
一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
↓バックナンバーは各カテゴリーから↓
最近、こんなパースを作りました。
トレーラーハウスです。
普段、住宅っぽくない住宅ばかり建ててるせいか、キャンピングカーやトレーラーハウスを作ってほしいという依頼が来るようになりました。(パースじゃなくて実物)
コロナの影響もあってキャンピングカー市場はここ数年右肩上がりです。
震災時には究極の防災グッズとしても活躍します。
完成したらこのブログでも紹介しますね。
話は変わりまして、たまに見る「突撃!隣のスゴイ家」という番組。
この手の建築番組って、建築士の奇抜な自邸を紹介(自慢)する内容が多いので、正直家づくりを考えてる方はほとんど参考になりません。
番組としては何の変哲もない家を紹介しても、視聴率稼げないからしょうがないんですけどね。
何回か前の放送でリノベーション物件を取り上げた回がありまして、そこで施主さんからこんな要望が出ていました。
「以前の住宅の建具をリノベーションで再利用してほしい」
既存の仕上げや建具などを活かしたリノベは私もよくやります。
-例えばこの物件など-
しかし古い建具などをそのままリノベに活かすって、インテリア的にもなかなか難しいんです。
なのでそのまま使うのではなく、塗装などリメイクをして全体の雰囲気に馴染むように工夫することが重要なんです。
しかし番組内では古い建具をそのまま現代風(ナチュラルテイスト)の空間に、ポンッと使っていました。
床はかなり明るいフローリングで壁はホワイトのクロス、そこに年季の入ったダークブラウンの建具が入るのです。
そりゃあ誰が見てもアンバランスで違和感しかないですよね。
(あえて画像は載せませんが)
いくらお客さんの要望とはいえ、合わないものは合わないとハッキリ言うべきです。
もしくはその建具に合うような内装を提案するか、建具自体をリメイクするか。
とにかく「再利用してほしい」と言われたからといって、そのまま使うのは建築士としてどうなのかなと思いました。
単純に色を統一すればよい、というわけではありませんが明らかに合わない組み合わせってあるんです。
先ほどのトレーラーハウスのパースを例にしてみますね。
天井を無垢のパイン材に変えてみました。
他木部は暗めのブラウンなので、明るいパイン材はどうも違和感があります。
今度は床にパイン材。
やはり床だけがキレイ過ぎて明るいので違和感がありますね。
壁はホワイトですが空間に馴染んでいるのは、かすれたようなラフな塗装にしているからです。
単純に明るい色を使ってはダメというわけではなく、インテリアスタイルや素材感が合っていれば問題ありません。
そしてこれがやりがちな柱やカウンター、建具などの一部だけが合っていないパターン。
「隣りのスゴイ家」の建具もこのパターンでした。
小面積であっても一部分だけが合っていない、というのはとても目立ちますね。
内装に無垢材をたくさん使ったり構造材が現れてくるような場合、完成度の高い空間に仕上げるには塗装工事が重要になってきます。
こちらの例で言うと➡が塗装(着色)した箇所で、➡は無塗装です。
ご覧のように木部はほぼ塗装をしています。
逆にこちらは塗装少なめの例。
カウンターや床などは着色していませんが、クリアオイル等の塗装はしています。
ナチュラルな雰囲気が万人に受け入れられやすいスタイルですが、全てを無塗装とすると単調な空間になり、北欧というよりは和風に近付きます。
ここでは柱やキッチン腰壁に木目が透ける程度のホワイトを塗装しています。
僅かな着色ですが、これだけでも空間にメリハリが出てくるのです。
最後におまけ。
畳パターン。
これはこれで、ありか…
関連記事

よく使う家具や照明(随時更新中)
ランキング参加しました。応援よろしくお願いします。