連休中のクレアはいつもより長めの散歩に出かけました。
竹林の前で笑うクレア。
ちょっと休ませてクレア
そろそろ、ビスケットクレア。
フランス、とりわけパリをお好きな方の中には、2006年のフランス映画「パリ、ジュテーム」をご覧になった方も多いと思います。パリ20区を舞台に、さまざまな愛をテーマにした人間模様を綴った短編オムニバス映画です。
その最終話の第14区、アメリカのデンヴァーで郵便配達員を勤める一人の孤独な中年女性キャロルが、お金を貯めフランス語を勉強してパリにやってきます。
彼女は59階建ての高層ビル、モンパルナスタワーの屋上展望台 (210 m)からパリの街を眺めます。
ここの展望台は普通の屋上です。フラットで何もありません。
危険防止用の透明プラスチック板が全面に張り巡らせてあります。少し写真写りが悪くなりますが、前を遮るものがなく360°のパノラマが楽しめます。
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この小話は、モンスーリ公園で彼女の内面に奇跡が起こり、「自分は今生きている、パリは自分を愛している、自分もパリを愛している」と、孤独から解放されるシーンで終わります。
「ちなみに」の1):この映画の第1話はモンマルトル編で、その冒頭シーンはPack_Ratの過去ブログで紹介しました。
「ちなみに」の2):Pack_Ratの好きな俳優の一人、ナタリー・ポートマンが「フォブール・サン•ドニ」編に出演しています。
ポートマンはイスラエル人で、祖父母はアウシュビッツの犠牲者と、何かで読んだことがあります。彼女はまた、ハーバートとエールの両大学に合格し前大学を卒業しています。
ポートマンは、「パリ、ジュテーム」の続編、「ニューヨーク、アイラブユー」では監督も務めています。
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脱線するところでした。話を戻しましょう。
Pack_Ratは、1981年以来、パリには延べにして40日ぐらい滞在しましたが、モンパルナスタワーには上がったことがありませんでした。
多分、パリの高上がりの名所といえばエッフェル塔 (324 m) なので、ここに上がって満足していたのでしょう。昔、ニューヨークではエンパイア・ステート・ビル (320~373 m) に上がって満足していたのと同じです。
歳をとるにつれて、これらは逆なのだと気付きました。むしろ、トップ・オブ・ザ・ロック (259 m) から眺めるエンパイア・ステート・ビルが均整がとれていて美しいと感じるように、パリではモンパルナスタワーからエッフェル塔を見るべきだと思いました。
それが実現したのが、37年も経った2018年5月でした。
"パリNow!"さんの2020年5月21日付の以下のブログ記事を拝読すると、それはPack_Ratも全面的に首肯できるものでした。
価値はあるの?(答)はい、あります!Yes & Oui!
それでは、モンパルナスタワーの屋上から、しばし「パリの空の下」(*) の景色を眺めてみましょう。
(*) 「Sous le Ciel de Paris」、Pack_Ratは正直言うと、ジュリエット・グレコ、イヴ・モンタン、エディット・ピアフのシャンソンより、歌声のないポール・モーリアの演奏の方が好きなのです。春のセーヌの流れを感じます。ヨーロッパの街角、レストラン、バンケットなどで機会があればいつもリクエストします。)
モンパルナスタワーはパリの南西に建っていますから、見どころは北西方向から北東方向にあります。
これがPack_Ratが見たかった光景です。モンパルナスタワーを終えたら、メトロでトロカデロに向かい、エッフェル塔の向こう側、つまりシャイヨー宮からこちらを見てみることにしましょう。
凱旋門が向こうに見えます。凱旋門の屋上からもパリ市街が見渡せます。エッフェル塔のイルミネーションが輝き始めるトゥワイライト・タイムに合わせて登るのが最適です。アンヴァリッドにはナポレオンの棺が安置されています。
美術館が入ったグラン・パレとプチ・パレの手前のアレクサンドル3世橋から見るアンヴァリッドは実にゴージャスです。また、西へ3つばかり離れたアルマ橋の袂から見るエッフェル塔も綺麗です。このあたりからバトー・ムーシュに乗ったことがあります。妻同伴のときは、イエナ橋付近からバトー・パリジャンに乗りましたよ。
展望台からほぼ北方面の眺めです。コンコルド広場、マドレーヌ教会、ヴァンドーム広場、オペラ座、サクレ・クール聖堂と、パリの名だたる観光名所が見渡せます。
やや東の方角に目を転じると、前回歩いた、サン・ジェルマン・デ・プレ教会からサント・シャペルが視野に入ります。ポンピドゥー・センターには近代美術館が入っています。1981年訪問時、ここのトイレで(しかも私の横で)その1年前にコネチカットで会っていたハワードという男と再び出会って互いに死ぬほどビックリしました。イッツァ・スモールスモール・ワールドの超典型でした。サン・ジャックの塔はパスカルがここで大気圧の概念を実証したことで知られます。最近では圧力の単位にatm, mmHg, mbarなどは使われず、hPa(ヘクトパスカル)の単位が使われています。サン•シュルピス教会は映画「ダヴィンチ・コード」でより一層有名になりました。
北東方向には、ノートルダム大聖堂が見えます。次回のブログでは、1981年の過去に遡り、この大聖堂の鐘楼に登って、ノートルダムのせむし男の気分を味わいたいと思います。下方の公園はリュクサンブール公園です。
この2枚の写真は1981年8月、40年前のリュクサンブール宮殿とその公園です。
最後に、ボーヴォワールをはじめ、多くの著名人たちが眠るモンパルナス墓地。
エッフェル塔が少し遠かったので、もう少し近くからもう一度見てみたいと思いました。そこでメトロでトロカデロまで行って、徒歩数分のシャイヨー宮からです。
15分の滞在で終了。なお、さっき上がったモンパルナスタワーが見えるはずなのですが、エッフェル塔の左足に隠れているようです。
最後はモンマルトルの丘に建つサクレ・クール聖堂のまとめです。
この日の午前中を過ごしたオルセー美術館の大時計の間隙から覗いたサクレ・クール聖堂です。このとき、2018年5月26日午前11時ごろです。
最もスタンダードなサクレ・クール聖堂の正面写真。
これは付け足しですが、かつてピガールのホテルに宿泊したとき(2007年4月27日)に、ホテルの部屋の窓から見えたサクレ・クール聖堂。Pack_Ratはこの写真が一番好きです。だって、このホテルのこの部屋からしか見えない光景だからです。ピガール、そのとき同伴した妻は嫌いだったようです。まあ、昔の歓楽街で、治安も良くないようですからね。