空港からまっすぐ向かった1泊目のホテルは「@ギャラリースイーツホテル」。
プラタナス並木の続く衡山路に面し、
旧フランス租界、外国の領事館に近い落ち着いたエリアにある。
元ロシアプリンセンスの上海での邸宅ということで決めた。
一見、ここがホテルとは思えないエントランス。
タクシーの運転手さんと、アテンドしてくれた弟くんと私と、
路上の番地と地図をにらみながらたどり着いた。
門にかかったネオンでそれとわかり、アプローチを進むと入口があった。
照明を落としたロビーは少々不健康なラブホテルのようで、戸惑う。
部屋は2階。
危険ではないか、と弟くんが上の階の部屋を尋ねてくれたが、
「8階。円形のベッドだがよいか?」
と言われ、お断りした。
一人でそんなお部屋に泊まっても、なんだか、変だろう。
二人で一杯のエレベーターで2階へ。
カードキーをかざしてドアを開けると、広々とした部屋が飛び込んできた。
奥の柱の向こうにアンティークなデスク。
カウチ付きのソファ。
バスルームと部屋の間にドアがないものの、一人なので問題はない。
憧れの猫足バスタブ。
シャワーブースは別になっている。
不満はないが、シノワな雰囲気の写真を見て決めたため、
ポップでスタイリッシュなインテリアには面食らった。
ルームチェンジも面倒だったので、そのまま荷物を解く。
手前は回転式のフラットテレビで、画面も大きい。
ベッド側からも見えるし、間仕切りになっている。
館内はほどよくレトロでアールデコ調にしつらえてある。
こじんまりしたホテルというよりはペンションのような雰囲気。
いや、やはりいかがわしさはラブホテル調。
少々がっかりしながら、夕食へ出た。