一級建築士である私が設計した物件をはじめ、インテリアや家づくりについて情報発信しています。
また、築52年の中古住宅を購入しリノベした記録、日々の暮らしについても書いています。
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漫画家、うすた京介さんの家がなかなか売れないと話題になっています。
私の世代はやはり「セクシーコマンドー外伝すごいよ!!マサルさん」ですね。笑
で、問題の2年半以上売れていないという鎌倉の豪邸がこちら。
木造築12年
土地面積約130坪
延床面積約64坪
販売価格16,800万円
この辺りの土地坪単価から土地価格は5,000~7,000万円だろうとのことです。
仮に7,000万円だとしたら建物が約1億円。
単純計算で建物の坪単価156万円
たしかに素敵なお家ではありますが、有名漫画家の家という付加価値などを考慮しても
木造中古住宅としては高過ぎる…
しかも漫画家の家ということもあって、間取りもちょっと独特。
これでは2年半も売れないわけです。
行動経済学で「保有効果」という言葉があります。
自分が所有しているものの価値を高く感じてしまうという心理で、住宅や車、絵画など手放す時にそのような効果が働くことがあるのです。
特に住宅の場合は「自分のこだわり」や「家づくり時の苦労」などといった、一般的には価格に反映されない「想い」のようなものまで、自分でプラス査定してしまうものです。
買い手側からしたら、そんなの知ったこっちゃないって話ですが。
うすたさんが販売価格を下げないのはこの保有効果か、ただ単純に建築費がべらぼうに高かったのか、どちらかでしょうか…
以前、建築家(と呼ばれる人)が建てるデザイナーズハウスほど売りにくい家はないと書きました。
今回はまさにその典型だと思います。
人生何があるかわかりません。
突如、家を売却しなければならない状況になることもあるでしょう。
そのような事態の想定も頭の片隅に置いて、家づくりを進めたいですね。