国際段階での明白な誤記の訂正 (PCT規則91) | The U.S. Patent Practice

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米国での特許実務に役立つ情報を発信しています。

お問い合わせをいただきましたので、回答を共有させていただきたいと思います。

 

PCT規則91は、国際段階での明白な誤記の訂正 (Rectification of Obvious Mistakes) について規定しています。

 

制度の概要については、以下のWIPOのニュースレターが参考になります。

 

 

さて、お問い合わせの内容とは、この訂正を行った場合、米国国内移行のための翻訳文を、訂正前のもので準備すべきか、訂正後のもので準備すべきかというものです。

 

この訂正が、管轄の機関により受け入れられた場合、その内容は出願の一部となりますので、訂正後の内容の翻訳文の提出が求められます。審査基準上もそのような記載となっています。

翻訳文は、提出された国際出願の翻訳、または PCT 規則 26 に基づいて適切に受け入れられた変更、または PCT 規則 91 に基づいて適切に受け入れられた修正を加えたものでなければならない。. . . さらに、PCT 規則 26 または 91 に基づいて適切に受け入れられた変更以外の修正を含む翻訳(例えば、最初に提出された国際出願には存在しなかった見出しを含む翻訳)は受け入れられない。

(MPEP 1893.01(d)  Google Translate(一部修正), 強調は筆者)

 

一方、規則91に基づく訂正が受け入れられなかった場合には、当然ながら訂正前の翻訳文の提出が必要となります。この場合、米国の国内移行時に、自発補正などを通じて修正を行うことになります。