日本のSNSを眺めていると生成AIの実務上の使用の話が大量に流れていますが、米国でも盛んに活用されている・・・と思います(少なくとも身の回りでは)
自分を含め、典型的な使用パターンは、だいたい以下の通りではないかなと思います。
新規出願
・明細書のBackgroundセクションのベースを出力させる
・その他、既存技術に関する説明を出力させる
(私は使用していませんが、クレームを入力すれば、明細書の各セクションやフローチャートの入れ物を用意してくれるツールもあります)
中間
・本願明細書(クレーム)と引例とを対比させて相違点を探索させる
・ある特徴(補正案や構成要素)が明細書や引例に開示されているか調べさせる
・(特許適格性など)本件と類似する判例や特許庁のガイドラインを探索させる
全般
・誤字、脱字のチェック
・より洗練された表現への修正
私自身の代理人としてのポリシーでは、文書を丸ごと入力する場合には、Patent Centerなどを通じてパブリックになっているもののみを使用するようにしています。また、クライアントから受け取ったクレーム案や意見書案、自分で新たに作成したクレームや意見などは、丸ごとAIには入力せず、ケースバイケースで判断し、問題ない範囲を切り取るか、内容を編集し一般化して入力するようにしています。
Googleなど、Web検索する際のポリシーと基本的にかわりませんね。ただ、アウトプットは、Web検索より断然有用ですが。
上述のタスクのうち、中間対応の、クレームと引例とを比べて相違点を抽出させる作業は、使える情報を出してくれることも多いので、米国OAの補正案を指示する際、活用できるのではないかと思います。出願人の立場であれば、実施製品などの観点から、補正に使える相違点、使えない相違点が予めわかっていることもあり、この情報をあらかじめインプットしておくことにより、より有意義に補正案探しができると思います。