30代女性
【主訴】
パニック症
(ドキドキ・ざわざわ・不安感・吐き気)
【問診】
暑さがずっと続いた夏、少し気温が下がり始めて涼しくなったころ。
急に心臓がドキドキして、胃からこみ上げる吐き気、つわりの様な感じ。
不眠が続き、突然ドキドキが始まる。半日くらいドキドキが治まらないことがある。
循環器科でホルダー心電図検査を行うが異常は診られない。
友人の精神科医にオンライン検査で症状を説明し、SSRIを処方され服用。
しかし服用後から症状が超悪化。激しい不安感・ざわざわ感が自身を襲う。
過去、春ごろに急なざわざわ感や不安感を感じたことがあった。その時は首の異常なコリを感じていた。
首には何かある…と、調べている間に当院HPへとたどり着き、ご来院へと繋がりました。
【視診・触診】
ストレートネック(++)筋浮腫(++)
触診ではヌルヌルとしたトリガーポイント特有の部位が多い。
深部までトリガーポイントが潜在している予測を立て、細めの鍼(霞鍼)を使用して表層から刺激量を調整しながら治療する段取りを治療計画とした。
【治療】
①頭半棘筋後頭骨停止部
②頭板状筋後頭骨停止部及び裏板状TP
③僧帽筋
④胸鎖乳突筋
⑤菱形筋棘突起直側
初回使用鍼「霞鍼25本」各筋のTPにアプローチを行った。
初回治療終了後2回目来院時:『信じられないくらい楽になった』とのこと。しかし表層のTP除去による筋浮腫が取れた事による自覚症状の変化。
他覚的な所見としてはまだ深部に隠されたトリガーポイントがある為、さっそく2回目から深部のトリガーポイント除去も行う事とした。
3回目:かなり良い。
子供さんにも『お母さん元気になったね!』と言われる。(ヨカッタ)
5回目~:経過良好。子育て&旦那さんの仕事が超激務にて予定がなかなか立てられないが、隙をを見てお電話頂き治療継続中である。
【パニック症なのか、首コリなのか。】
うつ・慢性疲労症候群・パニック症・更年期障害・過敏性腸症候群(IBS)・起立性調節障害などなど、、、
現代社会で増えている疾患はなぜ現代社会で増えているのか?情報を深堀りして考えていくと、首の環境悪化が原因ではないかと一つの道筋が浮かびます。
最近、我が院にとってもありがたい傾向なのですが、私自身とクリニックの医師との年齢も近くなった事もあり、人間同士の関係性が強くなってきました。
同じ年代なので鍼治療に対する認知も寛容であり、内科・精神科・耳鼻科・産婦人科の医師たちからの鍼治療紹介がとても増えてきました。
更に同業?ではありませんが、ペインクリニックや整形外科の医師も当院に治療に来たり、この症状はおざわさんで鍼受けて来て下さいと紹介して頂いたりする事も増えてきました。
お互いにこれは人間同士認め合ってのものなので、患者様の為にという魂の繋がりでもあります。感謝です。
鍼治療はこの20年間で大分変わりました。しかし、これからも変わり続ける部分と、変えてはならない守るべき部分を大切に出来る学問でもあります。
追求して追求して、辿り着いた先に鍼治療の王道があります。
症例報告
院長小沢