30代女性
【主訴】
4ヶ月前程前から右頚肩から腕にかけての強い痛みとしびれがある。
常に痛い。病院では『頸椎症』と診断された。
処方された湿布を使用しつつ安静にしていたら一度は良くなったが、少し経つとまた痛みが出てきた。
セルフケアとしてストレッチをすると症状が緩和される。
【視診、触診】
全体的に多少の浮腫みと右の頭半棘筋や棘下筋、左右の僧帽筋に特に硬結が診られました。
頚が長く前のめりになりそうな姿勢をしていました。
【治療】
鍼治療は初めてで怖いと言うことで顔にも使用している鍼にて刺鍼しました。
棘下筋に関してはしっかりと刺激を入れたかったので頚部などに使用した鍼とは別の鍼にて刺鍼しました。
治療部位…【僧帽筋、頭半棘筋、棘下筋、肩甲挙筋、胸鎖乳突筋】
右側の首から肩にかけてを集中的に治療しました。
1回目…10→5。痛みが半分になる。痺れが消失。
2回目…徐々に良くなっている気はするが、初診ほどの変化は感じない。
3回目…5→2。だいぶ良い。硬結にも解れが診られる。
4回目…3回目の治療でだいぶ良くなったので筋力トレーニングをしたら再び痛みが上がってしまう。4回目の治療後はまた症状が落ち着く。
5回目…2→0。症状が改善される。
ペインスケールが2になった時点でセルフケアとして肩周りのストレッチや肩甲骨を意識した運動を指導しました。
肩に負荷がかかる事はしないようにと注意。
3回の治療でほぼ痛みや痺れが無い状態になったので、筋力の左右の差を感じていたご本人が運動しても大丈夫だろうと行った結果再び痛めてしまいました。油断禁物...
その後5回目の治療にて症状が消失しました。ただし、頚肩コリは残っていた為現在は10日に1回ほどのペースで定期的に治療しております。
【まとめ】
4ヶ月以上も日常的に症状が出ていましたが、5回(期間としては約3週間)の治療で改善しました。
ストレッチなどで多少の症状緩和が診られる場合などは、筋肉が原因であることが多いです。
トリガーポイント治療では、筋肉にできたTP(症状の原因となるポイント)に直接的に刺激し、手では触れられないところへの治療が可能となります。
深層にできやすいTPをしっかりと把握して治療出来ることで根本的な治療に成ります。
頸椎症の治療としては主に保存的療法が一般的ですが、ある程度の治療期間を経ても改善されない場合は別の治療法を考えなくてはなりません。
手術をしたとしても術後良好な場合もあれば変化無しという場合もあります。
改善したとしても、術後の経過の内に時期(天気や季節など)や日常生活内でのストレスなどで手術痕周辺の自律神経が乱れ、新たな症状を出すことも多いです。