13~14年くらい前だろうか、大手コンサルティング会社さんが主宰する「印刷研究会」なるものに入会した。
きっかけは1通のダイレクトメール。社長に就任して間もなくの、まだ今ほど自分の方向性は定まってなかった頃。有益な情報や経営のヒントが欲しかったのだ。
会員さんは思いの外、小規模の印刷会社さんが多かったが、中には新事業で業態変革された企業さんや印刷通販で一定の売上を得ている企業さんも参加されていて刺激的だった。
ある時の例会は「Indeed」がテーマだった。
「これからは企業が採用媒体や人材会社に依頼せず、直接採用活動するダイレクトリクルーティングが主流になります。その為の主要なツールとなりそうなのがIndeedです」と。
聞けばリクルートさんが本業とのカニバリを恐れずにM&Aしたとか。当時九州ではまだCMが流れておらず、全く知らなかった。物は試しと素直に使ってみた。WEB制作の機能が社内にあったからこそできたのだ。(現在はWEB制作機能は不要です)
しかし、結果は散々。全く応募が来ない。
時期尚早かなと思ったが、しばらくすると九州でも大量のCMが投下され始めた。
すると、大量の応募が簡単に集まるようになった。ちょうど経営者の主要な課題が売上などから人手不足に移り変わっていく最中。驚くほど低コストで大量の応募を得たのだ。まさに予期せぬ成功。(今はそこまでの入れ食いとは行きません)自社の採用も好転した。
これはお客様にお伝えすべき情報だと考え、個別やニュースレター三方よし通信で情報提供を行った。
すると1社、2社と反応が集まり、自社でもやりたいので詳しく聞かせろというご要望を頂くようになった。ボランティアでお手伝いさせて頂いたが、それが10社ほどになったころ、どうしても広告運用はお客様のアカウントで行って頂く必要もあったので、思い切ってIndeed社に代理店に成れないかと打診した。
しかし、最初の打診では「印刷会社には無理です」と、あっさり却下されてしまったのだ。ちょっとショックだった。
しかし、諦めかけた私に再度チャンスの女神が現れた。
なんとその大手コンサルティング会社さん主催でIndeed社のオフィス見学&社長の講演が企画されたのだ。
高層ビル内の先進的なオフィスに感嘆しながら、社長(当時)の講演を拝聴。
アンケートの自由記入欄に思いの丈をぶつけた。
その熱意が届いたのか、すぐに担当者の方から連絡をいただき、再審査を経て、私たちは正式にIndeedの代理店となることができた。Indeed社から様々なご支援を受け、採用のノウハウを蓄積していくことになる。
今では常時150社~200社様の採用のお手伝いをさせて頂いている。我々の主要ソリューションの一つにまで成長してくれた。
丸信の採用支援
ドラッカーが『イノベーションと起業家精神』で強調するのは、多くの企業が「計画通りではない成功」を単なるラッキーや例外として見過ごしてしまうという盲点だ。
「予期せぬ成功」とは、意図した戦略とは関係なく、市場や顧客から圧倒的な好反応があった出来事を指す。
なぜこれを見逃してしまうか?
それは、私たちが意図と違う結果が出ても「失敗」か「例外」として処理してしまい、そこに隠された巨大な機会を見ようとしないからだ。しかし、ドラッカーは言う、この予期せぬ成功こそが、既存の戦略が市場の真のニーズを捉えきれていなかったことを示す、最強のシグナルなのだと。
ドラッカーの教えは、この一連の流れに集約される。
1. 予期せぬ成功を「例外」として処理しないこと。
2. 予期せぬ成功の裏にある「真の顧客ニーズ」を見極めること。
3. そのニーズに対し、既存事業の枠を超えて「事業機会」として資源を集中すること。
イノベーションは、遠い未来や優れた新技術にあるのではない。既に手に入れている「予期せぬ成功」の中に、最も確実な未来として隠されているのかも。
社内のエース人材を既存ビジネスの「問題解決」から「機会」に充てよとはドラッカーの一貫した主張だけど、実際にやるとなると相当な勇気が要る。実際にエースを引っこ抜いて、これら「機会」に専従させるような思い切った人事はまだ行えていない。(怖くてできない)
だけど、そろそろ「その時」なのかも、、
今日も営業の日報の中に「予期せぬ成功」を探したい。
朝のオフィスにて
