良寛禅師の歌に『世の中に 何が苦しと 人問わば 御法(みのり)を知らぬ 人ぞと答えよ』…とあります。
これは『大事な事を明らかにしないまま生きているから、みんな苦しむんだよ』…という教えです。
ぼんやりしているものに明かりを当てること。
ぼんやりと曖昧なまま生きているから、苦しむ。
何が大事が鮮やかになると楽になる。
『哲学』…と聞くと日本人は身構えます。
「難しいやつだ」「理解できない」「わからない」
なぜか?
それは、頭の良い哲学者が哲学学をして哲学そのものを難解にしてしまったからです。
そもそも哲学は『する』ものです。哲学するをする…ということが大切。
『己の哲学』を持たない日本人が今、多い。
アジアで初めてノーベル賞をもらったタゴールは、
「哲学なき政治」
「哲学なき知性」
「労働なき富」
の三つを挙げ、国家崩壊の要因としました。
人間として、自分が主人公として生き切るのであれば『自分自身の哲学』が必要なのではないか。
随所に主となる。紛れもない自分自身こそ感性。
理性や知性の頭は要らない。哲学は肚(はら)そして自分自身の体に染み込ませるものです。
哲学するをする。つまりは実感即動。感じたら直ぐ動け。哲学は行動です。
世界一厳しい研修といわれる『山』というものがあります。
私は『山』の卒業生です。
昨日『焼き鳥浩二郎 大将 小澤浩二郎』が山から降りてきました。
頭ばかりの現代社会。考えてばっかりの現代人。考えて、頭がいいもの知りは多い。
しかし、頭の時代は終わります。頭の人間は生き切ることをしない。
現代の「今」を鮮烈に生きる人間が哲学することは『考え方より感じ方』ということです。
今日は、福岡から人材派遣の会社を経営する山野社長が治療院を見学しにきました。
山野さんは奈須先生の『山』の同期。
奈須の同期は私の兄弟です。
山前の彼を、私は知りませんが、彼の目が鮮烈に生きるを語っています。
頭の人間が書いた本が書店に山積みされています。
人の印象は何秒で決まる!…とか、ありますね。
ため息が出ます。
人の印象は何秒とかじゃないですよ。よく見られる様に着飾っても見る人が観たら直ぐにわかります。
日本人だけの言葉があります。
『一目惚れ』
一目見ただけで惚れる『存在』ですよ。
そしてそれが忘れられない『存在の余韻』。
船が通ると後ろに線が出来ます。
なかなか消えない。
これを『航跡』といいます。
余韻の残る人間が私の周りには沢山います。山野さんもその一人。
何が大事かを鮮やかにすること。
肚に染み込ませよ。