株式会社 丸信 社長のブログ

株式会社 丸信 社長のブログ

株式会社丸信 代表取締役 平木洋二のブログ
包装資材販売、シール・ラベルの印刷、紙器印刷加工業を営む株式会社丸信の社長のブログです。

土曜は若い社員さんの披露宴。

大いに語らい、大いに飲んだ。

社員さんの披露宴だと ほぼ100%スピーチを依頼される。

 

「今更、緊張なんかしないでしょう?」

 

と言われるが、そんな訳ない。

これまで何十回と依頼され、毎回緊張してる。会心の出来もあれば、失敗とまではいかないが、そうでもない時もあった。社員さんからしたら一生に一度の披露宴。特に女性の社員さんの場合は「披露宴の主役」だから冒頭のスピーチで失敗だけは絶対できない。そう思うと緊張するのだ。

 土曜は若手の男性社員、とても優秀な子なのでトピックには事欠かない。彼のこれまでの活躍ぶりを披露し、最後は鉄板の「補い合い」の話で締めた。

 

「補い合い」

 

実はこれは28年前に御仲人さん(月下氷人)から私の披露宴で頂いた言葉だ。

※御仲人(月下氷人)「なこうど」を知らない若い方はネットで調べてください。

 

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夫婦には三愛の心が大切ですと。

 

「認め合い」

「許し合い」

「補い合い」

 

育ってきた環境も習慣も宗派も、雑煮の具も違う二人が一緒に暮らす訳だ。お互いが「違い」を認め合い、許容していかねば、上手くいくはずがない。

 一方で生物学的に番い(つがい)になるのは子孫を残す為だ。

自然界は天敵も多く、子作りも子育ても命懸けだ。夫婦が助け合って外敵を排し、子供の生存確率を高める。当然、雄、雌で役割は異なる。

そう考えると夫婦の本質は子育ての為の「補い合い」でないかと思うのだ。得意分野の違う二人が協力しあって、互いの欠点を補い合う。

 

彼には、そういう夫婦になって、末永く笑顔の絶えない家庭を築いて欲しい。

 

会社も全く同じだと思っている。

 

彼は若いけど、特別に優秀なオフセット印刷機のオペレーターである。

しかし、いくら彼が優秀でも単独では仕事は成立しない。彼が力を発揮し、今後も技術を磨いていく為には、継続して潤沢な仕事量を確保せなばならない。その為にはもちろん営業も優秀でなければならないし、今の時代ならWEBマーケティングに精通した人材も重要だ。お客様に選んでもらうにはデザインの力も大きいので優秀なデザイナーもいなければ受注はできない。印刷後の工程にもスペシャリストがいなければ良い最終製品にはならない。

 

一人でお客様に大きな価値を提供できる社員などこの会社には一人も存在しないのだ。もしいたら、そもそも我が社の社員でないか、独立しているだろう。

お互いの違いを認め合い、強みを出し合い、弱みを補い合えるのが企業という組織の最大の利点だと思う。個々は自分の得意な業務の研鑽を怠らず、苦手な業務は感謝の心で同僚に任せる。

 

ドラッカーは

 

人事において重要なことは、人の弱みを最小限に抑えることではなく、人の強みを最大限に発揮させることである。
大きな強みをもつ者は、ほとんど常に大きな弱みをもつ 山あるところに谷がある。申し分のない人間などありえない。

 

と言っているが、とかく我々は他人の欠点に目を向けがちだ。

企業が生存確率を高めるには弱みを補い合って、強みをもって貢献してもらうしかないのだ。

 我が社には「直接申告書」という制度がある。幹部社員もパート職であっても直接社長に物申すことができる制度だ。私のストレスが大きく、過去3度もブログに心境を吐露した。

 

 

止めりゃいいじゃん

俺は絶対にやらん

 

と他の経営者からは言われる。慣れない批判の集中砲火に私の小さなハートは傷つけられる。倍返しで反論したろーかと思うこともしばしば。しかし、グッと我慢だ。これによって法令違反や問題点が炙り出されたり、業務改善が進むこともある。皆さんのご意見を基に会社をチューニングしてきた。長く在籍してくれてる社員さんには5年前いや3年前と比べても隔世の感だろう。人事にも影響を与えている。もちろん私の基本方針と乖離の大きいものは無視せざるを得ない。しかし、何よりも、だれにでも経営参画できるルートが確保されている事は社員のオーナーシップの醸成につながる。今年から皆さんの要望でこの機会も年1回から年2回の実施となった。ただ言われた事をやらされるのではなく、運営方針に意見を言えたり、自分の力で変える事さえ出来ると思える方がどんなに良いか。

だから私はどんなに苦痛でも続けているのが、、、

最近は他人の欠点に対する指摘が目に付くようになった。そりゃ完璧な人などいない、指摘しようと思えばどれだけでもできる。

よくあるのが、本人は仕事できるが、マネジメントや部下育成が疎かという批判。もちろん、都度本人には指摘しているし、会社が仕組みとして、彼らの弱みをカバーする施策も考えねばならないが、部下も気づいたら、自ら上司を補うべきなのだ。

 

問題点に気づく自体は悪いことでない。一種の才能だ。

 

しかし、強みを発揮して会社業績に貢献している上司の批判に留めていては未来がない。ドラッカーに言われなくても、完璧な人などどこにもいなくて、強みが大きい人は欠点も大きい事くらい皆、薄々分かっているはずだ。

 

直接申告書の質問事項に問題があるのかも知れない。「問い」を変えれば、思考も変えてくれるだろう。

 

あなたの強みで同僚や上司の弱みを補う

 

これが会社という組織の本質だ。強みを出し合って、欠点を補い合うからこそ、一人の限界を大きく超える高い価値をお客様に提供できるのだ。

 

成果をあげるには、人の強みを生かさなければならない。弱みからは何も生まれない。

(ドラッカー「経営者の条件」より)

 

朝の羽田空港にて