今日のリバイズシリーズ
「複数の」という表現は、普通は"a plurality of"に翻訳されると思いますが、今日、翻訳明細書をレビューしていて、"a multiple of"とされている例をみかけました。
通常、"a multiple of N"というと、「Nの倍数」を意味することが多いです。
14, 49, −21 and 0 are multiples of 7, whereas 3 and −6 are not.
https://en.wikipedia.org/wiki/Multiple_(mathematics)
特許でよくある「Aは複数のBを有する」といった文脈では"a plurality of" (or "at least two" or "two or more")が適切です。("multiple Bs"ならわからなくもないが、manyのニュアンスになるのでやはり不適切)
翻訳された明細書をレビューする際、人間翻訳されたものの方が読みやすいことが多いのですが、たまにこのような俗人的なミスがあります。それでも、機械翻訳による文脈ガン無視の誤った冠詞・定冠詞・数詞の用法を直すよりは断然楽ではありますが。
翻訳の現場ではもうやられていることかもしれませんが、こういった翻訳のミスもAIですべて拾えるといいなと思います。