春に完全リタイアしたパパへ、
記念品の希望を聞くと、「マロニエの木」だという。
お世話になることにした植木会社さんへ見に行くことに。
こんな予感はしたよ。
ええ、今日は日曜日です。
「電話したの?」
「いつでも見に来てくださいと言ってた」
「閉まってるよ」
「大丈夫だよ、いつでもと言ってたから入っちゃえ」
そして植え込みの間から不法侵入するパパ。
得意げに錠のかかった門の向こうから手を振る。
・・・父よ、仮にも長年聖職と呼ばれる職務をまっとうした方だのに、あなたは。
こちらは会社ですから、防犯設備に触れては大変と、
ともかくも電話をさせ、晴れて不法侵入の許可を得て、ついでに木の在り処も聞き、
ママと三人で植え込みをまたぐ。
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横ですが、これに決めましたです。
いまひとつこの木の魅力がピンとこない私ですが、
本人の希望なので。
続いて閉店セールをやっているという、
市街地中心の老舗家具店へ。
なにやらいろいろほしいらしい。
この店、私が大学進学のため上京する折に、
チェストを購入した店。
パパと二人で来たね。
なんでママは一緒じゃなかったんだろね、と話しながら店内を回る。
(きっとパパとケンカでもしたんだろう・・)
あ、あなたの結婚のとき、新居のバスルームに置く棚もここで買ったね。
どーでもいいことまで思い出して、しばし感慨にふける両親。
・・・ごめんなさい。
続いて同じく老舗百貨店へ。
郊外型の大型ショッピングセンターができてから、
客足は遠のいています。
私たちも何年ぶりに訪れただろう。
しかも三人そろって。
来客用に「京都 清閑院」で水ようかんを求め、
地方の銘菓を二、三みつくろい、
なんて時の「きっちり」感は、ショッピングセンターでは味わえない買い物の妙。
子どもの頃、県内で唯一のマクドナルドはここにありました。
ハンバーガーもシェイクも高値で、
それが目当てで退屈なお買い物に耐えた記憶があります。
人ごみと疲労でくたくたになって喉を通るストロベリーシェイクの冷たさは至福でした。
そんなことも話しながらの、
懐かしい両親との買い物でした。
行ってよかったかも。