復活の意味 ~ エーテル体 | 大分アントロポゾフィー研究会

大分アントロポゾフィー研究会

ブログの説明を入力します。

”・・・イエスは言われた。「この世の子らはめとったり嫁いだりするが、次の世に入って死者の中から復活するのにふさわしいとされた人々は、めとることも嫁ぐこともない。この人たちは、もはや死ぬことがない。天使に等しい者であり、復活にあずかる者として、神の子だからである。死者が復活することは、モーセも『柴』の箇所で、主をアブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神と呼んで、示している。神は死んだ者の神ではなく、生きている者の神なのだ。すべての人は、神によって生きているからである。」・・・”(『ルカによる福音書』 第20章)

 

キリスト・イエスは、死ぬことによって肉体から自由になり、エーテル存在へと変容した。ゴルゴタの秘蹟を経て、エーテル体を最下位の体として持つ存在、まさしく天使/アンゲロイと同格の存在として復活したのである。

ゴルゴタの丘で神/人として死ぬまでは、人間界に顕現/出現したキリストは、死後、復活を遂げ、天使たちの世界/エーテル界に姿を現したことになる。

 

肉体からエーテル体以上の体が分離し、肉体が「土に返る」(「創世記」第3章)ことを「死」と呼ぶ。肉体はアーリマンの支配する鉱物界へと戻る。「お前がそこから取られた土に。塵にすぎないお前は塵に返る。」(「創世記」第3章)

だから、「エーテル体が死ぬ」というような言い方はできない。肉体とエーテル体との分離があるに過ぎないから。

肉体は分解され鉱物界へと戻ってゆくが、エーテル体が分解され鉱物界へと行くことはない。肉体との絆が解けたエーテル体は、エーテル界へ行く。

通常、肉体との絆が解けた個的なエーテル体は、全的なエーテル界へと融解/解消し、その個体性を失う。

しかし、天使存在の個的なエーテル体は、その個体性を失うことはない。ゴルゴタの秘蹟後、天使の位格を持つようになったキリストのエーテル体は、まさしくキリストのエーテル体として個体性を維持する。

 

エーテル界において、個体性を有する存在は天使存在である。

人間のエーテル体は、人間が死ぬとやがて宇宙の全的エーテル界の中に解消されるが、まだ地上の世界を生きている間、人間のエーテル体はその個体性を維持し続け、純粋思考/エーテル的霊視によって、天使存在の姿を見ることができる。

もちろんそのためには、アストラル的な障壁(イメージ体/文脈イメージ)が消えなければならない。

 

 

”「・・・あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」”(『マタイによる福音書』 第28章)

 

「あなたがたに命じておいたこと、すべて」・・・実に意味深い言葉である。

キリスト・イエスの存命中、弟子たちは彼の言葉(「命じておいたこと」)が全く理解できず、何度も諫め(いさめ)られた。しかしキリスト・イエスは復活して、弟子たちには聖霊降臨の出来事が起こり、彼らは事のすべてを理解するようになるのである。

そしてキリスト・イエスは、彼らが理解するようになったその「すべて」を以て、「すべての民をわたしの弟子にしなさい」と弟子たちに言った。