感想:2-2 藤井聡教授の言う公共事業の乗数効果がかくも・・・な件 | ポルシェ万次郎の政経備忘録

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 拙著『アイドル新党なでしこ!』に関する情報発信ほか、他所ブログでのコメント投稿等々を保存した政経ブログ(備忘録)。ポルシェ万次郎(遠藤万次郎)が運営しています。

23. Re:都道府県別有効求人倍率


>rxtypeさん 1/5


>中野剛志とその愉快な仲間たちが揶揄、批判、嘲笑してるだけでしょ。


当方の主張の本質は、そのような「誰が嘲笑しているか」ではなく、「流動性の罠」が本来は「さらなる金融政策の限界性」を説明する際に使われる用語であり、あなたのその「 デフレ状態あるいは流動性の罠の状態で公共事業をやってもデフレ脱却はできません 」は、一般的な使い方ではないという指摘にあります。続くあなたの「 なぜなら、使わずに貯金したほうが得だからです 」についても、公共事業批判という一般的ではない使い方をしたいのであれば、もう少し詳しい説明を加えないと説得力を持ちません。


①量的緩和で資産価格が上昇したことによる需要増、②給付や控除といった所得再分配による需要増、③公共事業関連業者が所得を得たことによる需要増の三種類があるとして、その「流動性の罠」とやらをことさら公共事業にだけ当てはめ、まるで最も物価上昇(デフレ脱却)に寄与しないかのように主張される根拠の補足説明をお願いしたいところです。


>実体経済って何ですか?


あなた方が最重要視される「資産経済(金融経済)」の対義語のようなものです。


>2013年4月に0.82だった有効求人倍率が2014年7月に1.06になったのは何故ですかね?


公共事業の増加およびその乗数効果、消費税増税前の駆け込み需要への対応、日銀の量的緩和による資産効果および偽薬効果の順で寄与したと考えられます。


>逆に言えば、程度を無視すれば、
>フローもストックもインフレ(デフレ脱却)になることは認めるわけですね。


もちろんです。ただ、量的緩和だけだとハイパーインフレは当然のこと、マイルドインフレの目標すら達成する前にストックのインフレ(資産インフレ=バブル)を招く危険性が残ります。これを三橋貴明氏などは、「デフレは脱却できるかもしれないが、そうなる前に我々は死んでしまう(時間がかかり過ぎる)」などと主張されていましたね。


ポルシェ万次郎 2014-09-09 06:07:22




24. Re:都道府県別有効求人倍率


>rxtypeさん 2/5


●アベノミクスの現状認識
・金融緩和:十分に行われている。反対している者は財政拡大優先派にいない。
・財政拡大:十分に行われていない。反対している者は金融緩和優先派に多い。


当方も消費税増税で実体経済が毀損されなければ、或いはコアコアCPIを適正な値に持って行けた「かもしれない」と考えています。しかしながら、だからといって最も有効な財政拡大を抑制していい理由にはなりません。


>どこの方言ですか?


「ヤングリフレ派」は当方の造語ですが、説明しなくてもニュアンスは分かるだろう、支障はないだろうということで、説明は省略させていただきました。質問されたので答えますが、「リフレ派」の代表格は岩田規久男、浜田宏一、原田泰、「ヤングリフレ派」の代表格は田中秀臣、上念司、倉山満、「リフレフォロワー」とは上念にリツイートされているような政経ブロガーの総称となります(敬称略)。


>その証拠は?証拠もなしに、
>まさか誰かの受け売りを言ってるだけじゃないでしょうね?


昨年一年間のGDP統計をブレイクダウンしてみた際の当方の感想です。本稿の主題ではないので、詳述は差し控えます。


>資産効果くらいしかって、簡単にいうけど、それはどれくらいあると思ってますか?


デフレのスパイラルを一瞬逆流させるだけの効果はあったように思います。あのときの金融緩和による期待をカンフル剤や潤滑油にして、メインの財政拡大をアクセス全開に踏んでいれば、とっくの昔にデフレは脱却できていたでしょう。


ポルシェ万次郎 2014-09-09 06:07:30




25. Re:都道府県別有効求人倍率


>rxtypeさん 3/5


>それが若干「元に戻る」ことがそんなに悪なの?


誰が「悪」だなんて言いましたっけ? 「資産デフレ」の解消は歓迎すべき状況です。


>バブルを怖がってるみたいですが、
>バブルというのは消費だけじゃなく、将来への投資も増えることをお忘れなく。


ストックのインフレである「バブル」は起こり得ると警戒していますが、フローのインフレである「ハイパーインフレ」については、核攻撃によって生産設備がことごとく破壊されでもしない限り、常識的な経済政策で人為的に起こすことは難しいと考えています。


あなたのその「バブル」の説明を読んでいて思うのですが、いわゆるヤングリフレ派やリフレフォロワーの方々は、ストックのインフレとフローのインフレを混同されている方が多いように思います。フローのインフレであれば、それがフィリップス曲線の概念に基づく適正な値を超えた「悪性インフレ」であっても、仰るようにそれを解決しようとする力が働きます。そしてデフレやバブルにはデメリットしかありませんが、フローのインフレであれば最適値を超えても供給能力の向上に寄与するメリットは常にあるわけです。


以上のことから、一時期巷で流行した「供給制約があるから公共事業を抑制せよ」との論も、供給能力の向上を阻害するという点から間違いであることが導き出せますね。


>中野剛志はそんなことは書いてません。都合のいいように解釈しないように。


中野氏の日頃の主張から、当方はそのように解釈いたしました。まあ、当方は別段「信者」でもなければ運命共同体でもありませんし、中野氏が言っていようがいまいが、当方はいずれにしたって財政拡大を主張するまでです。


ポルシェ万次郎 2014-09-09 06:07:47




26. Re:都道府県別有効求人倍率


>rxtypeさん 4/5


>藤井教授が切り取った期間以外は、
>実質GDPと公的資本形成の相関は全く見られませんが?


ほかとの相関を見るでもない、ただ単に「経済成長率」を考える場合であれば、一般的にも「実質GDP」の方を注目するのが自然です。しかしながら、今回のような場合は同じ名目値同士でフェアに比較されるべきでしょう。


>藤井教授vs原田教授 Voiceでの論争の行方|ひろのひとりごと
http://ameblo.jp/hirohitorigoto/entry-11847041957.html


当該エントリーにおける当方のコメント投稿、ちゃんと読まれています? あえてそれを引用されるくらいなら、まだ未読ということであればぜひお読みください。ブログ主に対してはコメント欄で終始、「名目値で相関を計算し直せ。自分だって過去に政府支出増加率との相関を出したときは、名目GDP成長率の方を使用していただろう」といった具合に、暗に彼のアンフェアな姿勢を批判していることが読み取れるはずです。


>いや、だから、わざわざ裏負担なんかを持ちだして「水増し」したんでしょ。


そのように乗数効果の水増しをしても、しかも自分で事前にカラクリを説明しておいて、「公共事業の乗数効果1.1は捏造」の何の根拠にもならないでしょう。誰も騙せないし、こうして動画にも残るわけで、動機としては何の説得力もないということから、あなたのそうした理解や主張を「曲解」だと指摘しているのです。


>てゆうか、その数字(正確には1.25じゃなくて、1.125ね)は
>乗数効果1年めの数字だとポルシェ万次郎さん、あなた自身も認めましたよね?


誰がいつ認めたというのですか? これが三橋ブログ内での出来事であれば、議論における「嘘(印象操作)」は悪質なルール違反ということで、言い訳する間も与えず投稿規制の対象ですよ。当方はそこまで厳しくありませんし、そもそもここはあなたのブログということで、まずは当方が認めたとする根拠やソースを示してください。


あとは、その1.25ではなく1.125という数字、これがどこから持って来た数字かが分かりません。解説をお願いします。


ポルシェ万次郎 2014-09-09 06:08:03




27. Re:都道府県別有効求人倍率


>rxtypeさん 5/5


>“それだけで乗数効果2になってるんですよ。”


藤井聡氏の発言を補完し、さらに分かりやすくすれば下記の通りとなります。


藤井「本来の一般政府ではなく、中央政府だけを分母にすれば、日本経済全体に与える乗数効果は4~5という結果が出ました。これはまあ当然のことで、何故なら中央政府の1に対して地方政府も1くらいは支出するため、それだけで乗数効果(裏乗数)は2になっているからです。中央政府の役人ならこれくらいアクロバティックな発想も必要でしょう? で、それを今度は逆に考えれば、裏乗数の影響を除外してやることで、本来の一般政府を分母にした乗数効果は2~2.5となるわけです」


当方は以上のように、批判の前提がおかしいから改めよと言っているのです。


>“政府が1兆円だしたら、GDPなんぼ増えるのかなというのは
>極めて自然な発想なんです”


日本のように地方政府が従属的な中央集権国家体制であればあるほど、中央政府は自らの財政に対する思想や姿勢、実際の政府支出が日本経済全体に及ぼす影響の大きさを考えよという指摘と、裏乗数2の影響を除外して逆算した本来の乗数効果は2~2.5ということで、書き起こし冒頭の「公共事業の乗数効果1.1は捏造」の根拠にも結びつくわけです。


>その言葉、そのまんまお返しします。


当方は「愛すべき馬鹿」と言えば当人に失礼ですが、上念司氏や倉山満氏のネット動画は作業BGM代わりによく視聴していますよ。意見が違うだけで私怨があるわけでもなく、異次元の金融緩和については憎いどころか、当方も賛成しているくらいです。もしも機会があれば、上念氏と倉山氏との鼎談に入って行けていない桜林美佐氏の、あの無意味に冗長な相槌は邪魔だし不快だ、歴史講座のナビゲート役以外をやらせるのは本人にとっても酷だろうとお伝えください。


>都道府県別有効求人倍率のソースはこちらです。
http://funjob.jp/investigation/todofuken.aspx


確認が容易な統計データの添付は今後も不要です。それでは、お返事をお待ちしています。


ポルシェ万次郎 2014-09-09 06:08:15




32. Re:Re:Re:都道府県別有効求人倍率


>rxtypeさん 1/9


>名目金利を上下させる古典的な金融政策の限界しか意味しません。


日銀による国債やETFなどの資産買い入れ、つまりは量的緩和であれば金融政策の限界を超えられる、或いはEUが行うマイナス金利は壮大な社会実験として注目したいなどの議論はあって構いません。しかしこれも本題とは逸れていて、当方からの指摘「流動性の罠とは本来、公共事業批判に絡める類の話ではないでしょ?」に答えたことにはなりません。


>公共事業を請け負って、幾ばくかの収入を得たとしても、
>実質金利が高いので貯金に回る。
>デフレとはそういうものです。


まずは「消費」についてですが、「給付」のような所得移転の場合とは異なり、「所得」のような労働の対価として得た収入であれば、「自分の力で稼いだお金」という自負や達成感から、公共事業のようにただでさえ消費性向の高そうな「土建ザイル」たちであればなおのこと、「実質金利」など考えたこともなくガンガン使ってくれることでしょう。


次に「投資」についてですが、現在の日本のようにデフレギャップがあるということは「市場利子率>投資効率」を意味します(実質金利が高いため内部留保や投機に回りやすい)。これは土建産業に限った話でありませんが、経済合理性を考えれば全産業で意欲は低くなり、いわゆる「合成の誤謬」が発生する状態にあるわけです。


こうなると民間主導による自主的な需要回復などは期待できません。政府が「国土計画」を発表するなどして市場に対し長期の需要を保障、民間企業が安心して供給能力の拡大を行える環境整備が求められるわけです。


>マンデルフレミング効果で、小渕政権や2つの大震災の時に、
>実際にかなり円高になったのはご存知ですよね?


それもよく見るリフレ一派の主張ですが、「消費税増税やリーマンショックといった大きなショックがデフレ圧力として日本を襲った際、小渕政権や麻生政権の『ショボイ財政出動』では全然不十分であった。相殺すらできていなかった」と私は考えています。


ポルシェ万次郎 2014-09-10 09:18:32




33. Re:Re:Re:都道府県別有効求人倍率


>rxtypeさん 2/9


>説明になってません。具体的に示してください。


いや、別に「実体経済」だなんて用語、このようなものは人によって解釈や見解が異なる類ではないでしょう。フローの経済活動であること以外、ほかに説明するようなことはありません。


>その順番だと主張する根拠は?


1.公共事業の増加およびその乗数効果
2.消費税増税前の駆け込み需要への対応
3.日銀の量的緩和による資産効果および偽薬効果


私の中に備わる「活動貨幣」に対する認識や、2013年のGDP統計におけるそれぞれの「寄与度」などから、上記のような順番で各種雇用統計の改善に繋がったと考えました。


>私が例に挙げた福岡で大規模公共事業があったのですか?


各都道府県ごとに投下されたそれぞれの対GDP比での公共事業費について、私は存じ上げておりません。


>消費増税の駆け込みで雇用を増やすなど、
>経営者の立場で考えたらあり得ないですね。
>雇用は中長期のビジョンで考えるので、反動減が予想されるのに、
>駆け込みだけで雇用を増やすなどありえません。


7月の有効求人倍率0.76倍 埼玉 - MSN産経ニュース 2014.9.4 02:16
http://sankei.jp.msn.com/region/news/140904/stm14090402160005-n1.htm


上記などを読みますと、最近ではその時々の需要の増減に対し、アルバイトや派遣労働や業務委託契約で対応するのが一般化してきているように感じます(実質賃金の低下)。公共事業についてもこれまで散々に悪者扱いされて減らされてきた経緯があるため、復興需要や東京五輪需要のあとの需要を全く信用されていないということで、これこそ「公共投資対GDP比8%」や「防衛費対GDP比2%」の目標設定が必要となるでしょう。


ポルシェ万次郎 2014-09-10 09:18:41




34. Re:Re:Re:都道府県別有効求人倍率


>rxtypeさん 3/9


>しかもハイパーインフレなど、三橋氏本人は絶対に主張しないでしょう。
>貴方は、本当に三橋氏を擁護しているつもりですか?


三橋氏の主張に賛同する部分は多いですが、当方にとって教祖や親友ではないので、必ずしもアクロバティックに擁護する動機はありません(コメントにレスすらくれませんし)。オフ会や勉強会で親交(信仰)を深めているらしいリフレフォロワーの方とは違うわけです。


で、恐らく当方の文章を誤読しているようにも感じたので、下記により分かりやすく補完させていただきます。


×量的緩和だけだとハイパーインフレは当然のこと、マイルドインフレの目標すら達成する前にストックのインフレを招く
○量的緩和だけだとハイパーインフレを達成する前にストックのインフレを招くのは当然のこととして、マイルドインフレの目標すらも達成できずにストックのインフレを招く


つまり、ここで言う「ハイパーインフレ」の「当然」とは、「目標達成前のストックのインフレ」についてを「マイルドインフレ」とまとめて言っているのであって、「ハイパーインフレが起こるのは当然のこと」という意味ではありません。いくら日本語が曖昧で解釈の幅が広い言語とはいえ、藤井聡氏の主張に対する誤読でもそうですが、「そもそも論者の主張は何か」を理解していれば本来は間違えようもないはずです。


当方が今のこの供給過剰な日本において、ハイパーインフレの可能性など主張するはずがないでしょう。そもそもあのバブル期でさえ、悪性インフレは発生しておりません。


>「危険性」を主張するならその発生確率と発生条件と
>発生した場合の影響をすべて数値で示しなさい。


定量化できるものはすべきでしょうけれど、それが難しいものへの警鐘を諦めることはないと考えます。


ポルシェ万次郎 2014-09-10 09:18:53




35. Re:Re:Re:都道府県別有効求人倍率


>rxtypeさん 4/9


「日銀が通貨を発行し、政府が借りて、使え」の弊害→フローのインフレが進む
「日銀が通貨を発行し、資産を買い入れて、流せ」の弊害→ストックのインフレが進む


当方がまず示したいのは数値ではなく、例えば上記のような論理です。インフレターゲットの目的はフローのインフレを起こすことにあるのだから、素直に「日銀が通貨を発行し、政府が借りて、使え」を行えばいいわけです。給付などの所得再分配は最初の乗数一回分がもったいないだけで、カテゴリとしてはこちらに分類されます。その点において、高橋洋一氏や飯田泰之氏らの主張する「カネ刷って配れ」については、量的緩和による資産効果よりはフローのインフレに寄与するものと考えています。


「日銀が通貨を発行し、資産を買い入れて、流せ」は当方が今作ったオリジナルの説明ですが、これについても別段否定しているわけではありません。ただ、浴槽に貯めた水を温めようとした際に、現在の状況は浴室に電気ストーブやら石油ストーブやらを持ち込み、さらにはドライヤーの熱風を直接湯船に当てようとするかのような滑稽さが見られるということで、当方らは普通に給湯器の電源を入れて40度に設定しましょうよと主張しているわけです。


>日本式コアCPIで2%というめちゃくちゃ低いターゲットなのに
>十分なわけないでしょ。


コアコアCPIで2%の達成は、前述の「日銀が通貨を発行し、政府が借りて、使え」を実行すれば難易度は低いのですが、現状のアベノミクス「日銀が通貨を発行し、資産を買い入れて、流せ」だけでやろうとすると途端に難易度は高くなります。


>反対している者として、まさにあなたがいるでしょ。


前出の「ハイパーインフレ云々」の誤解が解けた今、当方が金融緩和を邪魔する存在なのではなく、あなたのように「金融政策万能論」を主張する際のセットとなった「財政軽視」についてを、財政拡大を邪魔する存在として迷惑に感じていることが理解できたことと思います。


ポルシェ万次郎 2014-09-10 09:19:10




36. Re:Re:Re:都道府県別有効求人倍率


>rxtypeさん 5/9


>リフレ派のほとんどは消費増税に大反対なので
>あなたの決め付けは間違っていることがわかります。


リフレ一派の中でも主張に濃淡があるため、当方は便宜上あえてリフレ派(レジェンド)、ヤングリフレ派、リフレフォロワーと三つに分類しているわけです。


原田泰「小泉政権下の金融緩和と緊縮財政の組み合わせという政策が成功したことを再認識すべきだ。(中略)財政政策の効果は小さい。金融政策だけで景気刺激効果があるのだから、財政政策を発動しなければ、財政状況は必ず改善する」(2014-04-02)


竹中平蔵「機動的という言葉には二つの意味があって、短期的には財政出動、中長期的には財政再建という意味が入っているんですよ。第二の矢とは、そういうことなんです」(2014-05-10)


浜田宏一「日本の財政はいいとは思えないので、消費税を上げても大丈夫であれば上げた方がよい。反対ではない。なぜならば、法人税をこのままにしておくことは、日本経済にとって基本的にマイナスになると考えているためだ」(2014-05-12)


岩田規久男「(成長率は)実質1%ぐらいがせいぜい。政府が目指す2%に上げるのは成長戦略の役目だ。金融政策にないものねだりをしてもらっては困る」(2014-05-26)


ヤングリフレ派は「リップサービス」で公共事業の必要性を主張する場合があるも、現政権に多大な影響力を及ぼす上記の本家リフレ派の三羽烏や竹中氏などについては、公共事業はおろか財政政策そのものを軽視している印象が随所に確認できます。


もはや「安倍総理は大阪のローカル番組で、移民の受け入れには反対だと明言していた。だから大丈夫」などの問題ではなく、政治家や言論人の発言はその背景にある世界観、以前からの主張や思想を見なければいけないということですね。


ポルシェ万次郎 2014-09-10 09:19:23




37. Re:Re:Re:都道府県別有効求人倍率


>rxtypeさん 6/9


>公共事業はMAXの10兆円やっているのでアレ以上は無理です。
>10兆円以上に増やしても現時点では建設企業が対応できません。


その三橋氏なら、最近は「公共事業は件数よりも、労務単価等々の引き上げ等々で総額自体を増やせ」というような主張をされていて、当方も全くこれに同意するところであります。需給ギャップの存在は供給能力を高めるせっかくのチャンスなのに、政府や世論に蔓延る財政均衡主義や公共事業悪玉論により、仕事を請け負う民間企業が供給拡大のための投資に二の足を踏んでいるような状況なのです。


長らく続くデフレで人々が「値上げ」を忘れ、節約の名の下に政府からは少ない労務単価しか提示されず、需要に合わせて供給を増やすのが筋であるが政府の方針が信用できないとあれば、増税前の駆け込み需要と相まって「人手不足気味」となるのは何ら不思議ではありません。


>CHINAはバブルですが、そのおかげで軍事力増強でき、
>国際的な発言力も高まったでしょ。


近年は崩壊も危ぶまれるバブル状態の支那ですが、2003年以降に見られる急激な経済成長については、それと同時にフローのインフレが適正な範囲に維持されていたからとの分析もできそうです。


>そういうのを牽強付会と言います。


当人らの日頃の主張や思想を鑑み、一部を補完してより分かりやすく解説する行為そのものは否定されないのですよね? そうであるならば、批判には当方が自説に応じて都合良く解釈したであろう論拠を示すことが必要となります。


ポルシェ万次郎 2014-09-10 09:19:36




38. Re:Re:Re:都道府県別有効求人倍率


>rxtypeさん 7/9


>公共事業は実質GDPと相関していないと認めるわけですね?


「相関はない」と言うと語弊がありますが、後年は公的固定資本形成の減少を穴埋めする形で政府最終消費支出(社会保障費など)の増加が実質GDPの成長を支えた側面と、双方ではなく一方にだけ物価変動の影響が加味させているアンフェアにより、「結果として高い相関係数を示していない」との見方なら異議はありません。


なので、「政府支出(実質)は実質GDPと相関する」、或いは「政府支出(名目)は名目GDPと相関する」と考えるのがより正しく、この問題を議論するうえでの本質となるでしょう。「 公共事業だけが財政政策じゃないんですよ 」とあなたも仰るように、或いはかつて廣宮孝信氏やリフレ派に転ぶ前の山本博一(ひろ)さんが分かりやすいグラフで「政府支出増加率と名目GDP成長率の相関関係」を示したように、財政政策を軽視するリフレ派(レジェンド)に対しては、以上の「正しい相関関係」を基に財政政策の有効性を訴えて行く必要があるわけです。


>で、なぜ名目GDPと比較することがフェアなんですか?


経済を実質値に換算して認識することは大切なことです。これ自体に異論はありません。しかしながら、両者の相関関係を調べたいのであれば、一方のGDPにだけでなく公的固定資本形成の方も実質値に換算し直さないと、物価上昇率という影響力のあるパラメーターを無駄に介在させることとなり、本来調べたかった内容とは乖離した結果を生んでしまうことにもなるわけです。


この「その公共事業費(名目)にしたって、名目GDPと同じように物価変動の影響は受けているだろう」という発想は、当方以外にはほかの著名人やブロガーからも確認できておりません。何ででしょうね? 別途、政府支出増加率と物価上昇率との相関関係についても、エクセルが得意な方は相関係数をお調べになるといいでしょう。


ポルシェ万次郎 2014-09-10 09:19:49




39. Re:Re:Re:都道府県別有効求人倍率


>rxtypeさん 8/9


「GDPが主に民間消費、民間投資、政府支出、純輸出で構成されている以上、GDPと政府支出との相関係数は高くなって当然じゃないか!」という反論や不満もあるでしょう。しかしながら、原田氏は前出の発言のほかに、「 財政・金融両面から景気を刺激しようとするからいけないのであって、財政は何もせず、金融だけで景気を刺激すれば良い。それでも6割は金融政策が支えていたということは可能で、かつ、公的支出によって、他の需要項目が抑えられてしまっていた可能性がある。公共事業を抑えておけば円安がさらに進んでもっと輸出が伸びていたはずである 」などの発言もあるわけです。


つまり、リフレ派はクラウディング・アウト効果やマンデル・フレミング効果についてを、デフレギャップを抱えるこの経済大国日本においても顕著に発生すると主張していることになります。このような御仁が存在する以上は、「当然かつ正しい相関関係」を示すことにより、公共事業を含めた財政拡大を主張することの意義は高いです。


また、どうしても公共事業を批判したいのであれば、経済成長率への寄与度が「政府最終消費支出>公的固定基本形成」であることを証明する作業をお勧めします。それが過去の統計から証明されれば、「財政拡大は当然のこととして、より効果的な方を増額すべきだ!」との「公共事業批判」が可能となります。まあ、それでも絶対数を増やして行くべきとの結論は変わりませんが……。


>あなた方は、終始実質賃金がーと連呼して、実質を重視してるじゃないですか?


先ほど申し上げたように、経済を実質値に換算して認識することは大切なことです。ただ、実質を重視することに当方も賛成していますが、相関関係を調べる際には「実質同士」「名目同士」でよろしくお願いいたします。


>裏負担を除外するのが普通だから。そう考えると相当悪質な印象操作です。


いえ、普通は裏負担を除外するというより、最初から一般政府を分母にして乗数を見るわけです。そして藤井氏の場合は裏負担を出したあと、最後には裏負担を除外し、本来の乗数効果が2~2.5であろうことをちゃんと説明しています。ことさら最初に出した裏乗数4~5を強調し、そのまま除外せずに本来の乗数効果も4~5であるかのような印象操作をしているわけではありません。


ポルシェ万次郎 2014-09-10 09:22:06




40. Re:Re:Re:都道府県別有効求人倍率


>rxtypeさん 9/9


当方は何も誤読したことを責めたいわけではないのです。特に藤井氏に対して良い印象をお持ちでない方にとっては、間違った解釈をされても仕方のない難解さがあったでしょう。しかしながら、当方の説明を何度も読んで理解できない、或いは理解できてはいるも修正を拒否するという不誠実な態度を取るのであれば、これ以上のやりとりは全く無意味なものと判断せざるを得ません。


>正党《アベ不支持会員No.1》という輩のコメントでした。


その方は存じ上げておりますが、他人の発言について全て捕捉しているわけではなく、また全て記憶しているわけではありません。


>そういう風に人の発言をねじ曲げ、
>さもそう言ったかのように表現することを「捏造」「改ざん」と言います。
>当然、エビデンスとしての価値はゼロです。
>あなた、信頼を失いますよ。


ご自身の行為を仰りたいのでしょうか? いえ、この場合は「解釈の妥当性」を言いたいのではなく、当方の場合はどう転んでも対象への「好意的解釈」にしかならないため、「ねじ曲げ」「捏造」「改ざん」といったネガティブな言葉を当てはめるのは相応しくありません。こういった言葉は、現にそれを批判の材料に使っているあなたにそのまま当てはめるのが自然です。


あなたはこちらからの質問には答えず、質問返しや批判に終始するきらいがありますね。こちらばかりが質問に馬鹿丁寧に答えるものだから、レスの分量だって長くなってしまいます。当方もリフレ派との不毛な論争が目的ではないため、再度、藤井氏に対する誤読か曲解かは分かりませんが、当該動画における発言の真意が分かったのであれば、素直にエントリーの訂正をお願いしたいところです。


なので、当方のレスはこれで最後といたしますが、お返事は必ず読みますので、有終の美を飾るのに相応しい納得の行く対応を期待しています。あまりに不誠実だと、あなた、お仲間からも信用を失いますよ。


ポルシェ万次郎 2014-09-10 09:22:22