40代男性
【主訴】
食いしばりと歯ぎしり
顎に何か引っかかっている感覚
【問診】
学生時代からずっと顎が気になっている。
歯もよく痛くなる。(虫歯は無い)
朝起きて顎が痛い…というのが学生時代からの当たり前になっている。
日中も食いしばっていることが多い。
開閉に痛みはないが引っかかりがある。
【視診・触診】
頚部に浮腫が診られ、特に後頭骨周辺(
側頭筋、咬筋共に筋の膨隆が診られ、
【治療】
歯ぎしり、食いしばりによりTP化している
①咬筋
②側頭筋
根本的な自律神経の調整を目的として
③後頚部(頭半棘筋、
の治療を開始した。
1回目
鍼の響きが心地よく感じる。当日夜はよく眠れた。
3回目
口が開けやすくなる。まだ完全ではないが、
5回目
日により波があるが、調子が良い日が増える。
10回目
歯ぎしり、食いしばりも消失しました。
学生時代から苦しんでいた症状が治り、社会人も20年目にしてこんなに身体の調子が良いのは初めてだ…ということで、現在も定期的に首の環境改善を含め、自律神経の治療も合わせて治療継続中である。
【顎関節疾患・食いしばりの治し方】
おざわの同級生が近くで歯科医院を開業しているのもあり、『顎関節症や食いしばり関係を治してほしい』…という紹介を受けることが多いです。顎関節症になると歯の治療も出来にくいので『とりあえず口を開く様にしてほしい』…という依頼も多いです。
顎がカチカチ鳴ったり、コリっと鳴ったり、痛み以外にも違和感を感じている人は多いです。
顎の関節は特殊で、口を開ける時に少し前方に亜脱臼するような関節の動き方をします。
耳の前に顎の関節がありますが、両指で触って口をアーンと開けると両方一緒に動くという人は少なく、左右若干の誤差があります。これは利き腕があるように利き足もあるように、利き顎…というのもあるので左右の筋バランスは違います。
バランスが違うから悪くなる…という訳でも無いのでその辺は不安にならなくてもよいです。
食いしばりは『ストレスが原因』とよく言われますが、ストレスなんて現代人はあって当たり前。そのストレスをどうしようと考えるよりも『なぜ顎に症状が出るようになったのか?』と原因を深掘りして考えるべきです。
なぜ食いしばるのか?
なぜ顎が痛くなるのか?
原因の本質は『首』にあります。
特に首の浮腫み『頚部浮腫』が原因です。
首が浮腫むと交感神経緊張になり睡眠も浅くなり夢を多く見ます。
夢を見ている時は結構食いしばっている人が多いようで、寝ている時は脳のリミッターも外れてますから結構ググググッっと容赦なく食いしばっています。食いしばることにより関節の負担も出ますし、咀嚼筋にトリガーポイントも形成されやすくなります。
顎関節周辺の症状の本質は首にあるので、首を治しながら顎周囲の治療を行うと根本的に治ります。
今回のケースの様に数十年の歴史があっても首の環境と咀嚼筋を整えると症状根治に繋がります。