体感×データで最適化:エネルギーログとAB設計|内的パワースポットDay4
体感は大切ですが、日によって揺れます。そこで今日は「感覚×データ」で運用を整える日。シンプルな指標を用意し、エネルギーログに記録。さらにAB設計で“どの条件が効くか”を軽く試します。数字は評価のためではなく、微調整のための灯りです。
使うのは2種類の指標――主観(穏やかさ・集中・自己信頼)と、客観(開始時刻の厳守、延長分、セッション後の一言感想など)。どれもスマホ1分で記録できるものに絞ります。完璧さより、続く仕組みを優先します。
進め方は、①指標を決める、②エネルギーログに3〜7日記録、③ABで1要素だけ変えて比べる、の3ステップ。道具は不要。必要なのは“同じように繰り返す”ことだけです。
もし数値が上がらなくても落ち込む必要はありません。データは攻めるための情報。合う条件を特定できたら、明日のDay5で90日プロトコルに落とし込みます。
目次指標設計:主観×客観
主観KPI(0-10の自己評価)
- 穏やかさ(落ち着き)
- 集中(散漫→集中)
- 自己信頼(準備OK感)
客観KPI(数値・事実)
- 開始時刻の厳守(分)/延長分(分)
- セッション後の一言感想(クライアント)
- 簡易満足度(0-10、任意)
ポイント:計測自体が負担にならないよう、全部で1分以内を目安に。
テンプレ:エネルギーログ(スマホ用)
以下をコピペしてメモアプリに保存。各行30〜60秒で入力できます。
| 日時 | 実施ルーティン | 穏やかさ(0-10) | 集中(0-10) | 自己信頼(0-10) | 開始/延長(分) | 一言メモ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 11/11 07:25 | ①グラウンディング | 7 | 6 | 7 | 0 / 0 | 静か、視線安定 |
| 11/11 12:55 | ②リフレーム | 5 | 6 | 6 | +2 / +3 | 昼食後で重い |
AB設計:1要素だけ変える
よくある比較テーマ
- 朝実施 vs 昼実施
- 合図あり(鐘/砂時計) vs 合図なし
- 場所あり(決まった席) vs 場所なし(移動中)
最小の設計テンプレ
| 仮説 | 主要指標 | テスト期間 | 割当 | ガードレール |
|---|---|---|---|---|
| 朝の方が集中が高い | 集中スコア(0-10) | 7日(交互に実施) | 月水金=朝/火木土=昼 | 延長分が増えたら中止 |
注意:仕事・体調・季節要因など交絡の可能性に配慮し、結果は“参考値”として扱います。
読み方:平均より“傾向”を見る
- 日ごとのバラつきより、移動平均(3日)の上向き/下向きを見る。
- “上がり幅が小さい”より“下がり幅が小さい”を重視(安定性)。
- 良かった日の条件を2つだけメモ(再現の鍵)。
- 悪かった日も1つだけ改善案を書く(完璧主義を避ける)。
数字は自分を裁くためではなく、次の一手を決めるための灯り。うまくいかない週があっても、淡々と続けましょう。
ケース:朝実施 vs 昼実施
例:同じルーティン①(グラウンディング)を、朝と昼で交互に7日。結果がこちら。
| 日 | 時間帯 | 穏やかさ | 集中 | 自己信頼 | 延長(分) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 朝 | 7 | 7 | 7 | 0 |
| 2 | 昼 | 5 | 6 | 6 | 3 |
| 3 | 朝 | 7 | 7 | 8 | 0 |
| 4 | 昼 | 6 | 6 | 6 | 2 |
| 5 | 朝 | 8 | 8 | 8 | 0 |
| 6 | 昼 | 5 | 6 | 6 | 4 |
| 7 | 朝 | 8 | 8 | 8 | 0 |
読み解き(例)
- 朝は主観3指標が平均+1〜2点、延長0分で安定。
- 昼は延長が発生。昼食や通知音の影響かもしれない。
- 対策:昼に実施する場合は通知オフ+合図を強める(鐘→砂時計+鐘)。
今日の1アクション
- 主観KPIと客観KPIを各2つずつ決める。
- エネルギーログを7日分記録する準備をする(テンプレ保存)。
- ABテーマを1つ選び、交互に実施するスケジュールを決める。
まとめ
最適化の目的は“評価”ではなく“安定”。主観×客観の指標でエネルギーログを回し、ABで条件を一つずつ検証すれば、あなたの“戻り方”は確度を増します。明日(Day5)は、この運用を90日プロトコルにまとめ、続く仕組みへとつなげます。
参考文献
- Sweller, J. (2011). Cognitive Load Theory. (認知負荷と意思決定の質に関する基礎理論の概説として参照)
- Eysenck, M. W., et al. (2007). Anxiety and cognitive performance: attentional control theory. (注意制御の観点からの解説)
- Benson, H. (1975). The Relaxation Response. (呼吸・生理反応に関する一般向け解説)
- Fogg, B. J. (2019). Tiny Habits. (継続性と小さな行動設計の実践的ガイド)
※上記は一般向けの参考情報です。医療・治療効果を保証しません。実践は体調・状況に合わせて調整してください。
よくある質問
Q. 数字を付けるのが苦手です。
A. 0/5/10の3段階でもOK。上がったか・変わらないか・下がったかの把握だけでも十分です。
Q. ABを同時に2つ試してもいい?
A. 原則は1つずつ。混ざると原因がわからなくなります。どうしてもなら期間を分けましょう。
Q. クライアントの満足度を聞くのが気まずいです。
A. 「今日の一言感想」など、軽い書き方にすると答えやすくなります。強制はしません。