自宅は築50年越えの空き家をフルリノベーション

インテリアと家づくりが学べる、一級建築士のブログ

 

 

無垢床で絶対にやってはいけないこと、それはキャスター付きチェアです。

 

 

ラグなど何も敷かずに数年間キャスター付きチェアを使うとこうなります。

 

傷が付くなんてレベルではなく、床がえぐれてボロボロになるので絶対にやめましょう。

 

一度こうなってしまうと手の施しようがないので、最悪床の張り替えが必要になります。

 

 

もちろん樹種やキャスターの素材によっては傷が付きにくいこともあります。

 

しかし基本的には無垢床にキャスター付きチェア使用する場合は、ラグやチェアパッドなど敷くようにしましょう。

 

 

 

とは言っても無垢床に傷は付きものです。

 

特に針葉樹(杉やパイン)は柔らかいので、ちょっとものを落としただけでもすぐに傷ついたり凹んだりします。

 

よって「傷つけないように暮らす」というのはほぼ不可能で、そんなことを気にしてたらめちゃくちゃストレスが溜まるのです。

 

 

ではどうするか、答えは2つ。

 

傷を気にしないか、無垢をやめるか。

 

 

傷を気にしない、これはただ単にやせ我慢するのはではなく「傷が気にならない仕上げにする」ということです。

 

 

このブログでは何回も床塗装について書いてきました。

 

エイジング塗装と言って、あえて最初から床を汚すのです。

 

 

こうすることで床の傷や汚れはかなり目立たなくなります。

 

これは本当にオススメで無垢床のデメリットがかなり解消されます。

 

 

塗装の程度でどんなインテリアスタイルにも合わせることが出来るのですが、塗装業者によってクオリティが大きく変わってくるのでそこは注意が必要ですね。

 

 

 

 

傷や汚れの問題から解き放たれれば、このような透明ビニールマットも必要なくなります。

 

せっかくの無垢床、ビニールの上で食事したくないですよね。

 

というかインテリア的にも私はちょっと受け入れられないのですが…

 

 

 

 

ひとつ勘違いしないで頂きたいのは「ヴィンテージスタイルの家にすれば傷も汚れも気にならない」というわけではない、ということ。

 

 

このようなヴィンテージ柄の壁紙やフローリングを使えば、確かに一見ヴィンテージ風のスタイルは作れるでしょう。

 

しかし壁紙を傷付ければ剥がれて下地ボードが露わになり、とても目を当てられたものではありません。

 

シート張りのフローリングも同様です。

 

 

 

 

無垢材を使って予期せぬ事態を招いたこともありますので、無垢材が万能だとは言いません。

 

結局は自身の好みや価値観による部分が大きいので、今現在家づくりにおいて無垢材を使うどうか迷っている方は、まずはメリットデメリット両方を理解するところから始めましょう。