米国でも、生成AIをプロセキューションの実務に適用して効率化しようとする流れが盛んです。
州にアトーニーの登録すると、どこからともなく様々なDMが大量に飛んでくるようになるのですが、最近は、明細書や応答書作成支援ツール、サーチツールについての宣伝が目につきます。
自分が所属する事務所でも、これらのツールを活用できないか調査を進めています。そのうち、今回はPatent Botsが提供するツールについて知る機会があったため、機能の概略を以下の通り記録しておきたいと思います。
• 独立クレームに基づいて、Backgroundを生成 (ChatGPTを使用)
• 独立クレームに基づいて、Title、Summary、Abstractを生成
• Detailed Descriptionに基づいてBrief Description of the Drawingsセクションを生成
• 方法クレームの文言に基づいて、フロー図のためのテンプレートをDetailed Descriptionに挿入
• Detailed Description内で、要素番号を使って構成要素の入力が可能(100// と入力するとこれに関連付けられた構成要素が追加される)。
• 不適切な表現のリスト(カスタマイズ可能)に基づき特定の単語やフレーズを強調表示
• クレームの校正 (先行詞の問題、従属関係の問題)
• 新クレームの挿入に伴う既存クレームの依存関係の自動修正
これで一ユーザ当たり年間600ドル程度だそうです。
正直、機能そのものは、想定の範囲内で、Backgroundセクションの自動生成の機能を除き、既存の非AIの支援ツールの拡張版のように感じられます。ただ、値段もそこまで高くなく、明細書作成支援ツールとして導入するのはありかなという印象です。
とある企業の方とも話したことがあるのですが、そもそも、良い特許明細書というものを一般的に定義することが難しいように思います。法的な要件は抑えているとして、それ以外の部分の記述スタイルには幅があることから、特許全般に使えるモデルというレベルでは不十分で、少なくとも特定分野(電気化学機械よりもっとも細かい分野)あるいは特定企業向けにチューニングしたモデルが必要になってくるのではないかと思います。(・・・と素人の私が考えるくらいのことは、おそらく考えているのだと思いますが。。。)
今後のツールのさらなる飛躍に期待したいところです。また別のツールを試す機会があれば情報共有させていただきます。
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