30代女性
【主訴】
消化器系の不調による体重減少及び様々な自律神経症状
【問診】
数ヶ月前から胃腸の調子が悪い。
元々胃腸は弱い方だったがこんなに長い期間調子が悪いのは初めてである。
食欲もなく、食べれたとしても胃が痛くなる。便秘や下痢も繰り返している状態。
家族で外食する事も多かったが、
消化器内科を受診し、様々な検査を行った。
『胃炎』『IBS(過敏性腸症候群)』と診断を受け、薬を処方されている。
体重も以前より徐々に減少しており、体力もなくなったように感じて
慢性的な首肩こりや腰痛、顔のほてりや頭痛、動悸や寒気、
それを消化器内科へ伝えると心療内科へ行くように言われる。
心療内科では消化器系の薬以外にも、数種類の薬を処方され服用している。
薬を飲むと多少調子は良くなるが、できれば薬は飲みたくない。
SNSで治療法を探す中で当院のInstagramを見つけ、同じような症例が多々あった為ご連絡頂きました。
【視診・触診】
視診
ストレートネックが確認できる。
触診
頚部の顕著な浮腫がみられる。
頚部から背部にかけて筋緊張がある。
背部を触診時に胃まで響くような認知覚が出る。
【治療】
トリガーポイント形成による『頚部浮腫』と判断。
頚部浮腫による副交感神経圧迫による交感神経緊張症状が、多くの不定愁訴・自律神経の乱れの原因と判断。
首肩を中心に背部まで治療をした。
主な治療部位
①頭半棘筋
②僧帽筋
③胸鎖乳突筋
④肩甲挙筋
⑤板状筋
⑥胸部多裂筋
【治療経過】
1回目
初回は細めの鍼にて治療。
胸部多裂筋を刺鍼時に胃まで響くような認知覚が出る。
術後、身体の緊張が取れると同時に脱力感が出る。
2回目
前回後、翌日は身体に重だるさが残る。
胃腸の調子はまだ変化がない。
3回目
前回施術後に少し身体が軽くなってきた。
鍼を置鍼中に胃腸がボコボコと動いていた。
術後、久しぶりにお腹が空く感覚があった。
5回目
胃腸の調子も良くなってきており、食事も取れるように。
睡眠障害も改善し、動悸も以前より減少している。
処方された薬は全て服用を中止した。
8回目
体重も戻り始める。
消化器系の不調及び様々な自律神経症状も消失。
仕事が忙しい時などは多少症状が出るが、鍼治療で治った経緯が安心材料となっている。
現在も週一度の治療を継続している。
【消化器系の異常と首凝りの関係性】
現代医療は盲目。
観えるものしか、ちゃんとした治療を提供することが出来ない。
だから『長引く病気』『長年飲む薬』、増えている病気が多い。
若い人の過敏性腸症候群(IBS)もそう。
起立性調節障害もそう。逆流性食道炎もそう。咳喘息もそう。
病名が有れば有る程に、長引く病気・長年飲む薬に繋がります。
『この病気は一体何が原因なのか?』…と患者さん自身が深掘りして考えないと自分自身の体を大切にすることにはつながりません。
今回のケースは消化器系の症状で医療機関を受診。薬を処方される。
様々な自律神経の不定愁訴がある。心療内科への受診を勧められる。
『じゃあ、どうやって治せば良いのか!』
悩んでいる患者さんがものすごく増えています。
自律神経の症状は『私の身体、どうしちゃったの…?』という症状です。
消化器系の不調は普通は『お腹が原因だ』…と思いがちですが、もしそれが長引いている場合・もし他にも不定愁訴(自律神経症状)がある場合…それは『首の環境』に問題があります。
トリガーポイントによって首が浮腫むと『頚部浮腫』という環境になり、副交感神経が働きにくくなります。
消化器系を動かすのは副交感神経。副交感神経が働きにくくなった消化器系も動きにくくなります。
首の環境による病気が、現代社会で多くなっています。