福岡の都市高速を博多から久留米に戻っている途中、左手には福岡空港の国際線ターミナルが見えた。今は僅かな便しか国際線は飛んでいない。

しかし、なんと!そのガラガラな駐車場で立体駐車場化の工事が行われていた。

思えば、コロナ前は利用客が増え過ぎて、この国際線の平置き駐車場は度々満車になっていて駐車までに待ち時間が発生し、フライトに遅れるかもと、冷や汗をかいたことがあった。

この大都会の中心で「平置き」の駐車場は確かに勿体ない。

もっと早く立体駐車場化すべきだったが、普段の稼働率が高過ぎて踏み切れなかったのだろう。

コロナ禍で利用客が消え、建設には最適なタイミングだろうが、一方で収益的に最も厳しい時期の投資には長期的な視点での判断があったのだろう。

 福岡空港の運営は既に民間で、その福岡国際空港株式会社には西鉄、三菱商事、九州電力、福岡県、そしてシンガポールのチャンギ空港などが出資している。設立以来赤字で、当然2021年決算も単年度大幅赤字であるし、純資産もマイナスで債務超過の状態である。

これだけの企業がバックが付いているから、赤字でも資金の供給という面では不安がないのだろうけど、長期的思考なしにこういう経営はできない。

 福岡空港はコロナ前から2024年の第二滑走路の稼働に向けて大きな投資が行われていた。この数年のコロナは誤算だったろうが、間違い無く長期的には大幅に離発着数が増えるだろう。それに伴い利用者数も大幅に増えるはずだ。

これら一連の投資はそれを見越しているのだろう。

またシンガポールのチャンギ空港は世界屈指の高収益空港である。全くの想像だけど、三菱商事がそこに着目し、そのノウハウを注入する為に参画させたのだと思う。

 福岡空港は市街地にあり、利便性においては世界屈指であるものの、拡張余地は少なく、24時間空港でもない。稼働時間は7時から22時までと制約がある。その中で将来のCFを最大化する為に限られた土地の中でどうしても第二滑走路が必要だったのだ。

将来の利用客数の増加から最大のCFを生み出すために空港ビルを大きくし、テナントを増やしたり、駐車場を立駐化する投資は無謀でも何でもないのだ。

目の前の赤字や債務超過など最初からお構いなしで、ただただ空港としての長期的提供価値向上の為に投資し、将来得られるCFを最大化しようとしているのであろう。

 福岡空港が活性化すればビジネスにとっても観光にとっても県民にとっても享受するメリットは大きい。だから福岡県も出資しているのだ。

 

こうなるともっと本格的に大型の国際会議や展示会、所謂「MICE」客誘致の為に福岡国際会議場やマリンメッセにはもっと追加投資が必要となる。大型高級ホテルを含むIRも必須ではないか、、こんなアイデアがどんどん湧いてくる。

 

話が飛んだ、

 

ファイナンス思考とは、福岡空港のような長期的な投資を可能にするものだろう。

短期的な利益に拘泥するPL思考ではこうはいかない。

 

mixiの前経営者の朝倉祐介さんの著書、「ファイナンス思考」によれば

 

 

ファイナンス思考=長期的に企業価値の最大化を目指す思考

 

とある。大学院でファイナンスの授業を受けたが、2年間で最も難解な科目であった。単位を取得するのに精一杯でとてもこのような思考へのつながりは学べなかった。

 Amazonは創業から設備投資や研究開発投資を重ね、長らく利益を計上せず、配当も無配だった。しかし顧客価値や株主価値は大きく高めた。Amazonは今や我々の生活に欠かせない世界のインフラになったし、Amazon上場時に百万円投資した株主は今や大金持ちだ。

四半期決算の数字だけに捉われていたら、本のEC程度で終わっていたかもしれない。

 

一方でPLも大事だと思う。

 

裏付けのない中小企業がいきなりファイナンス思考だと言っても銀行も相手にしてくれない。むしろ危険視され、融資格付けを落とされるのが関の山だろう。著者も決してPL脳が無意味でファイナンス思考だけが絶対だとは言っていない。

 

私なりの解釈だけど、朝倉氏のいうファイナンス思考とは「戦略」の話に近い。短期のPLばかり重視していると長期的に企業価値が高まらない、経営者は長期的視野でお客様への提供価値向上に努めるべきだと言っているのだと理解した。

 

今、弊社でも新事業の為に営業でも工場のオペレーターでもデザイナーでもない方の採用を増やしている。すべてはお客様への提供価値向上の為。

新規事業はすぐには収益化できないから、これら採用は短期的にはPLを毀損している。今や10名以上の陣容に膨らんだWEBの制作部隊も赤字であるし、動画撮影スタッフは、ほとんど受注ゼロなのに2名も在籍している。

 そもそも自社で長らく戦略的な部門であり続けているデザイン部門に至っては歴史的に一度も黒字になったことがない。

 

しかし、お客様への提供価値を高める為に彼らは無くてはならない存在だ。これら単体での短期的なマネタイズは難しいが、包装資材の売上はお客様の売上の総和に正比例する。

 

お客様の業績向上=我々の業績向上

 

なのだ。なのでお客様の業績向上に貢献できる事に投資していけば厳しい時代ながら、道は拓けると信じている。

 

一方で多額の借入がある身でPLを悪化させるのには勇気が要る。

 

このバランスが難しい。